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不死の商人  作者: ととキャット


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2/3

2

街を出る決意をしたのは、翌朝のことだった。

リオは荷物をまとめ、カイルを見下ろす。


「……本当に、ついてくるのか?」

「当たり前じゃん! あんたの旅、面白そうだし!」

カイルの笑顔は無邪気だが、その目の奥には、昨日見せた影の存在に対する微かな恐怖が隠れていた。


リオは無言で頷き、二人は街の外れにある石橋を渡った。

橋の下の川は静かに流れ、霧が朝日に照らされて銀色に光る。

——こういう世界の端っこに、危険が潜んでいるのだ、とリオは感じた。


その直後だった。


「うわっ!」


カイルが突然、背後に振り返り叫んだ。

黒い霧が石橋の先に立ち込め、ひとつの人影が浮かび上がる。

影は人の形をしているが、手足がねじれ、目だけが赤く光っていた。


「また、奴らか……」リオの声は低く、冷静だった。

手のひらに微かな光の糸を走らせる。光の糸は影に絡みつき、動きを制する。


「なにこれ、面白そう!」カイルは嬉々として影に飛びかかる。

しかし、影の攻撃は即座に反撃を返す。カイルは壁をすり抜けて避けるが、笑っていられるほど余裕はない。


「無闇に突っ込むな、カイル!」リオは糸を強め、影を縛り上げる。

影は苦悶の声を上げて消えたが、その後に残った黒い煙が小さく震え、逃げ去った先を示していた。


「……奴ら、街だけじゃなく、周辺まで見て回っているな」リオは静かに呟く。

カイルは息を弾ませながら、リオに目を向ける。

「ねえ、リオ。あの影、僕が知ってる“未練を利用する奴ら”と関係あるのかな?」

リオは答えず、ただ影の残した痕跡に手をかざす。光が痕跡に沿って揺れ、逃げた方向を示す。


「……面倒くさいが、追うか」


二人は影の後を追いながら、最初の小さな契約のために立ち寄った小村に到着した。

村は、影に怯える住民たちで活気が失われていた。

リオは村長と短く言葉を交わし、契約条件を確認する。

「村の周辺を監視する代わりに、少額だが報酬を支払う」

リオは契約の詳細を読み上げ、カイルは契約の魔力の補助役として手をかざす。


影が再び姿を現した。

村人たちは恐怖で震えるが、リオとカイルは落ち着いて対応する。

リオの糸、カイルの幽霊能力、二人の力が絡み合い、影を捕縛。村人たちの安全は守られた。


「やれやれ、これで少しは刺激になったか……」リオはため息をつく。

カイルは笑いながら、リオの肩を叩く。

「もっと面白くなりそうじゃん!」


だがリオの目には、影を操る者の気配がかすかに残っているのが見えた。

——あの影は、単なる手下ではない。

何か大きな計画の一端だと、リオは薄々感じていた。

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