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マッチングアプリ〜ききゆびの気持ち〜

作者: 小波

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 たったの2週間で退会したマッチングアプリ。登録する時はどきどきした。本当の顔写真を載せている人に驚いた。(本当でもないかも知れないが)異性の情報しか流れて来ないことに不満を持った。どんな風にPRするのか等気になっていたから。


 顔写真や項目に打ち込んだ個人情報でひとを好きになることはない。好きにならないのだから興味すら湧かない。


 これならバイト中に二言三言世間話した理数系なイケメンの方が興味が湧く。神経質そうな小さな目が賢そうに見えてつい色気を感じてしまう。シンプルなメガネと作業着から覗くネクタイも勝手に入ってくる情報だ。光を求めてトンネルの出口を見つける様に、匂いに誘われて昼ごはんの店を決める様に勝手に反応を起こすところに行き着く。


 マッチングアプリをしたのはそろそろ誰かに頭を預けてもいいのでは、と思ったから。肩くらい借りても良いのでは、それくらいには疲れていた。

 だけどいない。ここにはいない。たくさんの男性の写真。ここにはいない。


 何年も会っていない。今どこで何してるかもわからない、そういう知人が何人か浮かぶ。その中でまたひとりかふたりは忙しくても忘れたことがない。声も聞けないそんな過去のほうがマッチングアプリの、今、俺彼女欲しいです!とわかりやすい人よりも私を惹きつける。

そう気づいて人差し指は新しい趣味を諦めた。



 今は時代が新しいのでこの中で結婚する人も現れる。

知らない人と会う時は目印を作っておいてコンビニの影からそっと確かめてから声をかけるのが正しいらしい。


 LINE越しに相手の様子を察知するのなんかバカらしくて出来ない。そんな神経私には備わる必要ない。


 ちょっと疲れた。かなり疲れた。

だけど好きにならなければ無理だ。




ありがとうございます。

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