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9【琴音さん(過去)】

「なあ、零。

俺、再婚を考えているんだがお前は許してくれるか?」


俺が中学に入って少しした頃、いつも通り俺の作った朝ごはんを父さんと2人で食べていた時、いきなり父さんが衝撃的なことを口にした。


「え?」


「急にこんなこと言ってごめんな。

でも、決して彩、お前のお母さんのことを忘れたわけじゃないよ。

それだけはわかってくれ」


「うん」


「別に今すぐ答えを聞きたいわけじゃないが、ちゃんと考えて欲しい。

この問題は俺だけではなくお前の今後も大きく左右する問題になるんだから」


「うん、わかった。

質問いい?」


「なんだ?

その女性のスリーサイズとかなら答えられないぞ?」


「こんな時ぐらいふざけないで話せないのかよ」


「はははっ。

悪い悪い。

で、なんだ?」


「相手の女性は、母さんのことちゃんと知ってるの?」


「ああ、ちゃんと説明した。

俺もお前もお母さんのことを今も大切にその気持ちが薄れたり無くなったりすることがないがそれでもいいか?って話はしたよ」


「そうなんだ。

わかった。

じゃあ、今日その人家に呼んでくれない?

その時に俺の答えを言うよ」


「え?

いきなりだな」


「まあ、いつかは父さんが再婚のことを言ってくると思ってたからね」


「そうか。

一応聞いてみるが、いきなりの事だから無理かもしれないぞ?」


「うん、無理なら別の日でも全然いいよ。

こういう話は早い方が何かといいかな?って思っただけだから」


「それもそうだな。

じゃあ、父さん仕事言ってくるから戸締り確認して学校に行ってくれよ」


「了解。

行ってらっしゃい」


「いってきます」


そう行って父さんは家を出ていった。


◇◆◇◆◇◆


「ただいまー」


「お邪魔します」


学校から帰り、父さんから再婚したい相手が今日来れるとメールを貰ったのでその人を含めて三人分の晩御飯を作っていると玄関が開く音と共に二人の人物の声が聞こえてきた。

おそらく父さんと父さんが再婚したいと思っている相手だろう。

俺はキッチンからリビングへと移動する。


「おう、零、帰ったぞ。

それとこの人が俺が再婚しようと考えている琴音さんだ」


「初めまして、前田 琴音です。

今日は呼んでくれてありがとう」


自己紹介をした女性はとても綺麗な人だった。


「いえ、いつも父がお世話になってます。

俺は、いや、私は息子の零です。

よろしくお願いします。

とりあえず座ってください。

もう少しで晩御飯が出来るのでもう少し待っててくださいね」


俺はそれだけ言ってキッチンに戻る。


「いえ、そこまでしてもらうのは」


「遠慮しないでください。

それに三人分を予定して作っているので食べてもらえない方がこまるんですよ」


「そうだぞ!

零の料理は美味しいから期待していい!」


と父さんがドヤ顔で琴音さんに言い、椅子に座らせる。


「はい、出来ました」


そんな会話をしている間に晩御飯を作り終えダイニングテーブルに運ぶ。


「あ、私も手伝います」


「お願いします」


琴音さんは俺が料理を運んでいるのを見ると直ぐに立ち上がり手伝ってくれた。

凄く気の利くいい人なのだろう。

こんないい人父さんはどこで引っ掛けてきたのだろう?


「それでは、頂きます」


「頂きます」


「はい、召し上がれ」


そうして、料理を運び終えた俺たちは挨拶をしてから食べ始め、普通に世間話をしながら晩御飯を食べていった。

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