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それぞれの真実

「うぉぉぉぉ!!!」


俺は今地面に空いた大穴を落ちている!空中で起こった爆発は俺の体を地面にめり込ませた。と思った次の瞬間地面が無くなった感覚があり体が落ちていったのだ!


ドゴォ!!


「うっ、ふぅぅ。」


背中から落ちて衝撃が体中を襲う。魔力を込めて少しは身体強化が出来ていたはずだがそれでも体中が痛い。そのまま上を見ると大穴の中には茨のようなものが張り巡らされている。うまくその間を落ちてきたようだが上のほうでは皆が戦っている。


「い、たた。」


体を回し何とか起き上がろうとする。しかし目の前に何かの足が見える。


「?」


見たことあるような足を見上げていくと、


「・・・・・・。」


上にいるのより更に小柄な蛇人族がいた。


「うわぁ!痛ったぁ!」


思わず後退りをするが背中が痛く直ぐに止まってしまう。しかしその人影は動かない。


「?」


よく見ると周りにも蛇人族がいるがどれも動かない?


「なんだ?」


立ち上がり周囲を見渡すと中心に何かがあった。


「あれは、花?」


背丈ほどの大きさの一輪の花だった。


「この世界にはこんな大きな花があるのか。」


おそるおそる触る。その瞬間。


バッ!


触った場所から棘が飛び出てきて俺の手に傷をつけた!


「痛ぁ!」


のけぞり手を確認しているとき何かが俺を押し倒した。


「蛇人族!?」


先ほどまで動かなかった蛇人族が地面に押さえつけてきた!その後ろでは花がゆっくりと開いている。


《アイス》


「・・・タス、ケテ。」


目の前の小さな蛇人族が言葉を発した。


「え?」


「タスケテ。」


その目からは涙が出ている。


「話せるの!?」


「チチウエヲ、ミナヲ、タスケテ。」


「助けるって・・・上の戦いで?」


「タタカイ、デハナ」


ドゴォ!!


続きを話そうとした時俺を押さえつけていた蛇人族が横に吹き飛ばされた!


「玲斗さん!大丈夫ですか!!」


「由佳莉さん!」


彼らを蹴散らしたのは上から降ってきた由佳莉さんだった。竹刀を持つ手が血でにじんでいる。一緒に穴に落ちたはずだが途中の棘で止まって戦っていたのだろうか?


「今こいつらを殺しますからね!!」


「由佳莉さんストップ!」


走り出そうとした彼女の袖を掴んで止める。勢いが凄く、少し引っ張られてしまうが反動を利用して前に出る。


「玲斗さん!何故ですか!!」


「この蛇人族は話せました!何か今回の襲撃の事を知っているかもしれません!」


「でもあなたを殺そうとしてました!」


「でも今は待っています!話そうとしてるんです!」


由佳莉さんが吹き飛ばした後、立ち上がった彼らはこちらを見ながら止まっていた。


「機をうかがっているんです!先に攻撃しなきゃ!」


俺を抜いて竹刀を振りぬいた由佳莉さん。


ドキャァ!!


急いで前に出て氷の槍で受け止める!


「玲斗さん!何故ですか!」


「彼らは上の連中とは違います!話を聞きましょう!」


「玲斗さんは化け物のことをわかってない!!!」


初めて聞いた他人の激怒。力を緩めると俺まで吹き飛ばされてしまいそうだ。


「由佳莉さん?」


「玲斗さん!やつらは私達とは違うんです!やつらはあいてを殺す事しか考えてない!止まっているのは私達を戸惑わせる作戦です!やつらは化け物なんです!」


声を荒げる由佳莉さん。


「化け物って、確かに俺達とは違いますけどこの世界ではそれが普通じゃないですか。」


「私達とは違うから殺さなきゃいけないんです!!」


「・・・どうしたんですか。確かに早く元の世界に帰りたいと言っていましたけど、そんな魔族を毛嫌いはしていなかったでしょう?」


「玲斗さんはやつらの本質を知らないからそう言えるんです!」


力が抜けてしまった俺を由佳莉さんが竹刀を構えながら抜いていく。


「私は彼女にそれを教えてもらいました。後で玲斗さんにも教えてあげます。」


無抵抗の蛇人族達を殺していく由佳莉さんを俺は止められなかった。それほどまでに彼女の気迫はすさまじいものだった。


「・・・・・・。」


だから上からの視線に気がつかなかった。


その後俺は直ぐに穴を出ることとなった。由佳莉さんの攻撃で穴が崩落しそうになり二人で急いで出たのだ。出た瞬間崩落が始まり全てが土に埋もれてしまった。マスター達に穴の中で見たことを伝えた。あの蛇人族達、言葉を話したこと、そして一輪の花。由佳莉さんの攻撃性の事だけ伏せて伝えた。マスター達は直ぐに穴を掘ろうとしたが蛇人族の襲撃が激しさを増したことと穴を掘っても周囲の地盤ごと崩れてしまう可能性があった為なくなく撤退となった。

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