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オリジナル初投稿なので緊張です、いろいろ誤字、脱字が多いかもしれませんがよろしければ読んでください。
「まったく何を考えているんだ、アイツは」
恭治はマスターから頂いたコーヒーを飲み終えた時に苛立ちを隠そうとしないまま本題に入った。
「ほっとけよ、居なくなった奴なんて」
亮一はもうアイツの事を諦めた感じを漂わせている。
「お前らな~、そんな事を話してるぐらいなら直接本人の家に行けばいいだろ? 若い三人の男喫茶店で雁首揃えて何を下らない話をしているんだ」
マスターは俺達の話にダメ出しをする。
「ごもっともで・・・」
と言葉を返す俺。
ここは俺達が通う大学から歩いて近くの商店街の中にある喫茶店「ドラマ」である。
外装は和と洋がごっちゃになった様な感じでその不思議な見た目のせいもあって一足はあまり良くはない。
一年くらい前から通うようになったのも、恭治が「良い店を発見したから行こうぜ」と言って四人で足を運ぶようになってからというもの毎日ここに入り浸っている。
まぁ、溜まり場みたいなものだった。
だけど俺はここが気に入っている。
コーヒーの味はそこそこだが、マスターが作るランチは絶品であるからだ、聞いたところによると昔はそこそこ名のある料理人だったとか・・・
「恭治、お前らもいい加減ダチとばっかりここで食っちゃべってないで合コンにでも行って女でも作ってこい」
マスターは渋い声で恭治に言い聞かせるように言った。
「ははっ、それが30過ぎのおっさんが言う台詞かよ」
恭治は笑いながら答え、
「30過ぎた経験だから言えるんだよ」
とマスターが言い返す。
「それより恭治、話を戻すけどどうするんだよアイツは・・・ここ一ヶ月連絡してもなんも帰ってこないし・・・どうする?」
亮一がそれた話を無理矢理戻すように話す。
そう、今俺達がここに集まった理由は四人いつも一緒にいる俺達の中の一人が連絡不通になったからだ。
「・・・アイツが嫌がりそうだからしなかったけど、家に行くしかないな」
「そうなるよな」
そう、俺達ができることと言えばもうそれぐらいしか残っていなかった。
「んじゃ、今から行くか?」
亮一が直ぐにでも行けるように車の鍵を出すが、
「悪いけど一回俺、家に取りに行きたい物があるから・・・七時に此所に集合で」
その時俺は、何百回も行ったアイツの家がただ無性に行きたくなかった。
今の気持ちはなんだったのだろうと思うほどに。
「了解、んじゃ俺も一回実家に戻るかな・・・」
亮一は吸っていた煙草を消しながら立ち上がり、
「祐輔、お前はどうする?」
「俺はここにいるよ」
俺が答えると同時にマスターは深いため息をはいた。
そう因みに俺の名前は祐輔である。
今は午後の八時を過ぎた所だった。
俺達はドラマの前で再び集合し目的地の前のマンションに来ていたのだ。
アイツのマンションはドラマから車で3,40分で着くのだが近くに駐車場が無いため離れた空き地に停めて再度歩いて向かうのだが、
「点いてるか、明かり?」
最後尾を歩く亮一が聞いてくるが、
「いや、真っ暗だな」
先頭を歩く恭治が答える。
アイツのマンションは三階建てで部屋は三回の一番端にある。
マンションの目の前に着くと微妙な緊張感がした。
「それじゃあ、行くか」
恭治、亮一の後に続き俺もアイツのいるであろう部屋に向かう。
階段の音がやけに響き耳をくすぶる。
なんども上った階段だ、少し前の俺たちだったら歩きながら馬鹿なことを言い合い笑っていたのだろう、しかし今の俺達は口を開くことはなかった。
築10年ぐらいだが中は以外と新しい感じでアイツが選んだ理由の一つだった。
色々考えている内に、目的の場所に着いていた。
玄関の前に着くと先程より緊張感と言うよりは体が圧迫される感じだった。
「メーターは?」
「動いてる」
玄関のドアの上に設置しているメーターは微妙に動いていた。
「鳴らすぞ」
恭治が聞いてくると俺と亮一は無言で頷く。
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
呼び鈴を何度か鳴らすが反応は返ってこないので恭治が玄関のドアのノブを回した。
「空いてるぞ」
言いながら恭治はそのままドアを開けた。
・・・・・・
ドア越しに見る部屋は中が真っ暗でどうなってるか確認できなかった。
そして俺は意を決してアイツの名を呼んだ。
祐輔→恭治
ジリリリリ!!!ジリリリリ!!!ジリリリリ!!!
オレは眼を覚ました。
ベットの横に置いてある鳴り響く目覚まし時計を止める。
そのままハッと思い出したように起き上がり机の上を見る。
そこには一つの手帳が置いてあった。
オレが置いたのであろう手帳が。
恐る恐る手を伸ばし手帳を開き中の確認をする。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・マジかよ!」
オレは急いで着替えをし携帯に手を伸ばし家を出た。
手帳の中にはこう書かれていた。
9月20日
午後9時
アイツの部屋は酷く散乱していた。
アイツは居なかった。
アイツの代わりに女がいた。
見たこともない女は気絶をしていた。
祐輔の家で保護。
手帳にはそう走り書きで書かれていた。
更新は早め早めでいきたいと思います。