始まり1
どう見てもここにあるのは終わってしまったものばかりだった。
本当にここから抜け出すには大変な労力が必要だろう。
完全にいまから必要なものは紙とペンだろう。
明らかにこれから大変なことになるに違いない。
どうしてもここから出なくてはいけないがさてどうしたものか?
よくよく冷静になって考えてみる。
ふと思い浮かんだのは中学一年生の時の記憶だった。
考えても分からない。
でも考える必要がある。
しかし考え続けないと先に進めない。
これから先に待つものはいままで出くわしたことのない想像絶するものだろう。
本当に何も受け付けない程に消耗していく。
これまでこの部屋で起きたことはもう忘れたいが忘れられる類いのものではない。
さあ先に進もう。
どうしても先に進まなければならないのだから。
完全にいままでのことでどうでもよかったものは何一つない。
その事実を思い知らされることになったのはたった今さっきのことで今更気付かされてももう遅いとも言えた。
ただしこれから考え方次第ではまだ何とかなるとも言えなくはないので前向きに考えてみる。
どうしても分からないことが一つどころではなくあるがあえていえば一つしかないとも言えた。
「早くこの事をあの人に伝えなくては。」
この部屋に残っているのは僕ともう一人。
「本当にあなた正気?」
「正気さ。この事実を正しく伝えなくては世界が終わってしまう。」
「どうしても世間に真実をさらけ出す必要がある。君にもわかるだろう。」
どう考えてもこの事実を隠蔽することは出来ない。
そう思っているがさらけ出すのが本当に正しいとも言えないとも思っていた。
だがだからと言ってこのまま目をつむることが正解とはどうしても思えない。
「これから紙とペンを用意してくれ。マスコミに宛てた文章を作る。」
「どうしても事は急を要する。これから君にも働いて貰わなくては困る。」
完全にこれまで見聞きしてきたことが全て出鱈目だったと思える程の衝撃が僕たちの中に走った。
これから起こり得ることは日本の終焉はたまた行き着く先は世界の終わりであることは間違いなくすぐにでも行動を起こさなければならない段階に来ていると言えるだろう。
本当にここからが戦いの始まりだと思い知らされることになるのはすぐの事だった。
「持ってきたわ。本当にいいのね。」
「ありがとう。やらなければならない事だから。」
こうして日本沈没までの残された時間が動き始めた。