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大規模戦闘!

それから蛇人族との戦いが始まった。討伐部隊と共に戦っていったが敵の猛攻は収まるどころか激しさが増すばかり。俺達が戦いに加わったことで蛇人族の体が爆発するようになったようでミールさんは「私の仕事が出来るでゲス。」と言って喜んでいたが、龍人族の人達は怪訝な目を俺とマスターに向けていた。何日も戦いが続き、時には城に戻れず野宿を行いその時にリザードマン達が攻めてきたこともあった。時には俺の魔法で殺してしまうこともあり、戦いが終わった夜には一人で祈った。こんなことで許されるわけではなく、俺の自己満足なのはわかっているけど、それでも毎回するようにしている。マスター達は当然のように対応していたがその中で由佳莉さんもそつなく対応していたのには驚いた。戦いが続き疲労がたまっていったがそんな中で気を張れたのは由佳莉さんのおかげだ。二人きりの時に元の世界の話をしていた。学校の事、芸能人の事、お互いの趣味の事。マスター達に言えないようなゲームの事も話したりした。ただ戦いの最中に由佳莉さんの事を怖いと思ってしまう時があった。敵を殺す覚悟は聞いたがそれとは違う何かを感じた・・・。俺は帰れなくても良いと思っているけど、由佳莉さんは帰してあげたい。方法が分からないながらもそんな事を考えていた時、俺達四人は城に呼び戻された。


「サリヤ殿。呼び戻して申し訳ない。新事実が分かりましたので共有をと思いまして。」


王座の間に入ったらゼール王からそう切り出された。


「新事実?」


「彼らの神出鬼没の理由がわかったのです。ウォルト殿。」


「はっ!今まで蛇人族が襲撃してきていたのは森の奥地からで拠点などがわかりませんでした。しかし先日土の中から跳び出てくる蛇人族を見つけた者がいたのです。その辺りを調査したところ彼らが通れるくらいの洞窟が掘られていました。」


「土の、中から?」


マスターとシルビアさんは驚いているが俺たちは何がおかしいかがわからない。


「レイト様、ユカリ様。蛇人族は土に潜れない生物なんでゲス。爪は土を掘るのに不向き。土魔法はもちろん使えない。そんな彼らが土に潜るってだけで異常なのに洞窟を掘って移動しているってありえないんでゲスよ。」


ウォルトさんの横にいたミールさんが補足説明をしてくれた。


「なるほど。じゃあそこに入っていけば本拠地がわかる?」


「残念なことにその洞窟は蟻の巣のように張り巡らされており、内部に迎撃に行くのは難しいです。」


「そうなんですね。」


「洞窟を掘れるということはこの城の地下にも来れる可能性があるということ。城壁に沿って張っている結界を土の中まで延長できないかメイガス殿に確認をお願いしている所です。」


「なるほど。それでこれからはどうするつもりで?」


「ディスブル国の皆様に協力してもらい洞窟の先を探っていく予定です。恐らく探索を開始しようとすると蛇人族が襲撃してくるでしょう。サリヤ殿らにはそれの迎撃をお願いしたい。」


「わかりました。」


-----


「私から離れないように!!」


「り、了解です!!」


予定の場所で探索を始めようとしたとき、蛇人族の大群に襲われる事態となった!


《アイスボム》


マスターの一撃で突撃してきた蛇人族が吹き飛ばされる!だがしかし増援が周囲から、そして土の中から飛び出してくる!


「シルビアさん。」


「はい!」


《ウォーターウィップ!!》


シルビアさんの杖から大きな水の鞭が飛び出て敵を薙ぎ払っていく!!


「地面からも蛇人族が出てくる。やはり彼らは穴を通って襲撃をしてきていたようですね。」


「じゃあこの襲撃は洞窟の先を探索させないために?」


「そうでしょうね。特にこの力の入れよう。この近くの洞窟の先に何かあるのでしょう。」


「なら尚更頑張らないと!」


《アイスランス!!》


氷の槍を作り目の前の蛇人族を倒していく!


「ギ、ギァァァァァァ!!」


何体か倒したところで一体の蛇人族が雄たけびを上げた。戦場全体に鳴り響くような大きさだ。


「え?」


その個体に眼を取られた時、更に奇妙なことをし始めた。


「ガゥ!!」


周囲の生きている蛇人族を食べ始めたのだ!


「なっ!」


「ガゥ!!ガゥ!!!ガゥ!!!!」


何体もの蛇人族を食べたところで動きが止まった。いや、体がぼこぼこと隆起している!


「ガァァァァァ!!!」


その隆起が大きくなり、蛇人族の体そのものが大きくなる!その大きさは来るときに見たドラゴンをもしのぐ大きさとなった!更に体から茨の様なものが生えてきている!


「そんなのあり!?」


「他の魔獣も同じことを!来ます!」


シルビアさんの言う通り別の蛇人族も同じことをし始めて、大小入り混じった蛇人族の大群となり襲いかかってくる!マスターやシルビアさんと離れてしまった。


「うぉ!」


《アイスシールド!》


それぞれの蛇人族が連携をとりながら攻勢を仕掛けてきた!茨もうねうねと動いて攻撃に使われている!先ほどまでは優勢だったのが今では防戦一方になってしまっている!


「はぁ!!」


目の前の大型蛇人族が竹刀によって吹き飛ばされる!


「玲斗さん!大丈夫ですか!」


「大丈夫です!」


「あんなに気持ち悪い変身をするなんて!根絶やしにしなきゃ・・・!」


「ゆ、由佳莉さん?」


「はい!どうかしましたか?」


先ほどの暴言とは一転、いつもの笑顔で話しかけてくる。その落差が俺の心にもやもやを実らせた。


「玲斗さん!後ろ!」


笑顔を消して俺の後ろを睨みつける由佳莉さん。振り向くと巨大化した蛇人族が爪を立て腕を振り上げていた!


「うぉ!」


《アイスランス!》


ガキィン!


辛うじて受け止めたところを


「死ね!」


由佳莉さんが竹刀を胸に突き刺した!


「グ、ァ。」


上に吹き飛んだ魔獣は少しの言葉を残し。


ドォォォン!!


周囲を巻き込む大爆発を起こした!!

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