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VS ポコポコ様 Round3⑩

 リオに貫かれた腹部の傷が癒え、ヨロヨロと立ち上がるポコポコ。度重なる分身で疲労がピークを迎えていたリオも、体勢を立て直す。



ポコポコ「正直、だいぶ切羽詰まっとるわ、オレ。でも何でやろ。自分らと戦うの、楽しいわ。もっと余裕があるときに戦いたかった」


リオ「楽しいだと……? 痛めつけが甘かったか。ならよぉ、『ママァ〜』って泣き叫ぶくらい苦痛を味わわせてから殺してやる」


ポコポコ「あいにく、オレはママから虐待じみた育てられ方をされてなぁ。叫ぶなら『パパ』や。まぁパパもオレが生まれてすぐ死んでて、顔も名前も知らんねんけど」


リオ「複雑な家庭環境か。ならばこれ以上、触れないようにしておくぜ」


ポコポコ「お気遣いどうも」



 リオは反復横跳びで残像を生み出し、3人に分身。そして走り出す。ポコポコは両手を正面にかかげ、口を大きく開けた。両手と口から邪気のレーザーが3本放出され、分身したリオに向かって突き進む。



ポコポコ「3体同時に攻撃すりゃ、絶対に当たるやろ?」



 リオの分身それぞれをレーザーが撃ち抜く。しかし全て残像。リオの分身3体とも消失する。



ポコポコ「なんやて!? 本体は!?」



 リオはポコポコの左側の死角に大きく回り込んでいた。ポコポコがレーザーを放った直後、4体に分身していたのである。本体のリオは最後の力を振り絞り、ポコポコに急接近。チェーンソーを下から上へ振り抜き、ポコポコの左腕を(ひじ)のあたりから切断した。



ポコポコ「ぐぁぁぁぁっ! 4体目やとぉ!?」



 腕の痛みで悶絶するポコポコ。先ほどのレーザーで体内の邪気はほとんど使い切り、千切れた腕を回復するほどの余力はない。


 ポコポコの表情が苦痛に歪むの見たリオは小さく笑うと、うつ伏せに倒れて気絶した。


 直後、ポコポコの頭上から手榴弾が5つ降り注ぐ。地面を蹴って大きく後ろに下がるが、手榴弾は爆発しない。



ポコポコ「不発か!?」


シゲミ「また引っかかってくれたわね」



 シゲミが倒れるリオの傍らに近づき、グレネードランチャーでポコポコを狙撃。ポコポコの全身が爆風に飲まれた。


 シゲミはグレネードランチャーを投げ捨てると、ポコポコを包む噴煙に向かってスクールバッグの中の手榴弾を投げつけ始めた。左右の手で握った手榴弾のピンを口で引き抜き、次々投げる。持参した手榴弾53個、全て投げ切った。


 立ちこめる爆煙は地上70mほどの高さまで昇る。シゲミからポコポコの姿は見えない。


 煙が揺らぎ、中から横に薄く延ばされた邪気が、シゲミのほうへ(つばめ)のように鋭く飛んできた。空気をも切り裂くポコポコの攻撃。しかしシゲミは動じない。


 シゲミの背後に立っている木の上から1体のマンティノイドが飛び出し、飛来する邪気の前に立ち塞がる。マンティノイドは腰を深く落として両腕をクロスさせると、腕の鎌で邪気を受け止めた。擦れ合い、火花を散らす邪気と鎌。5秒ほどのつばぜり合いの後、邪気は霧散した。


 ポコポコを包んでいた煙が森の中を吹く風によって(さら)われる。全身を負傷しながらも、ポコポコにはまだ立ち上がる体力が残っていた。


 マンティノイドはクロスさせた両腕を解き、直立する。後ろからシゲミが声をかけた。



シゲミ「もうちょっと早く来てくれると思ったのに。()()()()()


ツバサ「隠れていたシェルターから抜け出す言い訳を考えるのに手間取っちゃって」



 ポコポコは数歩歩み出て、シゲミとツバサとの距離を少し狭める。



ポコポコ「……なるほど。さっきスマホいじっとったんは、仲間に居場所を伝えるためだったわけか」


シゲミ「そのとおり。敵を前にしてソシャゲなんてやらないわ」


ポコポコ「へっ、ムカつくほど抜かりないなぁ。それに、オレの味方やと思っとったマンティノイドにまで手を回しとるとは思わんかったわ」



 ツバサをにらむポコポコ。ツバサも大きな目でにらみ返す。



ツバサ「アレがポコポコ……邪神……でも見るからに満身創痍。シゲミさんと俺なら仕留められる」



 ポコポコは右腕を伸ばし、人差し指でシゲミを指した。



ポコポコ「爆弾魔シゲミよぉ、自分、ずるくないかぁ? 仲間が体を張って戦っとるのに、自分だけは無傷や。遠く離れた安全圏からチマチマ攻撃するだけで、仲間には命がけで突撃させる。そんな不公平があってええんかなぁ?」


シゲミ「……」


ポコポコ「そのマンティノイドにもオレと接近戦をやらせて、自分は逃げ腰ムーブかます気やろ? そんな勝ち方で納得できるんか?」


シゲミ「私は殺し屋。勝ち方になんて(こだわ)らない。ただターゲットを始末できればそれでいい」


ポコポコ「ホンマかぁ? オレは全身ボロボロで、左腕が切り落とされとる。邪気も残ってへん。そんな弱っちい相手を卑怯な手段で倒して、何も思わんのかい?」


シゲミ「……何が言いたいの?」


ポコポコ「サシのステゴロ勝負でケリつけようや」


ツバサ「シゲミさん、アイツの言うことを聞く必要は」


シゲミ「わかった」


ツバサ「シゲミさん!?」



 シゲミはハンズフリーイヤホンを右耳から外してスクールバッグに入れると、バッグをツバサに手渡した。そしてポコポコに近づきながら、首を左右に倒して頸椎を鳴らす。



シゲミ「初めてアナタに会ったとき、思い切り蹴られたんだったわ。だから私も蹴り返す」


ポコポコ「ええやん……根尽きるまで()り合おうや!」

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