壊れる戦い
《アイスランス!》
右手に一本の槍を作り由佳莉さんに突っ込む!
ガキィン!
先ほどとは違い壊されずにつばぜり合いに持ち込むことが出来た!
《アイスホールド!》
「!!」
ガガガ!!
そのまま拘束をしようとするも竹刀を振り回して氷を破壊され距離を取られる!
「・・・レイトさん、何で・・・?」
由佳莉さんは俺に敵意を持って攻撃をされたのがなぜか分からないようだった。
「あなたは今疲れているんです。だから止めます!」
「・・・・・・。」
槍を構えても由佳莉さんは構えず虚ろな目でこちらを見ている。
「そうなんですね・・・。レイトさんはやつらに洗脳されてるんですね・・・。」
ぶつぶつと独り言を言っている由佳莉さん。いや、
「どうやったら元に戻せるんですか?」
誰かと話してる?でも周りには誰もいない。
「わかりました・・・。」
再度こちらを見てくる由佳莉さんは笑顔に変わっていた。
「レイトさん!私が元の世界に戻してあげますからね!」
ドォン!!
由佳莉さんが一瞬で距離を詰めてきた!
「くっ!」
何とか槍で受けるも、由佳莉さんの攻撃が強くおされてしまう!
「はぁぁぁ!!」
ガガガガガ!!!
由佳莉さんの連撃が止まらない!!槍を何本も破壊され氷の壁も直ぐに破壊されてしまう!!
「由佳莉さん!正気に戻ってください!」
「私は正気です!」
ゴガガ!!
(反撃出来ない!)
少しずつ押し切られ俺の体に傷が増えてくる。でも
(なんで手足だけ?)
傷は手足に限られていて、動かすのはきついが気を失うことはなさそうだ。
「ふっ、ふっ。」
痛い腕を上げてなんとか槍を構える。
「レイトさん!」
ガッ!
由佳莉さんの攻撃はどんどん激しさを増していく!笑顔なのは変わらないが力が強くなり、速くなっている!しかし一番変わっているのは、
「もう大丈夫ですヨ!!」
言葉だ。
「私が救いますからネ!」
こちらの問いかけに対する返答がおかしい。
「由佳莉さん!攻撃を止めてください!」
「私は大丈夫でス!あなたはここで待っておいて下さイ!」
俺の動きを止める為に四肢に攻撃を集中してるのか。だが何故か彼女の腕や足から出血が始まっている。俺の攻撃は当たっていないのに・・・。
「あなたの主人は私が殺しまス!」
「殺すって、マスターは強いんですよ!?俺達じゃ相手にならない!」
「大丈夫でス!秘密道具をもらってまス!これがあれば誰でも殺せル!!」
「秘密道具??」
(まさかそれであの爆発も?)
由佳莉さんの発言の裏を考えていると後ろで
バリィン!!
氷の壁が割られる音が聞こえ、視線を向けると
「ウォォォォォ!!」
「ガァァァァァ!!」
巨大な龍と巨大な蛇人族が絡み合いながら倒れこんできていた。




