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異世界より君へ  作者: 昨咲く
第一章
10/12

10.再戦

今回短いです。

キリをよくするために仕方なく……。

 突如として現れたイノシシは、すでに突進姿勢に入っている。

 焦りつつもシュンは、煙球を瞬時に取り出して投げつけた。


 煙球はイノシシに見事に当たり、そして跳ね返って地を転がった。


 そう、転がっただけである。

 シュンの買った煙球は衝撃で、煙が出るタイプではなく、火をつけなければいけないタイプだったのだ。

 それに気づかず投げつけてしまった形である。

 盛大に”やっちまった”状況だ。


 しかし、イノシシにとっては意表をついた形になったようで、多少ひるんだ為か姿勢が崩れた。

 すぐにはこの隙に、シュンは横に走り出す。

 イノシシは猪突猛進。まっすぐにしか進めないためである。

 まずは横に移動して時間を稼ごうという考えだ。

 焦った心を無理にでも落ち着ける必要があるのだ、そのためには時間が必要なのである。


 早々に立ち直ったイノシシは狙いを定めなおす。

 狙いはもちろんシュンのどてっぱらだ。


 そして、駆け出すイノシシ。

 それと共にシュンも駆け出した。イノシシへと向かって――。


 キワキワのところで、ダイブするように突進を避けるシュン。

 わざわざイノシシへと向かっていったのには、理由があった。

 それは――。


「ファイアー!!」


 イノシシの後方へと回ったシュンは覚えたての魔法を切り出した。

 イノシシへではない。

 イノシシが向かって来る前に、足元に転がっていた煙球へとである。


 推進力もイメージしてある『ファイアー』はシュンの手元を離れて、煙球へと被弾した。

 ぶっつけ本番にしてはかなり上手くいったものだ。

 煙球は弾け飛ぶようにして、煙をもうもうと吐き出す。


 これでイノシシの視界を視界を塞げた。

 逃げるチャンスであるが、シュンは別のチャンスを見出している。


「エアー!!」


 それの叫びは、基礎魔法の一つ風の魔術であった。

 同じく基礎魔法の『ファイアー』と同じ要領で使えるだろうと、シュンがぶっつけで放ったのだ。

 ただ、エアーに攻撃力的な期待は出来ない。

 強めの風を起こすだけなのが『エアー』なのだ。


 では何がしたいのか、それは――。


「おらぁ!!」


 風によって視界が晴れたその瞬間に、シュンはイノシシへと飛びついたのである。

 煙幕による目くらましからの、風による視界確保での奇襲。

 こちらだけが、イニシアチブを握れるようにした立ち回りで合った。


 飛びついた先では、脇腹にナイフを差し込むが出来ている。

 さらには、もう一本。

 予備のナイフもあらかじめ手に持っている。

 暴れだそうとするイノシシめがけて、そのナイフも振り下ろす。


 それは、運よくイノシシの目へと直撃する。


「グモーッッ!!」


 イノシシは暴れるが、脇腹に刺さったナイフを軸に服飛ばされないようにしがみつくシュン。

 目に刺さった方のナイフはぐりぐりと、押し込んでいく。


 根元まで押し込んだあたりで、


「グ、グゴッ……」


 イノシシはその場に力尽きたのだった。

 左手に持った、ナイフがイノシシの脳まで達したのだろう。




 なんとか、狩ることのできたイノシシを引きづって街へと戻った。

 すでに、日は傾き夕刻だ。

 ギルドの査定にはギリギリになってしまうかもしれない。


「もうヘトヘトだ」


 そうこぼすと、笑いがこみ上げてきた。


「ゲームなのになぁ」




 ギルドの受付時間にはギリギリ間に合った。

 査定をしてもらい、その場で報酬を貰った。

 ウサギ3匹と、イノシシ(正式には厚革イノシシと言う)で銅貨16枚の稼ぎとなった。

 そのうち7枚がイノシシである。

 ちなみに、イノシシの納品ポイントは3ptであった。


 宿に戻ると、すぐに2泊分の延長をお願いして、支払いをしたので手持ちは銅貨6枚だ。

 何時か、銀貨や金貨を見ることが出来る日は来るのだろうか……?


 銀貨や金貨を夢見て、シュンは自室で寝た――。




 そして目が覚めた時、街は燃え上っていた――。




 現在のポイント―15pt


 現在の所持金―銅貨6枚





以下のポイント評価に★★★★★してくれると、自分のモチベが上がります。

モチベが死活問題です。よろしくお願いします。

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