第2話 ー疑問ー
※このお話は、自殺を推奨するお話ではありません。
第2話 ー疑問ー
生ぬるい風が頬を撫でる。
こんな曇り空の日はいつも蒸し暑くて、少しだけ、長袖の制服がうっとうしくなる。
今日は平日だから、学校へ行かなければ。
面白くもなんともない学校。
友達に囲まれて楽しく過ごす青春なんて、私にはないものだ。
私にあるのは、教室の隅で、静かに、気配を消して過ごす暗く重苦しい日々。
元々話すのが苦手で、顔に自信もないから笑顔にもなれない。そんな私はクラスの中で浮いていた。
うまく言葉を紡げなくて、目をあわせることも出来なくて、結局ひとりぼっち。
死にたいと明確に思ったのは、ひとりぼっちになってからだと思う。
祖母が死んで、大きな暗い家にひとりぼっち。
人付き合いが苦手で、教室でもひとりぼっち。
どこでもひとりぼっち。
一人は、寂しい。
両親はもう、私のことなんて見捨てている。
私には、私自身を必要としてくれる人がいない。
だからこそ、死のうと思った。
死を愛して、死に抱かれたいと願った。
それから毎日自殺を繰り返しているけれど、いまだに私は死ねない。
何でなんだろう。何で死ねないんだろう。
疑問だけが頭に浮かんでは消えていく。
思い当たることなんて何もない。
そもそも生き返ること自体がおかしなことだから、原因もおかしなことなんだろうか。
むしろ、私はもう死んでいるとか?
いや、それは違う。
私は死を意識する度に、相応の痛みを感じている。
ナイフで大きな傷をつけたら、血だって沢山出る。
じゃあ、何で私は生き返るんだろう。
ぐるぐると頭の中を言葉が回る。
わからない。少し頭が混乱してきた。
また後で考えようと思い一旦思考を立ちきる。
もう学校の靴箱まで来ていた。
これからまた楽しくない1日が始まる。
いつも通りの、計画された1日が。
灰色の空に背を向けて、白い壁で囲われた鳥籠に足を踏み入れた。
汚れた上靴が鈍い音を鳴らす。
おはよう、つまらない1日。
第2話 ー疑問ー です
生き返ることに疑問を覚えた少女の世界は、これから色を取り戻して行きます。
まだ私にも少女の未来はぼんやりとした形しか保っていませんが、これから読者の方と共に進んでいければと思います。
小説を読んでくださったが200人を突破しました、ありがとうございます(*^^*)
ここまで読んでくださり本当にありがとうございます
次回はそんなに間をあけずに更新できればと思ってます。