第十八話 決着
身の丈三メートルを優に超える巨躯。肌は黒く、引き締まった筋肉に覆われており、その凶暴性を一目で相手に理解させる威圧感を放つ。
右腕に持つ魔道具の剣は常人ならば両手で構えるような大剣だが、この魔物にとっては片手で軽々と扱える取り回しの良い武器に他ならない。ダンジョン産の魔道具の剣ならば、ヴァイカスの持つ剣と同様に特殊な効果を発揮するだろう。
「ここまで単眼王を引っ張ってきたのか」
ジンは異常種のサイクロプス、単眼王を見て舌打ちする。
討伐隊を差し向けられても七人を切り殺して返り討ちにしたほどの魔物だ。ヴァイカスはここまで逃げの一手で連れてきたのだろうが、悪くした足でよくここまで引っ張って来れたものだと感心する。
おそらく、ヴァイカスは所々でその魔道具の剣の力を使って単眼王を足止めしたのだろう。
単眼王が爛々と輝く一つ目で冷静に倉庫部屋を見回して、戯れとばかりに一番近くにいた巨骨人を掴み上げて投げ飛ばした。
投げ飛ばされた巨骨人がヴァイカスたちのいる通路へと飛んでいき、突如浮かんだ赤い魔法陣に弾き返されて地面を転がった。巨骨人が押しのけた空気が風となってヴァイカスたちの髪を揺らす。
条件を満たすまで脱出不可能。単眼王が忌々しそうにヴァイカスを睨んだ後、ジンたちを見た。これまで散々同じ手を受けたのか、対応が早い。
ジンはレミに目くばせした直後、素早く水蛇を作りだした。いつも作りだす物とは異なり、小指ほどの小さな水蛇だ。その水蛇を手の平に乗せて、思いきり投擲する。狙う先は単眼王ではなく、コッザ・グバラがいる通路だ。
頼りない大きさの水蛇はまっすぐに飛んで、浮かび上がった赤い魔法陣に弾かれて散った。
「魔法も通らないね」
「発動地点が違えば分からないが、確かめる余裕はないな」
だが、保険は掛けた、とジンは倉庫内の状況を確認すべくざっと見まわす。
単眼王の登場で怯んだのは何もジンたちだけではない。部屋の魔物たちも怯えたように単眼王から距離を取っている。見れば、中層からの魔物も上がってこなくなっていた。
「魔物の群れと単眼王とどっちがましかな」
「言ってる場合か。来るぞ」
剣を構えた単眼王を見たフォーリが注意を飛ばした刹那、単眼王が剣を無造作に振り下ろす。
距離があるのに何故、と疑問を浮かべたジンをレミが横から突き飛ばす。
レミと一緒に倒れ込んだジンは、直前まで立っていた地面に一本の太刀傷が走っている事に気付いてぞっとする。
「魔力で刀身を伸ばしてくる。注意して!」
レミが珍しく声を張り上げた時、ジンは気付いた。
フードが脱げて、レミの髪とそこに咲く紫色の花が露わになっている事に。
「――あっ」
レミも気付いたのだろう、慌てたようにフードを被り直そうとするが、諦めたようにフードから手を離す。
「ジン、ごめん……」
「いや、助けてくれてありがとう」
ジンはレミの背中に腕を回して立ち上がり様、足元に人をも呑める巨大な水蛇を発生させる。
素早く周囲に視線を走らせる。驚愕の色を隠せないハッシュたち冒険者だが、魔物の対応に精一杯ですぐにレミをどうこうする余裕はなさそうだ。同時に、ジンとレミが仕掛けてこないかを警戒している節もある。
グバラ同朋団とヴァイカスもレミの正体に気付いてなにやら混乱の最中にある。
単眼王は、ジンたちへの二撃目を放つ態勢にあった。
「体勢を立て直す隙なんか与えないよな!」
単眼王が剣を振り降ろす直前に軌道を読んで、ジンはレミを抱えて飛び退いた。
足元の水蛇の頭部に着地し、水蛇に鎌首をもたげさせた。
「レミ、ばれた以上は全力で行こう」
「……今ならまだ私を捨て――」
「くどい」
一言で切って捨てると、レミは一瞬俯いた後、覚悟を決めたように顔を上げて単眼王を睨んだ。
「ジン、合わせて」
「おう」
「――毒水蛇!」
レミが生成した大量の植物毒を内包した水蛇が瞬時に形成され、単眼王へと飛びかかる。
単眼王は一歩足を引くと、水蛇へと剣を振り抜いた。盛大に飛び散った水と大量の毒が広範囲にばら撒かれて、魔物たちに降り注ぐ。
「綾茨!」
レミが正面に茨の壁を作りだすと同時に、ジンは足元の水蛇に対して大量の魔力を流し込みながら魔法陣を編む。
計十六の渦巻きが特徴的なその魔法陣が編み上がると同時に、ジンは魔法を発動する。
「八岐水蛇」
八つの尾と八つの頭を持つ巨大な水蛇が生み出された直後、レミが張った綾茨が斬り裂かれた。
単眼王がその剣で茨を両断したのだ。
単眼王が手首を返し、流れるように二撃目を繰り出す。逆袈裟に振り上げられた剣は八岐水蛇の首を二つ斬り飛ばした。
直後、単眼王の一つしかない目が見開かれる。
八岐水蛇の首が再生したのだ。
距離を取った単眼王に八つの首が襲い掛かる。
しかし、単眼王に届く寸前、外から飛んできた矢を受けて二つがはじけ飛んだ。コッザ・グバラの指示を受けたグバラ同朋団が横やりを入れたのだ。
単眼王が体を捻るようにして、八岐水蛇の首二つ分の隙間を縫って攻撃をかわす。
ジンはレミを抱えて地面に降り立った。
ここぞとばかりに襲い掛かってきたプレートベアを横目に見る。
「邪魔だ、退け」
ジンの足元から噴き上がった高さ一メートルほどの波がプレートベアに襲い掛かる。爪を地面に食い込ませて堪えようとしたプレートベアの足が不自然に滑り、そのまま後方の魔物ごと押し流された。レミの滑草による効果だ。
ジンが片手で短剣を抜き放ち、グバラ同朋団から飛んできた矢を弾き飛ばす。単眼王の足の隙間を縫った一矢だったため軌道が読みやすかったが、不意打ちであればジンも対処できないだろう。
顔を顰めたジンは刃こぼれして使い道のない短剣を見て笑う。
「良い事思いついた」
「悪い顔をしてるよ」
レミが吹っ切れたように笑いながら指摘する。
八岐水蛇と格闘している単眼王から距離を取りながら、ジンは魔法名を口にする。
「爆鳴気泡」
空中に気泡が浮かび上がる。
レミしか目撃した事が無いジンのオリジナル魔法は頼りなく空中をフワフワと飛ぶ。
単眼王が鬱陶しそうに気泡をちらりと見て、剣を振った。
「――おまけだ」
言葉と同時にジンは短剣を投げる。放たれた短剣は単眼王の持つ剣にカチ当たり、火花を散らした。
爆音が響き渡り、音と光と風の暴力が単眼王の剣を軸に荒れ狂う。
文字通り爆発的に膨らんだ暴力は単眼王に尻もちをつかせ、周囲の魔物を吹き飛ばした。
「い、生垣! ジン、やり過ぎ!」
吹き荒れる風に煽られて吹き飛びそうになったレミが正面に植物の壁を作りだして風を防ぎつつ抗議する。
「悪い、ちょっとでかく作りすぎた!」
単眼王とのサイズ比で感覚が狂ってしまったらしい。
しかし、倉庫部屋の中央に単眼王を中心とした空間ができた。魔物ですら単眼王を恐れて入らないその空間に、ジンとレミは足を踏み入れる。
理屈は分からなくとも、自らに尻もちをつかせた爆発を起こしたのがジンだと理解したのだろう。単眼王が咆哮を上げた。
「みんな、しばらくはこっちを見るなよ!」
ジンが笑みを浮かべてハッシュたちに呼びかけるその後ろ、ジンの身体を盾に魔法陣を隠すようにしてレミが魔法発動の準備を整える。
「――ご覧あれ、目も奪う美しさ。魔花繚乱!」
ふわりと花の香りが漂った――刹那、レミの後ろに妖しい大輪が咲き誇る。
赤に、黒に、青に、白に、色が移ろう大輪は直径三十センチほど。えも言われぬ妖艶さを帯びるその花は見る者に視線を外させぬ美しさ。
そんな魔性の花が増えていく。人も魔物も区別なく惹きつけ釘付けにするそれはアルラウネの魔力でのみ生み出されて僅かな生涯を閉じる魔の花。
ジンとレミが駆けだす。
単眼王の一つ目は魔花を注視したまま動けない。しかし、単眼王はジンとレミの接近にも気付いていた。
それでも、単眼王は魔花から視線を外すことができない。
「ジン、流走」
「レミ、草船」
掛け声に合わせて、魔法を発動する。
二人の足元に急流が生み出され、真正面に巨大な蓮のような葉が生じる。葉に飛び乗った二人は急流に乗り、急速に単眼王へと至る。
魔花に目を奪われて足元の二人を見ることができない単眼王が闇雲にその剣を振り降ろす。
「――水纏・逸」
「――毒蔦鞭」
レミの後方から頭上に手を伸ばしたジンが、振り下ろされた剣の軌道を水の流れでわずかに逸らす。
二人が乗る葉が剣により二つに切り裂かれる。単眼王が攻撃を外したことに気付いて手首を返す。
だが、ジンに防御を任せていたレミの攻撃の方が早い。
レミが鞭を振り抜く。長大な蔦の鞭はそれ自体が意志を持っているかのように単眼王の右足に巻き付き、毒を内包する無数の棘を食いこませた。
直後、単眼王が悲鳴を上げて右足を上げる。巻き付いた毒蔦が消失するも、激痛は消えることなく単眼王の右足をむしばんでいる。
怒りに燃えた目でジンとレミを見ようとする単眼王だが、意思に反してその瞳は魔花を見続ける。
「レミ、滑水蛇!」
ジンが魔法名を宣言した瞬間には、レミが植物のぬめり成分を生成していた。即座に水蛇の形を成し、単眼王が剣を持つ右手へと巻き付いた。
興奮状態の単眼王は右足の激痛に意識を取られて気付かなかったのか、とにかくジンたちを退かせようと剣を振り抜いた。
つるりと、剣が単眼王の手をすり抜けて飛んでいく。右足の踏ん張りが利かず勢い余った単眼王が背中から倒れ込んだのを見逃さず、ジンとレミは魔法を使用する。
水の蛇が単眼王に巻き付いて関節を固める。レミの生み出した植物毒が容赦なく滝となって単眼王の身体に注がれた。
単眼王の絶叫が大地を震わせる。肌を焼き神経を蝕む激痛は想像を絶し、痛みを紛らわせようと暴れることすら封じられ、ただただ泣き喚くほかない。
一つ目が溢れる涙に濡れ、光を失っていく。最後までその一つ目は消えていく魔花を見つめ続けていた。
倉庫部屋を包んでいた赤い魔法陣が消失する。単眼王が死亡した事で脱出条件を満たしたのだ。
「……さて、どう出るかな?」
ジンは単眼王の絶命を確認して、グバラ同朋団とヴァイカスの方を見る。
戦況はジンたちの優勢へ傾いた。まだ、フォーリやハッシュがアルラウネのレミに対してどう動くかは未知数だが、八岐水蛇と共に魔物の残党狩りに入っている。当面はジンとレミに攻撃を加える余裕がない。
単眼王を目の前で討伐されて驚愕しているヴァイカスとコッザ・グバラが武器を構える。
「嘘だろ。単眼王を討伐しやがったぞ」
「ありえん。こんな事、ありえん」
武器を構えてこそいるが、明らかに動揺している。
長らくターバラとベレンディアの往来を妨げてきた単眼王は魔道具の剣もあって近隣に恐れられてきたのだ。
たった二人で討伐してのけたジンとレミは彼らの目にどんな化け物に映っているのか。
ジンはレミを隠すように一歩前に出る。
だが、ジンとしてもコッザ・グバラやヴァイカスの処遇に内心で悩んでいた。
レミがアルラウネだと知られた以上、野放しにはできない。だが、ハッシュたちもレミの正体を知ってしまった。単純に口封じのために殺してしまえば、ハッシュたちは「次は自分の番ではないか」と疑念を抱き、和解が難しくなる。
ハッシュたちとの和解を諦めてターバラを去るという選択肢が妥当か。
コッザ・グバラが一歩前に踏み出す。
「睨み合ってもしょうがねぇ。こっちは団員を半分魔物に殺されてるんだ。あの倉庫の秘密を探らなけりゃ割に合わねぇ」
ちらりと分隊がいた通路をコッザ・グバラが見る。
ジンたちと単眼王が戦っている間に、通路にすし詰め状態だった魔物たちは逃げ出している。生きていれば戻ってくるはずの分隊が一人も帰ってこないのは、魔物に殺されたからだろう。
「それに、あれだけ派手に魔法を使った直後だ。魔力ももう限界だろ」
勇ましく剣を掲げて、コッザ・グバラが仲間に命令を下す。
「あの二人を殺せ。いつぞやの行商人と同じだ。生かしておく必要はねぇ!」
コッザ・グバラの命令を受けて、彼の仲間が殺意を脹れあがらせる。
ヴァイカスも剣を構えて倉庫部屋に入ってきた。
あくまでも戦うつもりらしい。
ジンは無言で魔法発動を切った。
直後、コッザ・グバラ達の足元に白い粘液が広がる。
ジンたちに注目していたコッザ・グバラはすぐに足が地面にくっついていることに気付いた。
「――まさか、最初の小っせぇ蛇は!?」
粘着剤の類を最初に撒いていたのだと気付いたコッザ・グバラは無理やり地面から足を引きはがしにかかる。靴底がべりべりと剥がれるが、気にしてはいられない。
だが、もう遅い。
「……綾檻茨」
ジンの後ろで魔法の発動準備を整えていたレミが呟く。
突如として、ヴァイカスたちの足元から無数の茨が芽吹き、一瞬でその蔦を天井へと伸ばしていく。
ギョッとしたグバラ同朋団の団員が茨の棘で傷つくのも構わずに脱出しようと一歩前に出たのを、ヴァイカスが怒鳴りつけた。
「毒があるかもしれん。触れるな!」
「燃やせ!」
コッザ・グバラが続けて指示を飛ばした直後、ジンはあえて聞こえるように魔法名を口にした。
「爆鳴気泡!」
ジンが作りだした気泡が風を受けてヴァイカスたちの元へと届く。
単眼王との戦いを見ていたヴァイカスたちが慌てて魔法で生み出した炎を消した。
「斬り開け!」
率先して茨に斬りつけたヴァイカスだったが、簡単に逃げ出せるほど軟な拘束魔法ではない。
茨の隙間を縫って苦し紛れに放たれた矢を、ジンは軽い動作で避ける。
「捕まえたはいいが、どうするかな」
ジンは呟いて、ハッシュたちの様子を窺う。単眼王が倒れた事で中層への脱出も可能となり、魔物たちが引いていく。この部屋ですでに数十匹の魔物が死んだのだ。敵わないと悟った魔物たちの撤退は早かった。
魔物の残党をあらかた片付けたフォーリたちと目が合う。
険しい表情のフォーリがジンから視線を外し、ヴァイカスたちを見た。
「話は後だ。先に仇を取らせてもらう」
コッザ・グバラが言っていた行商人とは、フォーリたちのかつてのパーティーメンバーであるライト・エムレットの事だろう。
ならば、フォーリたちに権利があると、ジンは一歩引いて道を譲った。
フォーリの仲間が矢を番え、茨の檻に閉じ込められて逃げ場のないグバラ同朋団を射抜く。
一人、二人、三人と次々に射抜かれて、残ったコッザ・グバラとヴァイカスが苦い顔でフォーリを睨んだ。
「てめぇら分かってんのか。そこのアルラウネの始末をつけねぇと教会が敵に回るぞ」
「フォーリ、考え直せ。利害は一致しているだろう。単眼王を討伐するほどの二人をお前たちだけで殺せるのか?」
この期に及んで往生際悪く説得を試みる二人に、フォーリは無言で剣を構えた。
説得は無理だと諦めたのか、ヴァイカスたちも剣を構える。しかし、茨の檻で身動きの取れない彼らにはフォーリの剣を躱す術がない。
フォーリが突き出した剣がヴァイカスの足を貫く。
「あぐがっ、やめ――」
膝をついたヴァイカスにフォーリの仲間が剣を振り下ろした。
同時に、二本の矢がコッザ・グバラの両足を射抜く。
飛び散る血には目もくれず、フォーリがコッザ・グバラの顔面に剣を突き付ける。
「ライト・エムレットの最後について話せ」
フォーリが冷やかに訊ねると、コッザ・グバラは痛みに剣を取り落しながらも不敵な笑みを浮かべて睨み返した。
「こんな事なら行商人なんかやらなければよかった、だとよ」
「お前、嘘が下手だな」
意趣返しを狙ったコッザ・グバラの苦し紛れの嘘に取り合わず、フォーリはコッザ・グバラの首に剣を突き刺した。
倒れ伏すヴァイカスたちの死体を一瞥して、フォーリが剣を納めた。
「さて、ジン……」
フォーリが振り返る。
ジンは後方のハッシュたちの位置を確認しつつ、フォーリに答えた。
「なんだ?」
「レミちゃんはアルラウネだな?」
「そうだ」
今さら隠したところで無意味だと、ジンは正直に肯定する。
ハッシュがため息をつく気配がした。
「なぁ、ジン、一応聞いておく。正体を隠していただけで、俺達を騙していたわけじゃないよな?」
「俺とレミはお前たちに何をもたらしたか、その結果が答えだ」
ジンの答えに納得したように、ハッシュたちが剣を鞘に納めた。
「よし、ならさっさとフードを被れ。この騒ぎに気付いて他の冒険者や憲兵が来ないとも限らない」
「……見逃してくれるの?」
フードを被りながらレミが訊ねると、フォーリとハッシュが顔を見合わせて肩をすくめた。
「俺たちもハッシュたちも、恩人を売るような下種じゃない」
「レミちゃんが正体を隠さないといけない立場だと理解もしてる」
二人の答えに彼らの仲間たちも頷いた。
ジンは肩の力を抜いて、安堵した。
「ありがとう。隠していて悪かった」
「みんな、ありがとう」
レミが頭を下げると、ハッシュたちは照れ臭そうに頭を掻いて、話題を変えるように転がる魔石を指差した。
「ほら、片付けるぞ。妙な経緯だが、臨時収入だしな。単眼王の剣はお前らの物だ。消えないうちに回収しとけ」
「まだ決着を付けないといけない奴が残っているしな」
フォーリがそう言って、ダンジョンの出入口の方角を見た。