表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アニーの拳  作者: しいな ここみ
第一部 強き者たち
35/66

怪獣 vs 怪獣

「案ずるな、アニー」

 眉毛のない顔を笑わせ、大山バスタードは言った。

「ワシは人殺しではないからな、乗客も機長さんたちも無事だ。アンドレが日本にいることに気づき、途中で全員孤島に置いてワシが操縦してここまでやって来たのだ」


「なんだ、それなら……」

 アニーは冷や汗を拭うと、吐き捨てた。

「それでもだめだろっ!」


 バス・大山の姿を見て、アンドレ・カミュの動きが止まった。へたり込んだ指宿いぶすきを頭から喰らおうとしていたのをやめ、人間の言葉を発した。


「バス・オーヤマ……」


「久しぶりだなぁ、アンドレ」

 バスが『よっ』と手を挙げる。


「オドレとは決着つけるんがまだやったの……」

「ははは! 俺たちがまともにり合ったら地球が壊れてしまうぞ」


「おじさま!」

 ロレインがバスタードに駆け寄る。

「お願い、お父様を止めて! 暴走してしまったの」


 ロレインの顔を見て、バスの表情が険しく変わった。

 そのかわいい顔の真ん中を斜めに走る、醜い傷痕に、身体がわなわなと震えだす。


「ロレたん……」

 バスタードの顔が怪獣に変化した。

「アンドレぇーッ! ワシのロレたんの顔によくも傷をつけおったなァーーーッ!!!」


 元々怪獣化していたアンドレが咆哮をあげる。

 大魔神のごとく怒りの形相になったバスタードも天を揺るがす咆哮をあげた。


「殺し合うか、バスよ!」

「ロレたんはワシの嫁ーーーッ!」



「あの……。メイファン老師」

 遠くの席で満腹になったメイファンの横から右京四郎が声をかけた。

「ロレたんの顔の傷……。ララさんに頼めば治してもらえますか?」


「うーん……。どうだ?」


 メイファンが自分の中に聞くと、ララが下手くそなメイファンの口真似をして言った。


「時間が経ってるが……治せると思うぞ。やってみましょう」



「オドレオドレオドレ!」

 アンドレ・ザウルスの剛脚が天を揺るがす。


「コロスコロスコロス!」

 バスタード・ザウルスの剛腕が大地を揺るがす。


 二体の怪獣の出現に、長閑な別荘地はまるで特撮映画の舞台と化した。

 それを呆然と眺めながら、アニーが呟く。


「俺たち子どもは……どうやっても大人には敵わないのか……」


「ワシのロレたんを傷物にしおって!」

 怒り狂ったバスタードの鉄拳がアンドレ氏の顔に新たな傷をつける。


「もうあれはワイの娘やない! ワイのかわいいロレーヌはこの世からおらんくなってしもうたーーッ!」

 駄々をこねるようなミドルキックがバスタードの身をくねらせる。


 別荘に突き刺さっていたジャンボジェット旅客機が飛んだ。


 辺りの木々が薙ぎ倒され、地震が起きた。


 空は罅割れ、雷が鳴りはじめた。


 地球が真っ二つになり、世界は滅びた。




              (第一部 完)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
えええええ! 滅びてるんですけど!! ジョジョの6部みたいに世界が一巡するのか!?
>地球が真っ二つになり、世界は滅びた。 滅びた!? 次回から世紀末アニー伝説が始まってしまうのか!?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ