ピクニックが如く
昨日の二人組が逃げた後、俺たちは直ぐに城に帰ってきた。出発した時と雰囲気が違ったのか、ティーナさんやメイガスさんが心配してきたがマスターが
「久々の戦闘で疲れたみたいですのでそっとしてやってください。」
とかばってくれた。その一言でアイリスさん達もくることはなかった。一晩中ご飯も食べずにずっと考えていたが、答えは出なかった。俺は違う世界に来たということをやっと実感していた。戦う理由、相手を殺さなきゃ生き残れない世界。・・・俺はこの世界で、
「ねえねえ。」
とずっと考えていたら突然声をかけられた。ばっとそちらを見るとクロア君が心配そうに俺を見ていた。その後ろではアイリスさん達やマスターもこちらを見ている。朝からずっと考え込んでいてとりあえずマスターの後ろをついて行っていたらいつの間にかクロア君たちと合流していたようだ。
「あ、ああ。大丈夫だよ。」
自分でもわかるくらいぎこちない笑顔をして返す。
「そう?ならいいけど・・・。」
「なんだぁ?疲れてんのかぁ?」
「うーん、大丈夫ならいいけどねぇー。」
「・・・そうだねぇ。」
三者三葉のリアクションをしてくる鬼達。ぎこちないのはばれていないみたいだ。
「さて、今日はこのメンバーで一緒に行こうか。」
「かまいませんけど、なぜです?他のチームも昨日より多い人数で出向いていたようですが。」
「ああ、姫達は気付いたかい?昨日地響きが多くあったんだ。」
「・・・ありましたっけ?」
「いえ。あったことすら気が付きませんでした。」
「んんー、場所によって違ったのかな?ともかくその後魔獣が強くなるし、地割れは起きるしでどこも大変だったんだ。」
「だから大人数で対処していこうってわけ!いやー、私的には姫と一緒に慣れて良かったけどね!」
そういいながらサリヤに抱きつくニーナさん。ほんとに大好きなんだな。
「では向かおうか!我々の戦いへ!」
どこかに向けて指をさすアイリスさん。その後ろではニーナさんとクロア君がおーー!と拳を挙げている。姉弟仲も凄いな。
人物紹介
ニーナ
鬼人族の次女
21歳
185cm
黒髪右サイドテール赤目
無口だが力自慢




