表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界リベンジャーズ  作者: 達磨法師
6/49

旅路にて

俺達は、あれからエルダの街を目指して旅をしている。随分と歩いて来たが‥ここは何だ?


辺一面にゴミの山が出来てやがる。

空気は淀んで、水は汚染されて、辺りも薄暗く

控えめに言って、死んだ土地だ。


「見てみろよ花形」ケホ


「なんだなんだ?」ケホ


「水の中‥大仏みたいなのが沈んでんぞ」


「うはぁこえぇ」


ゴミだらけの湖の中に、巨大な人工物と思わしき

塊が沈んでいた。それは、俺たちのよく知る

仏像だ‥この世界にも、宗教の類は有るのだろうか?


「見て見て福田」花形が空を指差す


指の指す方を見てみると、煙のような霧のような淀んだ雲の中に、巨大な女の顔が見えた気がした


すぐに雲の間に消えてしまったので、よく見ることが出来なかった‥


「なんだ今の‥こ‥こぇぇ」


俺達は「こぇぇこぇぇ」と咳ゴミながら、『死んだ土地』を通り抜けた。


その世界の終わりみたいな土地は随分な広さがあった。街一つ分は有っただろうか‥


「そろそろ晩飯になりそうなもん捕まえ寝床作んねぇとな」


「メシは任せて」と花形が言うので

俺は寝床の用意をすることにした。


それにしても、エルダの街まで随分と距離が有るんだな‥こりゃあケチらずに、街から出てるキャラバンに同行するのが得策だったかもな‥


俺一人なら別に問題無いんだが‥今の花形にどれほどの体力が残ってるのかが分からないからな‥



「こうやってのんびりとするのも悪くねぇよな」


「うん‥私が生きてたころって、みんな仁義とかメンツとか‥そういったものを守るために必死だったから‥自由そうに見えても辛いことばかりだったかも」



「違いねぇな‥俺だってそうさ‥国の為家族の為

命を落とすことに躊躇いも何も無かったからな‥

勿論人を殺すことにも‥心が休まる事なんて無かったわな」


「後で風呂でも入るか‥」


旅路に水を張ることなどそうそうは出来ないのだが、

珍しく、豪雨に撃たれた後なので、自然の水溜りが出来ている。


「ねえ福田メシ‥出来たよ」


「なんだコレ?」


「分かんないけど美味そう」



確かに美味そうだ‥


さて、夕食も終わり日も沈んでしまった。

いつものように、ねぐらを作り、布で屋根を作る。

雨が降れば、布に染み込みそれは飲水にもなる。


今日はやけに星が綺麗だった。まるで雪が降った後の澄んだ夜空のようで、こういった星空を俺は戦場で

幾度も見てきた‥然し、一度も心を打たれた事は無かった。それ程に余裕も無かったと言う事だ。


「お前‥本当に良いのか‥普通は外見って大事にすると思うんだが‥」


「またその話?しつこいな‥まぁ確かにそうなんだろうけど‥私、別に外見とかこだわったことが無くってさ‥それに‥今まではなんだか何時もムシャクシャしてて、何時も何かを恨んでたんだよね‥だからかな

今、こうして空を見てるだけで泣きそうな程綺麗な空だな~とか思うんだよね‥」


「きっと前みたいに戻っちゃうと、今感じてることもまた分かんなくなんのかなぁって‥だったらこのまんま‥有りの儘の世界を見てみたいなって思うんだよね」


成程‥確かにそういう事なら分かる気がする。


「もう少し起きとくか」


「だな」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ