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戦いへ

少女を地面に着き飛ばし、彼女がいた場所に入れ替わったレイト。体の大きさの違いで後ろからの式神の牙は右脇腹に食い込み、龍人族の爪はレイトの腹に突き刺さった。


「なっ!」


爪を突き立てた者が驚き爪を抜くも、レイトは動かない。そして数瞬後


「いたい。」


呟くと共に氷の槍を出し、脇の式神に突き刺した。式神は力なく地面に倒れ、レイトもまた倒れこんだ。


「大丈夫!!?」


それをカンアが抱きとめたが身長差でレイトが覆いかぶさる形となった。


「ありがと。」


不自然な形で頭を撫でて何とか立ち上がったレイト。その体はふらついている。


「ごふっ。」


そして口から血を吐き出した。


「お、お兄ちゃん!?」


「大丈夫。」


血をぬぐい爪を突き刺してきた龍人族を睨みつけた。


「くっ!」


戦闘の構えをとる龍人族達だった。レイトは少し見続けていた。


「「「がぁう!!」」」


そこに彼の後ろから式神が襲い掛かってきたが、


ザシュ!!


見向きもせずに氷の槍を飛ばして倒してしまった。


フイ


そして踵を返して王宮の方へ歩き始めた。ひょこひょこと拙い歩き方になっている。


「ど、どこ行くの!?」


「この国を助けに来たから・・・。敵を倒しに行かなきゃ・・・。」


「!!やっぱり助けに来てくれたんだよ!」


レイトの言葉を聞いたカンアは嬉しそうに大人達に振り向いた。


「助けに、だと?ふざけるな!人間などに守られてたまるか!!」


「うるさい!!!!」


足を止めて怒りが戻った龍人族よりも大きな声を出したレイト。龍人族は押し黙ったがレイトの腹から血が出てしまった。


「前のだって由佳莉さんが全部悪いわけじゃない!今回だって俺がこの式神を連れてきたわけじゃない!でもあんた達に言っても聞いてくれないでしょ!!だから敵を倒して証明するの!!」


声を荒げ叫んだレイトだったが、少し龍人族達を睨み冷静になったのか再度歩き始めた。


「じゃあ、けがの治療をしてからでもいいんじゃない!?」


カンアがそう叫ぶも。


「いいよ、急がなくちゃいけないから。」


歩きを止めない。その歩き方では戦えないのは龍人族達から見て明らかだった。


「な、何で。その傷で戦いに行こうとしてるんだ・・・。」


「何で?」


振り向いたレイトの口には血が流れていて、龍人族の大人達は言いえぬ恐怖を感じた。


「何でそんなこと聞くの?・・・何でだろ?由佳莉さんが悪者にされてるから?サリヤに王宮に行くって言われたから?」


頭を揺らすレイト。そしてカンアを見てはっと気づいた表情に変わり。


「体が動いちゃったからだ。」


そう言ってレイトはまた歩き始めた。すると


「ぐわぁぁ!!!」「ぐぅぅぅ、爪が通らないだと!!!」


どこからか二体の龍がレイトの前に飛ばされてきた!龍達は体を起こし戦おうとしている。が、レイトの事が目に入ったようで


「人間か!!」「なぜここに!!」


彼に向けて敵意をむき出しにした。しかし体を起こす前に龍が飛ばされてきた方向から


「ギャワァァァァ!!」


龍ほどに大きな式神が飛び込んできた!その勢いのままに龍に飛び掛かる!


「ぐうぅ!!」


体勢が整っていない龍が顔だけ向けて炎を吐こうとしたが


ザシュ


それよりも早くレイトの氷の槍が式神を貫いた。


「なっ。」


そのあっさり感に驚く龍達。そんな二匹の間を歩いて抜けているレイト。


「お、おい。」


拍子抜けした声で歩くレイトに声をかけるが、彼は振り向かない。


「うるさいなぁ。」


片手で頭を押さえて歩いて行った。


-----


「ゼール王!」


敵に邪魔をされながらもドルファスとサリヤは玉座の間にたどり着いた。その体に傷は無いが、所々に返り血が付いている。部屋の中は激しく損傷しておりここでも熾烈な戦いが起きたことを示している。床にはゼールを含めた龍人族達が倒れていた。そして


⦅あら?貴方がたはワタクシの宴には呼んでいないのだわ。⦆


玉座の上には大きなハリモグラのような魔族が横たわっていた。玉座に座れる大きさではない。大柄なドルファスよりも大きく、立ったら頭が天井まで届きそうだ。背中の針には所々エンシェントラフレシアが生えている。


「ハリモグラのような見た目にエンシェントラフレシア。まさか、エキドナ?」


⦅そおよぉ。初めましてぇ。⦆


「エキドナ。ミナと行動を共にしているという三魔神と呼ばれている古き魔物の一体か。」


⦅その呼ばれ方は不愉快だわぁ。あの女に使われてるわけじゃないしぃ。⦆


「ほう?ではこの国には何故来たのだ。」


⦅貴方達に言う必要なんてないわぁ。宴に呼ばれていない無礼者は早く帰ってねぇ。⦆


「ふん。無礼者は貴様の方だろう。やるぞサリヤ。」


「はい。」


親子が戦闘態勢に入る。その構えを見てエキドナがゆっくりと起き上がった。


⦅そっちの娘は殺すなって言われてたけどぉ、まあいいかぁ。もお関係ないしねぇ。⦆


エキドナが体から魔力を放出したのが開始の合図となった。


《ダースランス》


ドルファスが黒い槍を持ってエキドナに突っ込み


《アイスランス!》


その後ろからサリヤの氷の槍が追い越してエキドナに向かった!


⦅ふふっ。⦆


だが不敵に笑ったエキドナの体に当たって氷の槍は一切の怪我を与えられなかった!


「なっ!?」


「ふん。」


次にドルファスが槍を突き立てるもダメージは無い。


ガキィ!!


エキドナがその場で回転してドルファスを弾き飛ばした!一回転で槍は崩れてしまいドルファスも後ろに吹き飛ばされる。


⦅やぁ。⦆


ドシュドシュ!!


更に気の抜けた声と共に高速で回転し何個かの物体をドルファスに向かって射出した!


《ダースウォール》


直ぐに黒い壁を出しそれを防ぐが


⦅残念ねぇ。⦆


当たった瞬間白い空間が現れ壁を飲み込んだ!壁は無くなり追従してきた物体がドルファスに向かう!


「お父様!!」


《ダースランス》


飛んでくる物体と同じ数の槍を放ち当てる。壁と同じように白い空間が現れて物体と共に槍が消えてしまった。


「今のは、白い夢?」


⦅ああ、あなたはロンナで見てるんだったわねぇ。でも白い夢なんて言わずにオネイロスって言ってほしいわぁ。⦆


「オネイロス・・・。」


⦅そぉ。私の夢の具現化なのだからぁ。⦆


「夢の、具現化?」


「どういうこと?あの白い夢は魔族を閉じ込める物じゃないの?」


⦅ふふふ。くらってみれば、わかるんじゃなぁい?⦆


エキドナが再度背中をドルファス達に向けた。背中の針の先にエンシェントラフレシアが生え始め、更にそれらがむずむずと蠢いている。


「打ち出してきていたのはエンシェントラフレシアだったか。あの花には当たるな。あれを避けつつ奴が無傷なわけを探るぞ。」


「はい!」

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