表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/22

4【麗華先輩】

「うわっ!」


むにゅ!


「だ〜れだ?」


職員室から出て昇降口に向かっていた時、突然後ろから衝撃が来てそれとほぼ同時に俺の視界遮られた。


だ〜れだとかそれ以前にむにゅってしたんですけど!これ胸、おっぱいだよね!


「誰かわからないのかなぁ〜。

それとも〜」


そう言って俺の背後の女性はさらに胸を押し付けてくる。


この人わざとやってるだろ!


「麗華先輩辞めてくださいよ!

胸が当たってます!」


俺はそう言って女性から離れる。


「喜んで癖によくそんなことが言えるわね。

汚らわしい!」


麗華先輩は両手で胸を抱きかかえながら言う。


「麗華先輩こそ自分からやっておいてよくそんなことが言えますよね!」


いかんいかん、つい怒鳴ってしまった。


この人は俺の一個上の先輩で西園寺麗華さんだ。俺がかよっている私立西園寺高等学校の生徒会長であり理事長の孫という漫画やドラマによくある設定そのままのお嬢様である。

なぜ二年の夏なのにもう生徒会長をしているのかなど色々気になることがあると思うがそれはまたの機会に話すことにしよう。


「麗華先輩、猫被らなくていいんですか?

誰かに見られますよ?」


麗華先輩は普段は真面目な生徒会長を演じているのでこんな姿は絶対に見せない。


「大丈夫よ。

こうしてる今もしっかりと警戒しているし、どんな状況を目撃されようとも上手い言い訳も考えているからね」


「さいですか。

麗華先輩はなんで夏休みなのに学校にいるんですか?」


「あのね、私は生徒会長なのよ?

夏休みだとしてもやらなければ行けない仕事が沢山あるの」


少し疲れた顔で麗華先輩が言う。


「お疲れ様です」


「それより、君が最近構ってくれないから寂しいんだけれども。

たまには生徒会室に顔を出してくれない?」


「俺もそうしたいのはやまやまなんだけど家庭の事情で色々ありまして」


「そんなことは知っているわ!

私を誰だと思ってるの!

だからこうして私自ら君が学校に居るという噂を聞きつけて大急ぎで飛んできてあげたんじゃない!」


「御足労いただきありがとうございます」


「うむ、苦しゅうない」


「それにしても、わけありの義妹が出来るなんてアニメやドラマみたいよね」


「本当に知ってるんですか!?

それになんでそんなに俺の家の事情に詳しいんですか!?」


「私は天下の生徒会長様よ。

当たり前じゃない。

あなたも色々大変になると思うけど頑張りなさい。

困ったことがあったらいつでも泣きついて来なさい。

力を貸してあげるから」


「ありがとうございます。

とても心強いです」


「ふふっ。

任せなさい!

なんなら今からその力を使ってあなたの義妹を編入試験なしで合格させてあげてもいいのよ!」


そう言って麗華先輩は大きな胸をはって言う。

今、心做しかボイン!っていう効果音が聞こえた気がした。


「気持ちは嬉しいですが、それはいろんな人に迷惑をかけると思うのでやめときます。

母からは頭はいいって聞いてますし、やばそうなら自分が頑張って教えますんで大丈夫ですよ」


「そう?

まあ、あなたがそう言うならやめとくわ。

私はそろそろ生徒会室に戻るわ。

あなたも気をつけて帰りなさいよ」


「はい、ありがとうございます。

麗華先輩もお仕事頑張ってください」


俺はそう言って去っていく麗華先輩の背中を見送り帰路についた。


よろしければブックマーク、評価お願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ