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『銀狼の飼い猫』掌編  作者: 厚狭川五和
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[ファングact5]にゃんにゃん言わせたい

 俺はすこし試してみたいことがあった。

 最初は単純な興味で、こんなにも惹かれることになるとは考えてもいなかった。

 エルが可愛すぎるからいけないんだ。

「む、にゃ……?」

 エルはお昼寝から目覚めた。

 このタイミングでしか試せず、このタイミングだからこそ成功することがある。

「エル、これはなんだ?」

「? にゃんで」

 既に尊い。

 いつもにゃんにゃん言わせてるけど寝起きの呂律の回らないにゃんにゃんは少し違った意味で貴重だ。

 さあ、今日はいつもよりにゃんにゃん言ってもらうぞ、エル。

「り、理由なんかねえよ。エルはなんて呼ぶのかな~、って」

「んー……おさかにゃ?」

 わざとか、と言いたくなるが寝ぼけているだけなのだそれが余計に俺を楽しませてしまっているのだろう。

 さすがに同じ流れだとバレてしまうので少しそらそう。

「これは?」

「りん、ご?」

「じゃあ、これは」

「ばにゃにゃ?」

「お前、それは反則だろ」

「にゃんで? ばにゃにゃは……ばにゃにゃにゃんだから、ばにゃにゃじゃにゃい? にゃ? にゃんかへん?」

 ごめん、全然内容が頭に入ってこない。

 いつもの少し雄を誘ってるようなにゃんにゃん声もいいけどこういう寝ぼけた感じも捨てがたい。

 もう愛しの猫は俺を魅了して止まない。

「ん? ご主人、エルにゃんか……した?」

「随分とにゃんにゃん言ってくれたしご褒美だ」

「にゃ? おさかにゃ?」

 はぐはぐと身をほぐして食べている姿も可愛らしい。

「……フシャッ!」

「おっと、いきなり引っ掻くなよ」

「ご主人、エルを見てどうしたの? 欲求不満?」

 さすがに意識がはっきりしてきたんだろうな。

 俺があまりにもずっと見てるから魚を取られると思って警戒しているらしい。

 なんだろう、なんか今日はもう少し言わせたい気がする。

「よし、可愛すぎる愛猫(ペット)はくすぐってやる!」

 そこからは通常運転。

 散々エルをくすぐり回して、いろんな場所を触って舐めて、ひたすらにゃんにゃん言わせる一日だった。

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