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突然のログアウト


「それで、僕は何を協力すればいいんでしょうか?」


「それは、今目指してる目的地に到着してから説明するわ」


 僕とリンさんは塔の前から移動して今は塔の周りを囲む街中にいる。リンさんが僕にこのゲームのことを教えてくれることと取り替えに僕に協力して欲しいということにとある場所が関係しているらしくそこに移動しながらゲームについて話すことになったからだ。


「その目的地っていうのはどこなんですか?」


 横に並んで歩きながら僕はリンさんに問う。


「詳しくは着いてから説明するけど。まあ、"ファミリー"については説明しておこうかな」


「ファミリー?」


 リンさんの家族のことだろうか? いやこの場においては仲間という方が正しいか?


「そ、ファミリー。このパレッセという世界においてとても重要なことよ。

 めガね君は"ギルド"って知ってる?」


 ギルド? ああ。


「中世から近世にかけて西欧の商工業者が結成した組合のことですよね?」


 商人ギルドや手工業ギルドなどがあったんだったか。


「いや違うけど」


 なんだって?


「いやでもそれ以外にギルドなんて聞いたことないですよ?」


「逆にそのギルドを聞いたことがないわよ、私は」


「それはリンさんが無知なだ」


「なんか言った?」


 くるりとこちらを見たリンさんの顔は笑っていない笑顔だった。


「いやなんでもないです」


 触らぬ神に祟りなし。


「ゴホッ。とりあえず、今回でのギルドの意味はファンタジー世界やゲームの世界における冒険者や商人の組合のことよ。そこから版感謝や商人は仕事を得ることができるの」


 ん?


「それってモチーフ、僕がさっき言ったギルドじゃないですか?」


「え? そうなの?」


 え? 違うの?


「まあ、あくまでも可能性の話なので確証はないですけど」


 また調べておこう。


「まあ、どっちでもいいじゃない。関係ないでしょ?」


 な。


「ちょっと待っててください」


「え」


 僕は自分の画面を操作してログアウトした。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆



 僕がログアウトをしてから現実世界でもゲームの世界でもおよそ5分後、僕は再びクロスワールドの世界へと降り立った。


「やっぱりモチーフにされているみたい、グハッ!!」


 突然何者かに僕は飛びかかられた。


「良かった戻ってきたー!! 怒ってログアウトしちゃったのかと思ったー!! 良かったー!! うえーん!!」


 リンさんが僕に抱きついて泣き喚いていた。身長はリンさんの方が頭一個分高めなので、胸が顔に当たる。窒息死する。3.141519265359......。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆



「全く突然ログアウトするなんてマナーがなってないわよ」


「すみません。どうしても気になってしまって」


 あれから10分ほど僕を抱きしめて泣き喚いた後、リンさんは僕を地面に正座させて説教をしていた。


「はぁ。まったく見た目に劣らず勉強好きなのね」


「はいもちろんです。勉強は努力を裏切らないので」


「私には理解できない領域だわ」


 どうして分かってくれないんだ!!



 ◇◆◇◆◇◆◇◆



「それで、ファミリーというのは一体」


 あれから僕たちは再び目的地へと歩き始めた。


「まあだから、この世界におけるギルドのようなものね。簡単に言うと、このゲームのプレイヤーたちが集まって作るグループよ」


「それがファミリー」


「そ。そしてそれぞれのファミリーにはそれぞれの種族がバックにいる」


「それぞれの種族?」


「そ。例えばエルフ族とか。あ、エルフって知ってる?」


 もちろん。


「ゲルマン神話に出てくる妖精のことですよね」


「......」


 苦虫を噛んだような表情をするリンさん。


「違いました?」


「イヤソレデアッテルヨー」


 なぜにカタコト? 調子を崩したのだろうか?


「大丈夫ですか?」


「え? 全然平気だよ!! ほらもうこんな腕回るし!! ほら!!」


 リンさんは突然、ブンブンと両腕を全力で前後に回し出した。

 


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