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FOREST WIZARD~赤髪の少年魔法使いの物語~  作者: Lyric of Fantasy
第一章 世界は主音を失っている

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3/12

三、都からの影

読む前に、まず再生してみてください。


この物語には、専用の音楽があります。


ケルトの旋律を流しながら読むと、文字がより深く、世界へと染み込んでいきます。


▶ BGMはこちら → [https://www.youtube.com/watch?v=nLcDQyHGrVY]

少年は、二日間歩いた。

地平線に、黒い塔が立ち上がる景色が見えた。影が這うように、空を通って広がっていく。

丘が険しくなってきた。王国が、近い。

人々の気配が、変わってきた。深く話さない。孤独。影が長い。何かが、涙を流させている。何かが、束縛している。

噂が、風に乗って流れていた。

「歌禁止。王が決めた」

少年は、旅人に会った。恐怖の目で震えている男だった。

「行くな」男は少年を止めた。「首都は危険だ」

「なぜですか」

「歌う者を、狩るんだ。誰でも。歌う者は、許されない」

男は荷物を抱えて、逃げるように去っていった。

「王が言ったんだ。歌が、世界を腐食すると」

「世界の織物を壊すと」

少年の心に、疑問が湧いた。

もしかして、王が正しいのだろうか。

歌が、本当に危険なのだろうか。それとも、自由なのだろうか。

答えは、まだ見えない。暗闇の中。


挿絵(By みてみん)


夜が来た。焚火を起こし、少年は星を見上げた。

「星が、少ない……」

呟く。いつから、こんなに少なかったのだろう。それとも、元々こうだったのだろうか。

森の夜空を思い出す。あの頃は、もっと星があった。いや、違う。あの頃も、すでに少なくなっていたのかもしれない。でも気づかなかった。一人だったから。

多分、王は正しい。歌は間違いかもしれない。

多分、危険だ。力が強すぎて、恐ろしい。

多分、沈黙は安全で、正しい。

でも。

心は、議論している。歌を信じている。愛している。

心が叫ぶ。進めと。

頭が叫ぶ。戻れと。

どちらが正しい答えなのか。

少年は理解した。もし足を止めたら、心も止まる。


最後の夜、門前で一人、静かに座った。

焚火の前で、運命を考える。その重さを。

森の歌が、遠く、遅く、響く。記憶の中で。

王国の沈黙が、重い。空気が緊迫している。

鳥の声は聞こえない。消滅している。

風の歌は、遠い彼方へ後退している。

何が待っているのだろう。扉の向こうに。

影が叩く。心を激しく圧迫する。

少年は気づいた。これが最後かもしれない。

森には、もう戻れないかもしれない。その覚悟。

でも、進まなければ、何も変わらない。

静けさは、平和だろうか。それとも、墓場だろうか。


夢を見た。

森が歌っていた。明るい幻想の中で。魔法使いたちが踊っていた。光の中で、躍動していた。

王国が崩れ、全てが正しく終結していた。

目覚めた。

まだ夜だった。静かな現実だった。

朝が来た。最後の日の決断。

王国の門が、目の前にある。どこから始まるのだろう。この疑問は。

歌を取り戻すことは、罪だろうか。正義だろうか。葛藤が、胸を締め付ける。

王が犯したものは、何なのか。それが原因なのか。


挿絵(By みてみん)


少年は立ち上がった。

荷物を詰めた。準備。

髪を結ぶ。準備完了の覚悟。

森の記憶を思い出す。朝の歌を。過去を。

今、王国へ。沈黙が鳴る場所へ。旅路が続く。

低音が響く。地面が震える。予兆。

影を恐れる。全ての恐怖を。

でも進む。真実は近い。確信している。

理由を知る。なぜ消えたのか。真実を。

少年は最後に、呟いた。

「森の歌を、守るために」

「たとえ一人でも、戦う」

引き返せない。それが自由だ。


都からの影が、今、門に立つ。最終地点。

歌が消えた。これは運命の試練。

誰も助けない。遅すぎる。絶望が迫る。

でも引き返せない。ここから先は、支配する独裁の領域。

遠くない。塔の頭上に迫る威圧。

王国が待つ。恐怖が満たす囁き。

入る。道が導いた場所へ。決着へ。

王国の壁は、真実の扉だ。

赤髪の少年は、門をくぐる。

影の中へ、消えていく姿。

でも、目に宿る光は消えない。

歌を取り戻す、その日まで。

この物語の続きは、音楽の中にあります。


▶ [https://www.youtube.com/watch?v=nLcDQyHGrVY] ←流しながら読むのがおすすめ


気に入っていただけたら、チャンネル登録もぜひ。

新しい物語が公開されるたびに、音楽も一緒にお届けします。


▶ チャンネル登録はこちら → [https://www.youtube.com/@Lyric-of-Fantasy]

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