モンスターとの初遭遇
※まだ戦闘してないです
目が覚めると、目の前には草原が広がっていた。
ゲーム内の世界の現実感が凄いとは聞いていたが、まさかこれほどとは思っていなかった俺は、おおと感嘆の声をもらす。
さて、この『ソウル・オブ・アルカナム』でのスポーン地点はランダムだ。歩いて行ける場所に始まりの街があるのは確かだが、中にはモンスターの湧く森の中であったり、むしろ二つ目の街の方が近かったりなど、完全に適当なランダムスポーンなのだ。
まぁ、どこでスポーンしようとリスポーン地点は始まりの街で固定されているので、死ねば始まりの街に飛ぶ事が出来るのだが…それは流石につまんない気がする。
しかもスポーンから1度も死なず、かつ何らかの条件を達成すれば『不死』シリーズと呼ばれる特別なスキルと称号が手に入るらしいので、それはどうにか手に入れたい所だ。
「う~ん、結構距離あるなぁ…」
マップタブを開いて、現在地から始まりの街までの距離を調べてみると…大まかにの距離があった。
二つ目の街付近にスポーンしたプレイヤーと比べれば全然運はいい方だが、それにしても遠い……あっ、そうだ!
▽▽▽▽
「ハッハァーーッ!!くっそ早ぇえ!!!」
「ヒヒーンッ!!」
俺はステータスを【戦車】の物に変更し、初期装備である荷馬車に乗り込んで草原を駆け抜けていた。
いやぁ~~この早さたまらん!!流石に『馬の引く乗り物に乗っている間、AGL×2の数値で馬は駆ける』なんてアルカナム効果持ってるだけあるわ。AGL14000は速すぎる!!!
まぁその代わりにSTRが二分の一になるんですけどね。常時。
よーし、そんじゃあお馬さんが走ってる間にスキルでも選択しますかね。
―――――スキルとは、簡単に言って特殊能力である。
一時的にSTRを上昇させる能力や、放つ矢が分裂する能力、特定の状況下にてクリティカルが出やすくなる能力、HPの減少に応じてステータスを上昇させる能力等々…これらを特殊能力と呼ばずしてなんと言うか。
それらは何らかの条件の達成、レベルアップ時に配布されるSPで交換、または何らかの条件を達成した後にSPで交換する事で入手が可能だ。
ゲーム開始時は全員がレベル1であり、全員同じようにステータスポイントもSPも配布される。この際は【愚者】の能力も無効化されているので、ルイも15000ではなく10000だけであった。
SPも全員が同じように500が配られる。これは最大で10のスキルが交換可能であり、後を見据えたスキル交換が重要だ。
「【戦車】はこの快感忘れられないしAGLを上げるのは決定してるからそこを考えたスキルを選ばないとな。」
戦車から降りてもAGLは高い、ならそれを活かせる武器を更に活かせるスキル…ここで武器の選択まで急かされるかぁ~
うーん、ならやっぱ槍だな。付近まで近寄らせずに敵を凪ぎ払いつつ、穴を作って駆け抜ける…かっこいいな。
―――――武器はアルカナムによって使えるものと使えないものがある。例えば【戦車】では槍、剣、鞭が使用可能だが、弓、杖、籠手、双剣等は使えない。
これは単純にゲーム的仕様であり、プレイヤーの非公式無くして欲しい制限ランキングの上位に君臨している。
実際、自分で動きを考えないといけないVRMMOにおいて、ほぼ絶対多数の武器を使い分けて戦わなければならないというのは中々に厳しい。
「そんじゃあ、投擲した槍が分裂する『槍雨』と、瞬間的にAGLを5倍に上昇させる『破竹』、投擲した武器を手元に戻す『帰巣』をの3つに交換しよう。したら次はっとォ!?」
凄まじい早さで進み続けていた馬が唐突に止まった。
エネルギー保存の法則に則って思い切り荷馬車から投げ出され、思い切り頭を強打してしまう、いたい。
何事かと頭をさすりながら立ち上がってみると―――
「おぉ…初遭遇早いな、モンスター。」
馬車の目前には、狼に跨がった子供のようなモンスター…いわゆる“ゴブリンライダー„10体が立ち塞がっていた。
……あの、まだ【戦車】以外のスキル交換できていないんですが。




