表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/110

夢を見る時間

⦅きゃぁぁぁぁ!!⦆.


魔法が突き刺さった背中から血がにじみ出ている。エキドナは動けなくなっているが


「っはぁはぁ。」


サリヤも右腕の痛みで動けていない。


⦅何でワタクシの体がこんな魔法に貫かれるの!!⦆


エキドナの背後にオネイロスが現れたが明らかに先ほどよりも小さい。更にエキドナの体が再生を始めるが再生が遅い。


⦅夢が少なくなってるのぉ!?絶望が少なくなってるぅ!!⦆.


エキドナが外に目をやった。戦火に飲まれている城下町。いたるところで煙が上がっているがその中で少しずつ


「レイト?」


誰かの魔力が使われているのをサリヤは感じた。


-----


「はあああ!!」


ドシュ!!


レイトは王宮へ向かうのではなく、城下町の式神退治をしていた。王宮へ向かっていたのだが、龍人族達を助けているうちに式神退治にシフトしていったのだ。


「レイト様!!」


「そっちは大丈夫ですか?」


「はい!レイト様が来て下さらなかったら式神を倒すのが遅くなり、救助も遅くなるところでした!」


当初は人間という事で警戒していた龍人族達だったが、怪我をしながらも式神を倒し龍人族を助ける姿に一先ず安心したようで今は共に救援に回っている。龍人族の魔法は龍への変身魔法と炎魔法。彼らの炎魔法は火力が高く範囲も広い一方細かい制御が難しい様で、敵が小さい式神で市街地かつ敵味方入り混じっている現状では使いにくいようなのだ。


「ディスブル国の方々が救援に来て下さったおかげで救助が順調に進んでおります!更にはレイト様が我々を助けてくれていることを避難場所に行った市民が話しているようで、人間への恐怖が少しづつ緩和されているようです!」


「それは良かったです。」


レイトは今も足元がふらついている。それでも式神を倒せていたのは龍人族の援護あってのものなのだが少し違和感を覚えていた。


(式神の強さに波があるような・・・。さっきまでは強くて、今は弱い・・・。)


真剣な顔で考え込むレイトを見て心配になったのか


「大丈夫ですか?やはり怪我を手当てする為に避難場所に行った方が良いのでは?」


「いえ。俺が避難場所に行ったらまだ人間が怖い方を怖がらせちゃいますからね。俺はまだ大丈夫です。」


「分かりました。全力で援護いたします!」


彼の後ろにいる龍人族もレイトを見て決意を固めている。


「ありがとうございます。」


レイトは腹の傷に手を当てながら王宮に空いている大きな穴に目を向けている。


「ゼール王は大丈夫でしょうか・・・。」


レイト達がいる場所からは玉座の間で起きていることは見えていなかった。


「マスターやお父さんが行っているはずですからきっと大丈夫ですよ。」


心配そうな顔をしている龍人族に今度はレイトが励ましの声をかけた。


「そ、そうですよね!他の場所は心配ですが我々に今出来ることをしないとですね!」


「その通りです!」


「レイト様!向こうに住民が逃げ遅れているようです!」


「分かりました。行きましょう。」


次の戦場に向かうレイトの頭の中にはある人物の顔が浮かんでいた。


(シルビアさんは、大丈夫かな?)


-----


⦅ぐぅぅぅぅ!!!⦆.


玉座の間にいるエキドナは傷の治療にかなりの意識を割いている。


「今なら、殺せる!」


サリヤは痛みに耐えながら立ち上がりエキドナに近づきながら左手を向ける!


⦅ま、まだよぉ。もう少し時間があればぁ!⦆


.「無理ね。外の戦いが終わるのも時間の問題です。私の使い魔が式神を掃討しますから。そして貴方もここで終わりです。」


《アイスランス》


大きな氷の槍がエキドナを貫いた!!


⦅がぁぁ!!⦆.


断末魔が響き渡った。更に幾本かの氷の槍が追撃に飛んだ!


⦅こうなったらぁ!使ってやるわぁ!!⦆


《エクスプロージョン!!》


エキドナが叫び唱えた魔法は彼女を中心に大きな爆発を起こした!


「な!!」


爆風は届かなかったもののサリヤの槍は吹き飛ばされる。そして煙が晴れ中心には


⦅っはぁっはぁ。⦆


火傷まみれのエキドナが横たわっていた。


「お母様の魔法?でも、制御できていない?」


⦅はぁぁ!⦆


ドシュドシュ!!


エキドナの背中から針が飛び出して壁や天井に突き刺さっていく。


《エクスプロージョン!!》


魔法を使用したかと思えば飛ばした針、そしてエキドナ自身が爆発を起こした!


ドォン!!ガラガラガラ!!


《アイスドーム!》


壁や天井が崩れて龍人族達を覆いつくそうとした時、サリヤが氷のドームで彼らを覆い守った。玉座の間は一部と言わず天井までもが空が見える構造になってしまう。


「サリヤ!」


ドルファスが駆け寄ってきた。


「お父様!大丈夫ですか!」


「ああ。球体が突然勝手に壊れた。エキドナはどうした?」


「爆発魔法を使ったと思ったら自爆して・・・。」


「自爆?」


⦅ふふふふふ。やっぱり、出てきちゃった、のねぇ。⦆


煙が晴れた先には息も絶え絶えで横たわっているエキドナがいた。全身火傷まみれで背中の針は全て無くなっている。


「何がしたいの??」


⦅言ったじゃなぁい。時間が、あればってぇ。⦆


「時間稼ぎが目的なら失敗だな。直ぐに終わらせる。」


ドルファスが右手をエキドナに向けた。


《ダースランス》


巨大な黒い槍がエキドナに向かって飛んで行く!


⦅時は、来たのよぉ!!!⦆


エキドナに槍が当たる瞬間


ドシュ!!


何かが間に割り込み槍を潰した。人間のような体、長い銀髪に所々に水色の鱗がある少女。


「シルビア、さん?」


それは虚ろな目をしたシルビアだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ