巨獣の猛攻
《アイスランス!!》
ガギィ!!
正面から氷の槍を放つも鱗に弾かれ傷を与えられない。
「硬い!」
「・・・。」
《アイスランス》
ザシュ!!!
「ギャボァ!」
俺のより大きく数も多い槍を生み出したマスター。その攻撃は巨体に突き刺さったものの
「ギョァァ。」
身震いで槍を落とされてしまった。
「刺さっても効果はなさそうですね。」
「そうっすね。凍らせても動いちゃうし、どうしましょう。」
「ギャボォォ!!」
「後ろへ!」
ドォォン!
腕の振り下ろしを避けて後ろへ飛ぶ。
「速さで翻弄して至近距離で魔法を叩き込みましょう。」
キィンと高い音がしたとともにマスターの右手にはいつぞやの槍が握られていた。
「それって、たしか魔具?」
「はい。これがあれば少しの時間で高火力の魔法が放てます。あなたは隙を見つけて体勢を崩させてください。」
「はい!!」
《アイスランス!》
気合を入れ、槍を手に巨体に向かって走る!
「ギャボァァァ!!」
「ふっ。」
俺に向かってくる腕を何度か避けて胸のあたりに潜り込む!
「うぉ!」
槍を投げ込もうとした瞬間胸から茨が出てきた!何とか避けられたが、また腕の攻撃範囲に入ってしまった。
「体中から茨を出せるのか!」
振り上げた腕から茨が出てきてこちらに向かってくる!
《アイスシールド!!》
ドドドドドド!!!
「あぶねぇ!」
氷の盾で茨を防ぎきることが出来たが、次の動きは敵のほうが早かった。
「ギャォォ!!」
腕の振り下ろしが俺めがけて降ってきて、盾で辛うじて受け止める!
「うぉ!」
(身体強化魔法が無かったらぺちゃんこだった!!)
「ガァ!」
更に押し込まれて体が折れそうになった時
《ダークスラッシュ》
「ギャォォォ!!」
痛そうな咆哮が聞こえたと思ったら敵の体が仰け反っていて、その体には大きな切り傷が出来ていた!
「あんなに硬かったのにどうやって!」
「私の闇魔法です。」
後ろからマスターが並んでくる。
「闇魔法は氷魔法より攻撃力が高い魔法が多いので硬い敵によく使います。」
「なるほど。」
「あなたもいずれ使えますよ。」
「精進します。じゃあ、俺があいつの動きを止めます。」
「では私が攻撃を。」
マスターからの返答を受けて走り出す!




