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初めての魔法

レイトさんが前に出て魔力を込め始めた。まだ修行を始めたてというのは聞いていたけれど魔力を使うのが遅い。ユカリさんは直ぐ使えるようになったけど個人差があるのかな?


「サリヤさん。レイトさんは大丈夫でしょうか?」


「大丈夫ではないでしょうね。」


「「えっ!?」」


思わずサリヤさんを見てしまう私とユカリさん。


「初めての実戦ですし、ユカリさんのように元々体を動かすことを得意としていなかったようですしね。」


「じゃ、じゃあいきなり戦うなんて無理なんじゃ・・・」


「私だって初めての実戦はいきなりでしたし、最悪助けに入るから大丈夫ですよ。」


「それは、とうぜんそうですけど・・・」


ドゴォ!!という音と共に冷気が流れてきて慌ててレイトさんの方を見ると、レイトさんの前に巨大な氷の塊が出現していた。全体が見えないほど大きくかるく先ほどまでいたサラマンダーの群れを飲み込むほどには大きい。


「えっ!?いったい何が!?」


「・・・魔力が暴発した?」


「ていうか誰も見てなかったの結構ひどかったですね・・・」


一瞬間があった後糸が切れたようにレイトさんが崩れ落ち・・・そうになってユカリさんが高速で支えた。


「!つめた!マスター!サリヤさん!これって大丈夫なんでしょうか!?」


レイトさんのおでこを触ると氷のように冷たくなっていた。


「・・・サリヤさん。これは・・・」


「魔力の暴走でしょうね。サラマンダーが飛び掛かってきた時に拳に魔力を纏って攻撃しようとして氷が出たみたいですね。まあ、攻撃しようとしたというよりはびっくりしたように見えましたが・・・。」


あら?サリヤさん私達のこと見ながら話していたような?そんなことまでわかってるなんてサリヤさんなんだかんだ。


「でもそんな暴走することってあるんですかね?」


レイトさんのおでこを撫でて暖めながらユカリさんが聞いてきた。


「確かにユカリさんの時は暴走なんてなかったですね。」


「ユカリさんは元の世界でも戦闘を行っていたんでしょう?」


「まあ、戦闘というか試合ですけど・・・。」


「敵が襲ってくることになれていたかいないかの違いでしょう。」


「確かに玲斗さんは武道などはやっていなかったみたいですしね。」


それで驚いて暴発してしまったと・・・。それでもこれは・・・


「こんな巨大な氷を作るほどの魔力をレイトさんは持ってないはずですけど・・・。」


「そうなんですか?」


「現在、彼は私の魔力を使って魔法を使っていますがここまでの魔法を打てる魔力は減っていません。」


「えっ?じゃああの氷の分の魔力はどこから?」


「・・・」


「と、とりあえず戻りませんか?玲斗さんどんどん冷たくなっている気がするんですが・・・。」


「それは大変です!とにかく戻りましょう!」


それからレイトさんを客間に寝かせた後もサリヤさんは口を開かず考え事をしているようでした。


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