一日目「ラブコメ回と磔刑」8①
100日毎日小説チャレンジ、11日目です。
デート(?)も後半戦です!
左手に松明。右手に剣。
ソウルライクゲームのプレイヤーのような恰好でアンとエイトは下り一辺倒のダンジョンを潜っていく。
先陣を切るのはアン。暗がりに何か潜んでいないかと周りを警戒しながらのエイトとは正反対に、力強い大股と威勢のいい歌で闇を切り拓いていき、時々置いていかれるエイトが駆け足で追いかける。
ふとアンが声を反響させながら言った。
「なーんだ。『ちみもーろー』とか書いてあった割には何もいないじゃん」
「例えば……油断させておいて突然後ろからワッ! ……とか?」
「ふふっ、なにそれ? そんな子供騙し、この名刀マサムネでなます切りよ!」
そう言いながらどう見ても正宗ではない古びた西洋剣を掲げるアン。その足元から突如、コン――と硬く軽い音が響いた。
アンは肩を跳ねさせながら固まってゆっくり首だけで見下ろし、エイトも恐る恐る松明の火を地面へ向ける。
正体はRPGのダンジョンにありがちな、地面から顔を半分出した乳白色の頭蓋骨だった。
「っ――――――――くりした~~~~……」
「わぁ……怖……。こう暗いとバーチャルの低品質骸骨でも本物にしか見えないね……」
「何だお前ー!!! 驚かせやがって! 死んでるくせに! このっ! ていっ!」
「アン、いくらオブジェクト相手でもちょっと不謹慎だよ」
「だってエイト、こいつがーー!!!!!!」
相当驚いてむしゃくしゃしたらしい。白骨を上から踏んづけたり剣先を削りながら何度も武器を突き立てたりして、過剰に八つ当たりするアン。それをエイトが窘めていると、再び地面から石同士のぶつかるような音が幾つも聞こえだして、
「悪いのはあたしじゃなくてこいつだよ!? こいつが! こいつ、が……? ……………………へ?」
まず頭蓋骨が不自然な動きで起き上がり、土の下から指骨がずるりと這い出て地面を掴む。続けて頚椎や鎖骨、ろっ骨などが筋肉のない腕で勢い良く持ち上がって地上に現れた。そしてあれよあれよという間に人間の骨格標本のような二体の生きた骸骨が、転がっていた刀剣を手に二人の前に立ちはだかったのだ。
「がいこつせんし が あらわれた! ……って感じ?」
「――あだっ」
エイトはアンが尻餅をついている隙に前へ出ると、
「競争だからね。一体目は貰っちゃうよ!」
邪魔な松明を敵の足元に転がした。
グリップを両手で持って骸骨戦士目掛けて上段から何度も剣を斜めに振り下ろし、力で強引に相手の守りの構えを弾いた。そして一気に距離を詰めて、骸骨戦士の首――頚椎を切り飛ばす。
「やっててよかった、ビートセ●バー!」
頭蓋骨が宙を踊り、胴体が慌てふためく。壁際に転がった頭へ向かってとどめとばかりに右足を振り抜けば、エイトの想像通りそこが急所だったらしく、首から下が完全に脱力。周囲に骨をまき散らしてモンスターからただの人骨へと返った。
一戦目を無事に快勝してほくそ笑むエイト。しかし自分の得物は無事とは言えず、
「あ、刃こぼれが……。そうか、武器に耐久値があるのか。こりゃ一筋縄じゃ行かなそうだな」
そう言いながら、落ちている物から次の武器を見繕い始めた。
作中のダンジョンのイメージ元はダークソ●ルやエルデンリ●グですけど、実はVRChatにもソウルライクゲームが楽しめるワールドがあります!
(『WORLD OF THE SOUL』で検索してみてください!)
自分も行ってみたい……! けど時間もトラッカーもない!!!
ではまた明日!




