表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界より君へ  作者: 昨咲く
第一章
9/12

9.ステータス

毎日更新きつい;;

すこし間が空いてしまいました;

執筆環境が整えられなかっただけだったのに……。

環境って大事なんだね……。

 

 武器屋に入るときにすれ違うように出ていく人物が気になった。

 なぜなら、ローバンだったからだ。


 キャミーの兄が、武器屋になんの様だろうか?

 やっぱり、冒険者になる夢を諦めきれず、武器を買ったのだろうか。


 冒険者というのは、ギルドで生計を立てる人たちの通称だと、キャミーから聞いている。

 つまりシュンは冒険者と言えるかもしれない。

 ローバンはその中でもシルバーランクやゴールドランクの高位冒険者になることを夢見ていたのだと言う。


 武器屋でローバンと会ったと話したら、キャミーは喜ぶかもしれない。

 次に会うことがあれば、話してみようかとシュンはそう思った。


 それはそうと、今はお買い物である。

 何を買おうかと、ワクワクしながら武器屋へと入っていった。

 大したものを買えるほどの金額を持っているわけではないのだが……。


 色々物色してみたものの、所持金では対して買える物もなく、結局今持っているナイフと同じものを予備として購入して、あと煙球というのがあったのでそれも買ってみた。

 ナイフ用の鞘も購入したので、合わせて銅貨13枚の支払いとなる。

 これで手持ちはまた銅貨一枚となってしまった。


「ほれ、これはサービスだ。使いな」


 武器屋の店主がそう言って手渡してくれたのは、麻で出来た袋だった。

 そんなに大きくはないが、背に書っておくには丁度いいだろう。


「ありがとうございます!」


 シュンはさっそく袋に煙球と予備のナイフ、それと持ち歩いていた魔術書(宿に置いておくのも不安だったため)をしまうと、店を後にして、外壁へと走っていった。




 街を出るとさっそく、ウサギを探して狩りを開始する。

 今まで、大体1時間に1匹は見つけることができ、今日も変わらず見つけることに成功していた。

 ゲーム的に言えばランダムエンカウントでもしているのだろうか。

 逆に、1時間に1匹にしか出会えないのはゲームとしてどうなのかとも思える無いようではあるが……。


 狩りを始めてから3匹目を狩ることが出来たその時。


 ”ぽこん”


 例の音が鳴った。

 チュートリアルの音だ。


『レベルがあがりました。現在のレベルは2です』


 レベルが上がったらしい。

 シュンは周りの人たちとの会話や、モンスターの挙動などから、この世界が正直ゲームだなんて思えなくなっていたのだが、ここにきてこれまでにないほどのゲーム的展開である。

 シュンはちょっとした混乱状態だ。

 ゲームなの? 現実なの? どっちなの? と言いたいが、どっちとも言えないというのが、率直な思いだ。


「とにかく、今はレベルが上がったことを喜んでおくべきかな?」


 そう呟いて、何か変化はあったのか体を動かしてみたりしている。

 多少体が軽くなったような気もしていた時、ふと目の端に見慣れないものがあることに気づいた。


 視界の隅にあるそれは、半透明のボタンの様であり、タブにも見える。

 実にデジタル的な表示のそれは、シュンがどこを向こうが視界の隅を動かずついて来た。

 試しに、視界の隅に指を合わせてスライドする動作をしてみた。

 VRのシステム画面ならこんな操作が出来そうだよなという、シュンの間隔から起こした動作だった。


「おお!?」


 その動作によって、視界の隅にあったタブは、大きく広がり正面を覆うほどの大きさとなる。

 デジタル的で、ホログラムのように展開するそれには、ステータスと銘打たれ、名前やレベル、それと簡単な能力値が羅列していた。


 実際にはこんな感じである。



 〇 ステータス 〇


 シュン (佐々木 春)

 レベル2


 ちから  4

 かしこさ 4

 すばやさ 5

 スタミナ 4


 ◇スキル◇

 魔法習得(序)



 比較対象が無いことから、このステータス値が高いのか低いのかわからないが、印象的にはとても低そうだった。

 それから、気になるのはスキルである。

『魔法習得(序)』とあるこれはどんな効果があるのか。

 文字をタップしたらなにか説明が出ないものかと、タッチしてみると案の定ポップアップが表示された。


『魔法習得(序)』

 魔法を学び始めた証。まだ始まりに過ぎないが、魔術の素養があることを保証し、習熟度により基礎魔術が使用可能になる。


 ポップアップにはそう書かれていた。

 ここに書かれている通りであれば、シュンが買った魔術書を読んでいたからこそ、現れたスキルなのだろう。

 あれによって、シュンは”魔術を学んだ”のだから。


「なるほど。やっぱりゲームってことでいいのかな? それとも、ステータスがあるのが普通の異世界とかか? ってそりゃないか、流石にねぇ」


 言いつつ、ホログラムの右上にある×印をタップして表示を消す。

 ステータス値に対しては実感もわかないが、スキルに関しては良い収穫だったと思えた。

 少なくとも魔法が使えるのだと保証されたようなものだからだ。


 シュンは狩りをいったん中止して、背負った袋から魔術書を取り出して読み直していく。

 実際に魔法を試してみようと思ったため、その復習である。


「こんな感じかな?」


 本片手に、シュンは右手を正面へと突き出す。

 そして、体の節々からエネルギーが右手に集中するイメージで力を込める。

 また、イメージの中に熱さと炎を織り交ぜていく。

 最後に。


「ファイアー」


 宣言と共に”ボッ”と手のひらから炎が立ち上った。


「ッ! 驚いた。ほんとに出たよ」


 眼前で立ち上った炎はすぐに消えてしまう。

 手のひらに熱さは感じられなかった。


「あ、消えちゃったな……。そっか。飛んでくイメージをしていなかったからか」


 シュンは魔術書を読み直しつつ、失敗点を見つけた。


「あと何回か、試しておきたいけど、狩りもしないと泊まるところが無くなっちゃうからなぁ」


「仕方ない。ウサギ探しに戻るかな」


 そうつぶやきつつ、狩りを再会するのだった。




 ウサギ狩りは難航していた。

 というのも、単純にウサギが見つからないのだ。

 宿代を稼ぐには最低でも後2匹は欲しいシュンであるが、その為に多少の焦りがあった。

 そんな焦りからか、気づけば、平原の深くへと進んでしまっている。

 気づいたときには、遅かった。


 ”ガサガサッ”


「!!」


 後ろからの物音に、勢いよく振り向く。


「ぶもっ」


 茂みから現れたのは、忘れもしない平らな鼻だった。

 そう、装甲を纏ったイノシシである。


『まずい』そう思った時には、イノシシは突進準備の姿勢に入っている。


 シュンは慌てた――。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ