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『銀狼の飼い猫』掌編  作者: 厚狭川五和
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[エルact3]可愛い服?

 改めて私はメイド服を着てみた。

 あの後、返り血などで汚れてしまっていた服をシオンに綺麗にしてもらい、着たまま戻ってきてしまった故に残していたのだ。

 それに私としては気に入っている。

 とても落ち着いた様相とは言えないけど多少は目立つし、いつも着ている服はご主人が選んだものだから同じくらいに好きだがもっと特別なものだ。

 だってこの服でもご主人と密着していたのだから大好きなあの人の匂いがする。

「おい、パンツ見えてるぞ」

「にゃっ!」

「お前も変なやつだな。見られると恥ずかしがるくせにわざわざ丈の短い服なんか着るなんて」

 それは見る人の問題だ。

 丈が短いと言っても私の腰と同じ高さから見ても見えないなら私が跳び跳ねたりしなければ大丈夫なはずで、今はなにもしていなかった。

 つまり、見えたというより見ようとしたんだ。

 背後を振り向けばたしかにご主人はしゃがんでいる。

 あからさまに私の下着を覗き込んだのだ。

「へんたいっ!」

「別に大好きなエルのパンツを見たからって問題はねえよ。それにメイド服似合ってるからな。いつものエルも裸のエルも悪くはないがドキドキするな」

「……!」

 やはり着飾った方がご主人としても気分が乗るのだろうか。

 でも、ご主人の言葉を思い出して私はドキドキして呼吸が苦しくなってしまう。

 裸の私も、とさりげなく言ってるのだ。

 つまり何も飾らなくてもご主人の好みとして成立できているということ。

 可愛い服もいいが、私自身を好きでいてくれているのだ。

「お前なんで羽なんか出してんだよ」

「ご主人ずるいよ。そんな恥ずかしいこと平気で言うなんて」

 我ながら不便な体だ。

 私の感情は全て羽を通してご主人に筒抜けになってしまう。

 まあ、そのあからさまな感情を理解しているからご主人は私を構ってくれるのかもしれない。

 だから好きだ。

「ご主人()、どんな奉仕がいいですか?」

「っ!」

 動揺したご主人はそそくさと逃げてしまった。

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