第1話「私達が魔法少女!?最強の魔法少女?ウィッチ☆プリンセス誕生」3
それから部屋のお掃除もして、お洗濯物も干し終えた頃、タイミング良くチャイムが鳴ったの。
リビングにある時計を見ると、ちょうど愛美と約束していた時間。
私は慌てて玄関まで駆けていって、ドアを開けた。
そこにはバスケットを大事そうに抱えて、天使のような満面の笑みを浮かべた愛美が立っていたの。
「みっちゃん、おはようございます。今日は一日お邪魔します」
「うん、おはよう、愛美!入って入って」
「はい、お邪魔いたします」
愛美は軽くお辞儀をすると、丁寧に靴を脱いで、ぴっちりと揃える。
愛美はお嬢様で、昔から色々な習い事をしたり、お屋敷の執事さんやメイドさんから言葉遣いや、レディのたしなみ…っていうのを沢山教えられてきたんだって。
それに愛美自身も凄く可愛いの!ツヤツヤでサラサラの黒髪に長い睫毛に大きくてクリクリした目、それに今日着てる真っ白なワンピースに負けないくらい透き通るような白い肌とか…。
うぅ、いいなぁ、私も愛美みたいな白い肌にサラサラの髪が欲しいよぉ…。
そんな私の視線に気付いた愛美はニコリと笑うと手に持っていたバスケットを差し出した。
「今日はお父様がイギリスに出張に行った時にお土産に買ってきてくれた、本場のワッフルです。後で一緒に食べましょうね」
「うわぁー、ワッフル!食べたい!ありがとう、愛美!」
「では、早くワッフルを食べるためにも先に宿題をしてしまいましょうね」
「うん!私頑張るんだからっ」
よぉーし、ワッフルを食べるために宿題なんてササッと終らせちゃうんだから!
…と思ったんだけど、今日はよりによって算数の宿題だったのを忘れていたの…私は運動は大の得意だけど、頭を使う算数は苦手で、いつも算数が得意な愛美に教えて貰ってるの。
それで今回も教えて貰っちゃった…。
ちょっと反省。たまには自分でちゃんと考えて計算しないとね!
その後は愛美と、おねいが作ってくれたお昼ご飯のサンドイッチとワッフルを食べて、後片付けをしようとすると愛美も手伝ってくれるって言ったの。
でも愛美はお客さんだし、後片付けまで一緒にさせるのはさすがに悪いよね。
「いいわよ、後片付けなんて!すぐに済むから愛美はゆっくりテレビでも見ててよ」
「いいえ、美味しいお昼ご飯を頂いたのに何もしない訳にはいきません!なのでお手伝いさせて下さい」
…愛美って、普段はちょっと天然でほわほわしてるのに少し頑固なところがあって、こうなると絶対に自分の意思を曲げないのよね。
「分かった!じゃあ一緒に後片付けしよう」
「はいっ、私みっちゃんのお役に立てるように精一杯頑張ります!」
胸元で軽く拳を作って、にっこりと笑う愛美。
その笑顔が絵に描いたみたいに可愛いくて、同じ女子の私でもつい見とれてしまうくらい。
「じゃあ私はお茶碗を洗うから愛美はまずは麦茶を冷蔵庫に直して貰ってもいい?」
「は、はい、分かりましたっ」
愛美は大きい麦茶のポットを胸元に抱えてフラフラと立ち上がる。
あわわ、危なっかしいくて見てられないよ…今にも転びそうな愛美を手伝おうとした瞬間、カーペットの端に足を引っ掛けて愛美が派手に転んでしまったの!
その時ポットも勢いよく床に落としてしまって、私と愛美は麦茶を被ってしまって、びしょ濡れに…。
「うー、パンツまでぐしょぐしょ…」
「ご、ごめんなさい、みっちゃん!私がぼんやりしていて…ひゃあっ」
慌てて立ち上がろうとした愛美だったけど、床に飛び散っている麦茶に足を滑らせてしまって、また派手に転んでしまう。