日本の闇のほんの一部……
はい。みなさんお久し振りです。
おバカな体験談エッセイを暫くお休みしていた、もふもふもんです。あっちょっとだけ宣伝しとこ(笑)
【立身出世物語。俺は風俗店で今日も頑張っています。】
みなさまのおかげを持ちまして。
純文学ジャンルにおいて。
日刊1位
週間1位
月間2位
四半期3位
年間25位
と言う快挙を達成してしまいました。ありがとうございます。
まだ読んでない方は、是非読んでみて下さいね。
と……ここで、これだけ宣伝した以上は、面白体験談を書かなくてはならない! と言うハードルを自ら爆上げした、私と愉快な仲間達シリーズの、お話は、またまた私の体験談。
みなさんは、繁華街なんかを歩いてて、色んなお店が入ってる雑居ビルの片隅に、トランプなんかの絵と共に【1円】【5円】【10円】なんて書かれた、小さな小さな、置き看板を見た事ないですか?
今回は、実際に昔私が、そんな看板のお店に行った時のお話しです。さて、もう先に言っちゃいますが、この看板を出してるお店の正体は【ポーカーゲーム屋さん】なんです。
ポーカーゲーム知ってますか? ゲームセンターとかに行くと置いてあったりしますよね? あれです。
看板に書かれてる値段は、レートが書かれている訳です。
1円なら1点1円。5円なら1点5円。10円なら1点10円。って感じに。
そして、このポーカーゲームで、増やした点数×レートの金額で、お金が貰えちゃう訳ですね。
はい! そうです! そこのアナタ御名答! 違法賭博のお店です!
今回は、このお店に私が、先輩のお供で付いていった時のお話です。コイツ……風俗と言い、違法賭博と言い、どんだけ、アンダーグラウンドに詳しいねん! とか思いました?(笑)どれだけなのかは、ひみちゅです(笑)
さて、先輩から、よく分からない理由で、とにかく付き合えと言われて付いて行った訳ですが。こう言うお店は、大体が、狭い階段を降りた先、ビルの地下部分にお店を構えてたりするものです。
私が連れて来られたお店も、ビルの地下1階にありました。
入った事は無かった私ですが、当然、何があって、どんなお店なのかは知ってましたから、先輩に何のお店なの? なんて事は聞きません。
先輩と一緒に階段を降り、お店のドアの前に到着しました。
ドアの上には、ウィーンウィーンと機械音を鳴らしながら左右に動く、ガチの監視カメラ! そしてドアには、幅3cm横の長さが10cmほどの切れ込みが入ってます。ドアの横には、インターフォン。
先輩がそのインターフォンを鳴らします。暫くすると、ドアの切れ込みが、サッと横にスライドして、人の目が現れました。
その目が素早く左右に動き、人数を確認しているようでした。
先輩は、そのスライドして開いた窓に、指を2本立て、よく見えるようにかざします。
スライドしていたドアが閉まると、ドアの向こうから、何やら、ガチャガチャとただカギを開けているにしては、大きすぎる音が聞こえて来ました。
そしてその音が止んだ後に、ドアが外側に向け開いたのです。
私と先輩は、開いたドアのすき間から、無理やり体をねじ込むように、中に入ります。(え? 入った事ないって言ってる割りに、入り方とか詳しいって? そこはそれ、ほら、あれです、あれ……そう言う感じの所に慣れてるので、どこも似たようなもんだ。そう言う事です)
素早く店員さんがドアを閉めカギを掛けた後に、ドアの横に付けた縦型のドアノブと、壁側に無理やり付けたドアノブとを、鉄のチェーンと、ゴツい南京錠で封鎖しました。
はい。軽い監禁状態です(笑)
お店の中はとても明るく、10台程の、テーブル型のポーカーゲームの台が整然と並んでいます。テーブル型のゲーム機って知らないかな?(笑)
先輩は、店内の、お客さんの座ってないゲームを眺めながら、お店の中を1回り。私は普通のテーブルとソファーの置かれているところに座りました。先輩が戻ってきて、私の隣に座ると、いかにも! な顔したお兄さんの店員さんが、愛想笑いを浮かべながら、オシボリを持ってきてくれます。お兄さん……愛想笑いが逆に怖すぎるんですが……と思いましたが、私は私の身が一番可愛いと考えるタイプの人間ですから、そんな事思っても言いません。
店員さんが、飲み物は何がいいか? と聞いてきます。噂には聞いてましたが、缶入りの飲み物が全て、お店に居る間、何本飲もうが無料です。
しかも、近所の24時間営業している弁当屋の弁当も、全部、何回でも無料なんです。
ちゃんと、各テーブルには、その弁当屋のメニューも置かれてました。
そして、先輩は、店員さんに話し掛けます。
『何番が一番回ってる?』
『ん~回ってるなら、4番、4カードなら2番、フィーバーは4番と7番、あっ7番は昼に、ファイブ出てるよ』
ん~コイツら何言ってるのやら……
先輩は、どうやら、私には分からない暗号のような、やり取りを理解して、4番のテーブルに座るようです。
店員さんが、しきりに私の方を見てきます。
お前はやらんのか? そう言われてるのがよく分かる目の怖さでした。
「えっと……付き添いなんで、見学とかあります?」
私が恐る恐る聞くと、店員さんは、笑顔で見学ね、大丈夫だよ、あっ見学でもサービスは受けれるからね。と教えてくれました。
良かった……やらないなら帰れ! とか言われなくて。
突然、先輩の声が店内に響き渡ります。
『交換して!』
その声を合図に、素早く店員さんが先輩の元に行くと、何やらカジノで使うチップ数枚と1万円札数枚を交換してました。
『上げときます?』
店員さんが先輩に聞くと先輩は、うん、上げて。と言いチップを1枚店員さんに渡します。
店員さんは、ゲーム機の横のカギ穴に、カギを差し込むと、ガチャガチャと数回、右にひねりました。
『お客さん、今日は初だよね? サービス1,000点ね』
え? 1点10円なんだから……1,000点だと1万円だよな? サービスで1万円も点数くれるのか? すげ~な。と私はサービスの良さに、内心で驚きます。そう、私はまだ知らなかったのです。この1,000点が、あっという間に無くなる点数である。と言う事を。
それから、5分も経たない内に、再び先輩の声が響きます。
『上げて~!』
その声を合図に店員がカギを差し込んでガチャガチャ。
私は、先輩の横に立って、先輩がポーカーゲームしてるのを、見てました。1回のゲームに100点を掛けているのを見て、またまた驚きます。だって! 1回1,000円ですよ? 私が趣味でやるパチスロですら、1,000円で50枚のメダルが出てきて、1回回すのに3枚しか要らないんです、パチスロ1回回すのに60円。ポーカー1,000円……
この時に私は、そりゃ1,000点ぐらいサービスするわな……と思いました。
【上げて】の意味も理解した私。上げてと声を掛けると店員がやって来て、1枚1万円のチップも貰い、ゲーム機の横のカギ穴に、カギを差しガチャと捻ると100点。ガチャと捻ると100点。点数が増えて行きます。
上げての声で店員ガチャガチャ。を何回か繰り返した後に、先輩の遊んでるゲーム機の画面が、青から緑に変わりました。
『よっしゃ! フィーバー』
先輩が、何やら意味の分からない奇声を上げると、店員さんが声を揃えて。
『『4番さんナイスフィーバー』』
と叫びます。
『もふ! フィーバーはな、ジョーカーが絡まない3カードが来ると入って、フィーバー中は、ジョーカーの出現率が倍になるんだぞ!』
そう説明してくれましたが、だからどうした? としか思いません(笑)
そして、確かに先輩の台は、ジョーカーが、やたら出てくるようになりました。そして……
『よっしゃ! 7の4カード! ラッキー何番?』
先輩のまたもや訳の分からない暗号が店内に。
『『ナイス4カード! ラッキーは7番です! ナイスラッキー!』』
店員さんの復唱……
そして店員さんは、先輩の元に行き、7の4カードが出てるのを確認すると、チップを5枚テーブルに置きます。
え? あれ……5枚って事は……5万円?
えっと……よく分からんが、ラッキーナンバーなるものがあって、そのナンバーと同じ4カードが来ると、5万円貰えるって事か?
『叩きますか?』
店員さんが、先輩に何やら言ってます。叩く? 店員さんを?
『1発は、保証だったよね?』
先輩は、店員さんに訪ねると、店員さんは、頷きます。
『もふ、4カードを、叩く時に、1回目で外すと、保証してくれるんだよ』
先輩よ、説明はありがたいが、先ずは【叩く】を説明しろや!(笑)
『叩くわ』
先輩が店員さんに告げると、何やらボタンを押しました。
切り替わった画面を見て、ゲーセンでポーカーゲームした事のあった私は【叩く】の意味を理解します。叩くとは、ダブルUPゲームの事を指しているようです。
と言うか……先輩……4カードの倍率って……5,000点になってますよ? 点数……それ、ダブルUPゲームしちゃうんですか? 外したらゼロですけど?
先輩は、どうやら、ヤル気のようです。と言うか……これがこの店では普通なのかも知れません。恐ろしい……
先輩は、ダブルUPゲームの画面を見ながら、またもや何やら呪文を唱え出しました。
『べー、べー、スー、スー、べー、スー、べー』
コイツ、とうとうトチ狂ったかな? そう思っていると、横の店員さんに。
『流れ的には、べー1択だよね?』
そう聞いた先輩。そうですねぇ私もべーかなぁって思いますと答える店員さん。
次の瞬間! 5,000点の点数が1万点に!
『おっしゃぁ! べー!』
私は、店員さんに小声で訪ねました。
「店員さん、店員さん、べーとかスーとか何の呪文なんですか?」
そう言う私を見て、店員さんは笑います。
『そっか、お客さんやった事ないんだね、べーとスーは、まぁ専門用語でさ、べーはBIG、スーはSmall、って意味』
なるほど! ダブルUPゲームの事は分かります私。
出てるカードの数字より、次に捲るカードの数が上か下かを当てるゲームです。べーはBIGで上。スーはsmallで下。そう言う事ね。
『よっしゃ! 次~!』
先輩の声が……おい! お前待て! 10,000点だぞ? 10万円だぞ! ダブルUPゲームするってのかよ!
『あ~次の次、2が見えてますもんね、ここは叩くしか無いですよね』
店員さんが煽ります。確かに次も当てれば、その次は99%で、smallでしょうが……やるんですか? やるんですね?
『もふ! どっちだ!』
ここで私に振るのか~! この野郎!(笑)
「ん~BIGで」
所詮は人の金、知ったこっちゃありません(笑)
『もふ! サンキュー!』
そう言って先輩は、私にテーブルに置いてあるチップから5枚、私に渡して来ました。
「店員さん、これ換金お願いします」
はい、ビビりです! 私はビビりなんです! だって5万円ですよ?
『あ~パンクしたか~ほら、もふ、点数が表示出来る限界まで、上がるとパンクって言うんだぞ』
親切に教えてくれてありがとう。でも、私絶対やらないからな!
お前は何を、やってみろよ。と誘導しよとしてんだよ!
店員さんはカギ差してガチャガチャ。
点数がゼロになります。そして、店員さん、ポケットからチップを40枚テーブルに積み上げます。
1枚渡してカギをガチャガチャ。
『後2回フィーバー残ってるからな』
なるほど、チャンスが残ってるなら、私でもやりますわ。
そして、フィーバータイムは、その後何事も無く終わりました。
でも……テーブルに積み上がる40枚のチップ……40万円……
私は、その後、ソファーに戻り、店員さんとお話します。
話し好きなので、聞き出すのも得意です。
「店員さん、店員さん、あそこに座ってるアレ、出来れば負けないかな?」
『うん? 何で? 先輩じゃないの?』
「いや~ここだけの話、内緒ですよ? アイツ大嫌いで、泣いてる顔見れたら、スッしそうだなぁって、ほら、こう言うのって、そこのカウンターの裏にある、スイッチをポチリと押したら、とかよく聞きますし」
『お客さん、それ10年以上も前の話ね、今は確率を設定で弄れるから、そう言う事してる店は無いよ』
なるほど。設定があるのか、パチスロみたいだな。そして、上手い事聞きたい事は聞けた。
『お~やべぇ!フィーバーターボきた!』
先輩が今まで以上にデカイ声で叫びました。
『『4番さん、ナイス! フィーバーターボ!』』
「店員さん、店員さん、ターボって?」
『ターボはね、フルハウスが来ると入って、10回まで点数2倍になるの、それで、先輩? はフィーバー中にターボに入ったから、ジョーカー出やすくて、点数も2倍って状態な訳』
「なるほど、そりゃ是非、負けて欲しいですね」
『ん~まぁ別に勝ってもいいけどね、ほら、負ける人ばっかだと、お客さんみたいにスイッチがとか言い出す人居るしね、100や200ぐらいなら、店は負けても何とも無いよ、稼ぐ桁違うから』
そう言う笑ってた。恐るべし、日本の違法賭博……
『もふ! もふ! 来い!』
アホが呼んでます。行きましょう。あんなのでも先輩です。
『フィーバーターボのラスト、お前やれ! やり方はゲーセンのと同じだ』
マジか。まぁ人の金だ。どうでもいい。
「は~い! んじゃやりますね、ポチっとな」
配られたカードは、ジョーカー。ジョーカー。エース。6。2。
「ん~……これと、これと、これ残してってと……ポチっとな」
ジョーカー。ジョーカー。ジョーカー。6。6。
「ん? これは……4カード?」
『バカ! 違うわ! おい! もふ! やってくれたな! おい!』
このサルは、何をキーキー鳴いてるんだ?
『5カード! きたーー! コイツ出しやがった!』
先輩の大絶叫、うるさいなこのおサルさん。
『『え? マジ? マジで? 出しちゃった? このお兄さん』』
台を凝視する一同。
『うわ~出てるよ……お兄さん初めてなんだよね? まさに、ビギーズラック……』
「ん? ん? あっジョーカー3枚と、6のツーペアだから、5カードか」
『えっと……ちょっと待ってね、ターボ中だったから2倍で……あ~面倒くさい、キャッシュ持ってこい!』
偉い方の店員さんが、偉く無い方の店員さんに、怒鳴る。
『はい、これ、どうぞ、お兄さん、おめでとう』
そう言って渡されたのは、諭吉のオジサンが実に70人……
「え? え? 70万円~~~!!」
先輩に、半分あげた(笑)