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異世界リベンジャーズ  作者: 達磨法師
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ケルトの風車

その男は「俺はセイレーン」と名乗っていた


セイレーン‥って人名なのだろうか‥この人は

福田が連れてきた人だ‥私には、この人が一体何者で何を考えてるのかが分からない‥


「お嬢さん名前は?」

と男が聞いてきた。


「私はマキ」


「ああ、私は花形だ」


「所で、セイレーン‥って変わった名前だな私達もここに来て随分経つけど‥セイレーン何て名前聞いたことが無いよ‥」


「ああそうだろうな‥実の所昔厄介な事が合って、名前を無くしたんだ‥それ以降、こう名乗ってるってだけで‥本名ではないんだ」


厄介な事で名前を無くすってどういう状況なんだろうか‥


「セイレーンね‥俺その名前聞いたことがあるかもしれないな‥昔アンガウルにいた頃に耳に挟んだ。船乗りの間で伝わってる、海の魔女の名前‥だったか‥確か名前は『セイレン』」


「ははは確かにそうだね、海の魔女セイレン

 大嵐と共にやって来て、海賊や漁師に助言をして去ってゆくってやつだね‥それと船に女が乗ってると、船ごと連れてゆくらしいね‥」


私の場合はどうなんだろうか‥やっぱり女って認識されてしまうのかな‥魔女にも、私の本当の姿なんて分かりそうにないし‥



「で‥福田さんアンタに折り入って頼みが有るんだが」


「ん?何だ?」


「アンタの旅に同行させて貰きたい‥さっきも言ったように、セイレンは海の魔女の名前だ」


「昔海の魔女に逆らって名前を奪われたんだ」


「もう一度アイツを見つけ出して名前を奪い返したいんだよ‥」


「セイレーン一つ聞いてもいいか?」 


「おう何でも聞いて」



「お前何で海の魔女の名前を名乗ってるんだ?」



「名前を奪われたのが悔しかったから‥同じ方法で、アイツの名前を奪ってやった」


コイツ‥真顔でとんでも無い事を言いやがる



「そりゃあ面白い魔女相手に歌舞いたか‥てことは勝算は有るって訳だ‥いいぜ好きなだけついて来な俺達もほとんど宛のない旅だしな」


「生命の泉とか言ってなかったか?」


「まあ、ホラ話の可能性の方が高そうだしな‥そもそもに、俺達は暇つぶしに旅をしてるようなもんなんだよ、なっ花形」


「そうだよー私ら楽しい事探してんの」


「この世界って伝承とか多そうじゃん?一つ一つ解き明かしてやろうかな~なんて思ってるの」


「お前達とマキちゃんの関係って何よ?」

‥何だろう

「えっと‥」


「娘かな」

福田馬鹿野郎


「へー随分デカい娘さんが居るんだな」


「ちげーし」とマキちゃんが割って入る


「ただ、父さんに頼まれて街の中を案内してただけで‥その何ていうか‥」


「一緒に旅‥したいの?」


セイレーンがそう優しく問いかける


「‥‥」マキは、俯き黙ってしまう


「マキちゃん‥一緒に行こう?お父さんには私達から言ってあげるから‥」

 

マキちゃんはパァーと顔を輝かせる。 

やっぱりこの子‥可愛いなあと思う、私はもう男では無いから、恋愛的な可愛いではなく。


動物的な可愛さ何だろうと思う。


「お前達、海の魔女とかって話‥疑わねーんだな」


「まあ、俺と花形は疑わねーけどな」と福田はマキちゃんの事をチラッとみる。


「んー‥ま、胡散臭いけど花形さんは信じるんでしょ‥だったら私も信じるかな‥」


妹が出来たみたいだろ?と福田が茶化してくる。

とてもうざい。


「ねぇ当面の私達の目的って何?」


「ん?そりゃまあ、まとまった資金集めと‥俺は人魚を捕まえて来ようと思ってる」


「例の話の真相も知りたいし‥何より人魚には高額な懸賞が掛かってるからな」


「ねぇ福田ワタシもワタシも」


「勿論同行願うよ」


っとその前に「マキちゃんのお父さんの所に行こうと思うんだがこっちの方はセイレーン同行して貰ってもいいか?」


「んん~いいよー」

いつものように、福田がうまく場をまとめる、彼の統率は安定がある。




結論を言えば、マキちゃんの方は問題無かった‥

幾つか条件は出されたが、

マキちゃんの成長を祈る親心のようなものなのか、

後、地方の地酒を見つけ次第贈ってほしいと言われたが、こちらが本音のような気がしなくもない。


んで、いよいよ人魚探しだね‥

旅に出る前、逆賊が街に攻めて来るという、ラッキーイベントがあった。私がやっつけてやろうと思ったのだが、福田が、「自分に任せて欲しい」と言ってきた。たまには動かないと、身体が鈍るらしい。



それでも良かった、なにせ、久しぶりに『不死の鬼軍曹』の戦いが見れるのだ。



やはり圧巻の戦いっぷりだ。私と互角にやり合うだけ有る。


敵から銃を奪い取り、急所を外しながら敵を蜂の巣にする。弾が切れた瞬間、その銃を棍棒のように振り回し、相手の頭を割ったかと思うと、敵の不意打ちの

銃弾を紙一重で避ける、そして、手に持っていた、ライフル銃を、敵目掛けて投げつけた。


真っ直ぐに飛んだライフルは相手の肩に突き刺さり、

敵は全員が戦闘不能になった。


これが太平洋戦争の化け物の実力だ。全く無駄の無い動きに、感動すら覚える。



「やっぱり凄いわ」


「俺と互角のお前も同じくらい凄いぞ」


にへへとお互い笑い、バチンと手と手を合わせた。

ハイタッチってやつだ。



横で見ていた、セイレーンとマキちゃんが、アングリと口を開けてるのもまた面白かった。さてこれで

逆賊を保安機関に売り飛ばしたので、大分まとまったお金が出来た。



正直、これ程にお金が有れば、人魚などどうでもいいのかも知らないが、まあ、私達の取り敢えずの目的は人魚な訳で‥それにに、私も福田も、

あのエンドの街にもう一度行ってみたいという気持ちが大きかったと思う。


あれ程に薄気味悪い場所もそうそうに無いわけで、


これ以上二好奇心をそそられる場所も無いと思う。


そういうわけで、私達はもう一度あの場所にあしを踏み入れることにした。


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