第8話 ー逃亡ー
いじめ表現、自殺表現を含みます。
第8話 ー逃亡ー
「んー、やっぱ話すこともないわー」
つまらなそうに告げるナル子。
それなら早く解放してほしいんだけど。
そんな私の想いとは裏腹に、ナル子はこちらに近づいてきた。
1歩、また1歩と確実にこちらに迫ってくる。
なんだか恐ろしくて、思わず後ずさりをした。
「あんた、ほんとにいいね」
クスクスと嫌な笑い声。
この声は嫌いだ。
気持ち悪い。
止めて、止めてよ。
私のことを笑わないで。
「ちょっと!聞いてんの?」
鋭い声で、現実に戻される。
背中を汗が流れていく。
気持ち悪くて仕方ない。
「まぁ、いいわ。話すこともないし、いつも通り遊ぼっか?」
微笑んだナル子には、私の警告が鳴り響く。
早く逃げろと本能が叫ぶ。
ここにいたら危険だと。
本能的に体が動いた。
ナル子の前から走って逃げ出す。
後ろを振り返る余裕なんてなくて、
でもナル子が追いかけて来ないかと不安で、
暴れる心臓を抑えて必死に足を動かした。
もうどれくらい走ったか分からない。
息も切れて、足も痛くて、もう何がなんだか分からなくなるくらい、走り続けた。
心臓が痛い。
酸素が足りない。
少し落ち着いて振り返ると、そこには誰もいなかった。
大きく息を吐き出す。
ぐらつく視界に耐えきれず、壁にもたれかかる。
「あ……」
意識が途切れて、目の前が段々と暗くなっていく。
こんな世界からさよなら出来るなら、
悪くない終わり方かな。
さよなら、さよなら。
つまらない世界。
更新が遅い+内容が薄くてすみません!
作者の乙葉ともうします。
何か終わりみたいになってますが、
まだ続きますので!w
意識を失った主人公ちゃんはどうなるのか、これからの展開をお楽しみに!
次回更新も未定です
コメント、評価、ブクマありがとうございます!