一日目「ラブコメ回と磔刑」7②
100日毎日小説チャレンジ、10日目です。
どうやら二人は何かを見つけたようです。
やがて磯で遊んでいた二人は岩礁地帯の傍の崖に横穴を見つける。
波で削られてできたと思われる古い洞窟。緩やかな下り坂から始まる入口の手前の空間に記述された説明書きを読むと、
「地下ダンジョン……?」
「えーっと、何々? 『ここはあの世とこの世を繋ぐ≪死の洞窟≫。魑魅魍魎が跳梁跋扈……」
「『ちみもうりょう』と『ちょうりょうばっこ』、だね」
「む……。えっと、『「ちみもーろー」が「ちょーろーばっこ」する地下ダンジョンを潜り抜け、見事最奥の怪物を倒した戦士達にはこの海岸の宝を与えん』だってさ」
ご丁寧に入り口脇には松明と古い剣が人数分置かれている。
試しに明かりをつけて奥に向けてみるが、異様な暗さが満ちて数メートル先が精いっぱい。石を投げたり声を出したりして確かめると当然中々に深そうで、探検し甲斐がありそうだと彼らに思わせた。
「全然見えない……どれくらいあるんだろ……」
「ふふん。もしかしてエイト君怖いの~~?」
「アン……は、こういうの大丈夫なの?」
「あたしは平気。よくソウルライク系のゲームやってるけど、こういう雰囲気のダンジョンばっかりだからねー」
「もしかして……僕を招待した理由って……」
エイトは目敏く『必要最低人数:二人』の表記を見つける。
「半分正解。イベントのお客さんからこういうワールドもあるよって聞いてねー。ゲーム好きの≪ぶいちゃ民≫なら挑戦するしかないでしょ!」
「先に教えてくれればこんなに悩まずに済んだのに……」
「へへへ~~~~。ドキドキした?」
「かなりね……」
茶目っ気たっぷりに笑うアン・ズー。可愛くて怒るに怒れないエイトは諦めて続けて尋ねた。
「じゃあもう半分の理由って?」
「それはまだナイショ。そんな事より早く挑戦しよ! 折角だし、目指すは完全攻略! 立ち上がれアン・ズー軍団!」
「二人だけの軍団かぁ……」
「あれれ~~エイト君。やる気がないみたいだけど……やっぱり怖い? 止めとく? エイト君が怖いなら残念だけど諦めようかな?」
エイトも美少女アバターを着ていても中身は成人男性。女性に煽られて情けなく引き下がる訳にはいかず、逆に挑発的に答えた。
「……いや、むしろ望むところだよ。僕だって伊達にゲームばっかりやってないんだ。というかアンこそ大丈夫? イベントで体が鈍ってるんじゃない?」
「おっ。言うねえ……! 確かにVRゲームとかは全然やらないし、≪まっぴるま≫じゃ座ってばっかりだけど」
「いっそのこと僕と勝負しない?」
「勝負?」
「そう。どっちの方がモンスターをたくさん倒せるかの競争。勿論ゲーマーなら逃げないよね?」
「……へ~~、いいじゃん。そっちの方が燃えそうだし! よーし、いくぞ野郎どもー!」
「おおーー!!」
いつもたくさん読んでいただき、ありがとうございます。
こう毎日書いていると、いつの間にか入れたいシーンとかエイトとアンの会話デッキが増えて、気が付くと全然話が進んでないという……ぐぬぬ。
ほんとはね? もっと早くにここに辿り着く予定だったんだよ? でも書いてて楽しくてしょうがないの……フヒたのし……
ではまた明日!




