始まりの日
初めての投稿です。
不定期更新ですが読んで頂ければ嬉しいです。
2xxx年。
東京都だけで突如観測された謎の大地震。
局所的に観測された地震の震度はマグニチュード14.
震源地不明。
計測を始めてからの最大震度を計測した。
それとともに突如出現した巨大な塔や地下洞窟。
東京都は過去例を見ないほどの混乱に陥った。
死者、行方不明者、約3000000人。
これは推定であり、今後さらに人数が増えるものと思われる
経済損失は1000兆円以上にも及び、国債を上回る形になった。
都市機能が停止し、政府は横浜に臨時政府を設置。
東京都を自衛官、予備自衛官、警察を大量動員し封鎖。
生存者を都外に非難させ、救助と調査に乗り出した。
最初の調査は都内に出現した物の中では最大の塔から開始することになった。
塔の高さは測定不可能。
測定不可能と言うのは調査にでた機体が跡形もなく撃墜され、衛星からの撮影も画像が表示されず計測が出来なかったからである。
色々な方法を試してみたが、雲を突き抜ける程の高さがあるこの塔を空からでは調査出来ないと判断。
政府は仕方なく潜入調査を試みた。
中に入ったのは約25名の研究者と自衛官120名である。
調査に加わった者は戦闘、護衛。研究のスペシャリスト達である。、
塔の中は外観とは比べることも出来ないほどの広さがあり調査は難航した。
調査が難航した理由は他にもある。
塔の中には化け物が闊歩しており、その戦闘力は階を重ねるごとに強くなり、その度に隊員は命を散らしていった。
145名いた調査団のうち生還者は73名。
約半数が犠牲になり、国民からは批判の声と共に不安の声があがった。
しかし、調査団は犠牲を払っただけの価値を持ち帰った。
金、銀などの鉱石。
それに未発見の鉱石や宝石、化け物の素材などは現存するエネルギー資源や素材よりも有効であるとの研究結果が出た。。
これだけでもエネルギー資源問題が解決できると共に資源大国になれると期待され、批判の声より期待の声が上回る形となった。
国債を上回る程の損失があったのだ、国家の存亡さえ出来ないのではないかと噂されていた中での久しぶりの明るいニュースであった。
だが持ち帰ったものは資源だけではない、寧ろ人類としては資源よりもこちらのほうが注目を浴びることになる。
全ての帰還者がステータスを見ることができるようになり、レベル、スキル、魔法のようにまるでゲームの中のような力を現実に備えて戻ってきたのだ。
帰還者達の中で一番レベルが高くなっていた者は、以前の2倍ほどに力が増していた。
見た目は勿論のこと、筋肉量も変わっていないのにである。
全員に共通するのは塔の中で化け物を倒したことであり、それが力の発現に不可欠であることが後の実験で判明した。
政府はこの塔等をゲームのダンジョンに酷似していることから『ダンジョン』化け物を『 魔物』と命名。
ダンジョン資源を政府の手で全て採掘、採取するのは不可能と判断していたが民間に開放するつもりはなかった。
力を得たことによる犯罪、治安の悪化などが懸念されたからだ。
しかし、国債を上回るほどの被害、仕事、衣食住の問題もあり国民の強い不満や要望、圧力などの世論に対抗できなくなり、仕方なく犯罪を抑止するための組織を新たに創設することを条件に、自己責任で志願した民間人も採取、採掘を許可する法案が可決された。
ダンジョンに潜る者は国営のダンジョン管理機関、通称『冒険者ギルド』への登録が義務付けられ、彼らを『冒険者』と呼び、彼ら冒険者には『冒険者としての強い責任』と『厳しい法律』がかせられた。
だが、それを引き換えにしても冒険者は力、財力、名誉、地位を手に入れることができるようになる。
パワーバランスの崩壊を恐れた世界の国々はそれに黙っておらず、各国もこぞって志願者を排出、日本も多数の条件のもと、それを受け入れるのであった。
力のある者よ、更なる力を掴め。
リスクを負うもの者よ、財を掴め。
勇気のある者よ、名誉を掴め。
智を持つ者よ、地位を掴め。
全てを併せ持つ者よ、世界を掴め。
冒険者時代の幕開けである。