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VS ポコポコ様③

 うなりながら砂の上に長い両腕をつき、今にも飛びかかろうとする人狼。興奮する猛獣を前にポコポコは余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)



ポコポコ「犬かぁ。仲良くなったとしても、関係性は友達というより主人とペットやな。でもペットを友達と言う人もいれば、家族と言う人もいるし、考え方次第で」



 腕の力を使って大きく前進した人狼が、独り言の真っ最中だったポコポコの喉に噛みつく。そしてアゴの力だけで港町のほうへと投げ飛ばした。民家をいくつも倒壊させながら町の中心へと飛んで行くポコポコ。200m近く投げ飛ばされ、コンビニの壁面にめり込んだ。


 ポコポコは壁のコンクリートを崩しながら立ち上がる。その体には傷一つついていない。



ポコポコ「凶暴やなぁ。ちゃんと(しつ)けてからプレゼントせぇや。言うことを聞かん獣を手懐けるには、どっちが強いか力で示すしかあらへん。けどペットを傷つけることなんてやりたくないねん」



 ポコポコを追いかける人狼が、建物を破壊しながら猛スピードで接近。ポコポコの目の前で立ち止まると、両手を組んで頭の上から振り下ろし、ポコポコを殴りつけた。地面に直径10mほどのクレーターができる。倒れたポコポコを左右の腕で交互に何度も殴りつける人狼。さらに、ポコポコがめり込んでいたコンビニを建物ごと持ち上げ、ポコポコの真上から落とし、潰した。



人狼「ぎゃしゃぁぁぁぁぁぁっ!」



 人狼はコンビニの上に飛び乗り、満月に向かって大きく吠える。まさに勝利の雄叫び。上空を飛来するヘリコプターの中で混堂(こんどう)が「よしっ!」とガッツポーズをした。


 直後、のしかかっていたコンビニを貫くようにポコポコが飛び出し、上に乗っていた人狼を左足で蹴り上げた。ヘリコプターよりも高く飛ばされる人狼。ポコポコも飛び上がり、人狼を追いかける。その跳躍力は10階建てのビルでも軽々と飛び越えられそうなほど。


 空中で仰向けになり身動きが取れない人狼を、ポコポコはさらに高く蹴り上げた。



ポコポコ「お前の力はようわかった。久しぶりに戦う楽しさを味わえたで。オレのコンボ攻撃を食らって生きてたら、ペットとしてこの島で暮らせや」



 空中を蹴って人狼に接近したポコポコは、人狼の腹部に高速で何発もパンチを叩き込む。勢い良く地面に落下した人狼。ポコポコはその両足を脇に抱え、体を回転させると、再び空中に向かってほうり投げる。人狼が投げられた先には、混堂が乗るヘリコプターが滞空していた。



混堂「ひひひ避難をぉぉぉあぁぁあぁぁぁっ!」



 人狼とヘリコプターが衝突。ヘリコプターは空中で爆破した。



ポコポコ「あらぁ〜、やってもうた。まだオレのコンボ攻撃の途中やったのに」



 爆発で黒焦げになった人狼は両腕と両足を大きく開いたまま民家の屋根の上に落ちた。ポコポコは地面を蹴って跳躍し、人狼が寝そべる屋根の上に降り立つ。


 人狼の頭部を覆っていた仮面が砕け、ぐちゃぐちゃになった脳みそが露出した。



ポコポコ「しまった。死んでもうた。もっと遊びたかったのになぁ。でも死んじまったもんはしゃあない。オレが有効活用したる」



 ポコポコの頭が8倍ほどの大きさに膨れ上がり、巨大な口で人狼の体を丸呑みにした。



−−−−−−−−−−



喉具呂(のどぐろ)島 沖合

 ヘリコプターの中から双眼鏡でポコポコと人狼の戦いを観察していた歯砂間(はざま)が呟く。



歯砂間「……怪異の駆除のために怪異を使いやがって。『(りょう)』の()()に反してるだろ、あのバカ。まぁ自業自得だな」



 歯砂間は気を取り直し、特殊部隊員たちとシゲミに通達する。



歯砂間「邪魔が入ったが、予定通り作戦を決行。すでにポコポコの居場所は捉えた。全員で駆除にかかれ」



 歯砂間を乗せたヘリコプターと3隻の輸送船が喉具呂島へと接近。埠頭に到着した船から隊員たちとシゲミが島に降りる。


 港町へ進もうとしたとき、上空からポコポコが現れ、隊員たちの前にふわりと着地した。



ポコポコ「第二陣やな。今度はもっと楽しませてちょうだい」


男性隊員「撃て」



 特殊部隊員36名全員が自動小銃を構え、発砲する。数百発の弾丸がポコポコ目がけて飛ぶが、体に当たる寸前で全て明後日の方向に飛んで行く。何発撃ってもポコポコには1発も命中しない。



ポコポコ「さっきのワンちゃんに比べたらだいぶ甘っちょろい攻撃やな。手加減してくれてんのか?」



 ポコポコの足下からドス黒い霧が出現し、隊員たちを包み込む。目に見えるほど濃い邪気。隊員たちは次々に苦しみだし、倒れていく。



ポコポコ「キツいやろ?邪気は人間にとって猛毒みたいなもんやからなぁ」



 ポコポコの頭が50倍ほどの大きさに膨らむ。



ポコポコ「反撃でけへんなら、みーんなまとめていただきまぁす」



 邪気により動けなくなった隊員全員を、ポコポコの口が飲み込む。両方の頬をパンパンにしながら数回咀嚼した後、ポコポコの頭が元の大きさに戻った。



ポコポコ「あー、まっず。銃ごと食ったからか、鉄の味がするわ」



 眉間にしわを寄せ、舌を突き出すポコポコの頭上から手榴弾が4つ降り注ぎ、足下で爆発。爆風がポコポコを包むが、やはり無傷。


 振り返るポコポコ。視線の先にはスクールバッグを左肩にかけたシゲミが、5mほど離れて立っていた。

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