一日目「ラブコメ回と磔刑」3
100日毎日小説チャレンジ、14日目です。
書く前からメモを見て寝落ちし、やばかった。
ユミィに逃げられてしまったエイトは早速、プロットの作成に入った。
《VRCh@》。いつも彼が入り浸っている深い森と焚火のワールド内の端で一人座り込む。ここが今日の彼の作業場所だ。
勿論、プロットを作るにあたりエイトはこのワールドにも《VRCh@》の友人にも特に用はない。だが日常的に動画サイトやSNSを見ている人が自宅で家事、ゲーム、仕事――何をするにも動画とSNSを見ながらの生活になってしまうように。普段からバーチャル世界に引きこもっている彼も同じく、バーチャル世界に用がなくとも《VRCh@》にログインしてから活動を始めるのだ。
久々の執筆。うまく書けるか分からない緊張もあるが、それ以上に年甲斐もなく心が躍った。
「ふぅー……よし。今日も一日がんばるぞい!」
「――ぷっ」
「『がんばるぞい』だって……」
彼もまたオタク故に無意識に発してしまった台詞を聞かれたのが思いの外恥ずかしく、流石にマイクはミュートする事にした。
さて、使い慣れた美少女アバター姿のエイトの目の前にはデスクトップ画面。そこに並ぶのは、かつてエイトが小説を書いていた時に使っていた作業環境だ。
お気に入りのイラストが背景のテキストエディタや、縦書きが可能な一風変わったソフト。オフィススイートの文章作成ソフトに有名検索サイトのクラウドサービス。ウィキアプリもあればプロット専用アプリもあり、単に付箋だけのツールを使ってきた時期もあった。もはやエイト自身も最後に書いた時はどれを使っていたのか覚えていない。
それぞれに一長一短があって十分程悩んだエイトは、最終的には結局使い古されたブラウザだけを残した。選んだのは彼にとって未知のツール――流行りの小説執筆専用サイトを検索。《N●la》というWEBでもスマホアプリでも編集可能な小説執筆専用サイトを使うことにした。なのだが、
「……何…………だと……」
手早く会員登録を済ませて使い始めたのだが、有難い事に《N●la》は小説初心者にも易しく出来ていた。ジャンル、タイトル、あらすじ、プロットなど。執筆に必要な項目は全て設定画面が用意されていたのだ。時間が押しているエイトにとってこれはありがたい。
しかしそれは逆に「執筆にはこれだけの事を考えなければならない」とすっかり忘れていた彼に痛感させるには十分だった。
当初彼が想定していたのは三ステップ。
一、どんな話を作るにもまずはアイディア。
二、一言でどんな作品かを説明するログライン。これはアイディアを元に考える。
三、ログラインを元に三幕構成のプロットを作る。
たったのこれだけだった。
なのに《N●la》は違う。
ジャンルは当然、タイトルも無論必須。それから作品のテーマやゴールも初めに必要だろう。マーケティング――どんな読者に向けた作品なのかも時には考えなければならないし、登場人物や世界観等の設定だって彼の書きたいジャンルであればなくてはならない要素だ。キャラクターを後回しにしてシナリオが先に完成し、後から大変な目になったのも彼には懐かしい思い出だ。
これだけの事を考えたうえで、ようやく小説というのは土台が完成し、書き始めれる。その事をエイトは失念していた。
対して今日と言う一日は既に残り十二時間を切っている。
「くっ……。やる事が……やる事が多い……!!」
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
作業環境、いつも悩みます。今回はNolaです。
今日もおやすみなさい! お風呂に入って寝ます!
私は明日を乗り越えれば休みなのでワクワクです!
三連休? どこにあるの?




