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一日目「ラブコメ回と磔刑」2.5

100日毎日小説チャレンジ、13日目です。

毎日がギリギリすぎる。(書いてる途中でだいぶウトウトしてました)

「ん……? 何の音だ?」

「……」

 

 エイトはどこかから軋んだような音が聞こえた気がして我に帰ると、ふとユミィが珍しく静かな事に気が付いた。


「あー、ごめん。知らない人の話ばかりされても困るよね」

「いいえ。なんでもないわ。それにしてもエイトは随分楽しそうな毎日を送ってるのね」

「うん。ほんとに毎日楽しいよ。今度ユミィにも《VRCh@》で色々紹介してあげるね」

「別にいいわよ。どうせ私はエイトにしか見えないんだもの」

「いやいや《VRCh@》は人だけじゃないからさ」


 アンの話に入ってからだろうか。つい興奮して色々と捲し立ててしまったのでユミィの気を悪くさせたかと心配したが、話してみるとむしろ彼女は今までになく上機嫌だった。優しい微笑みまで浮かべているので、勘違いかなとエイトが思い直していた所で、ユミィは全身を伸ばしながら退屈そうにこう切り出した。


「悪いけど、私はそろそろ休ませてもらうわ」

「え? ……もう?」

「ええ。久々に呼び出されて少し疲れたのよ。それじゃお休み」

「ちょ、ちょっと待ってよ……!」


 ユミィがいつ干したかも覚えてない布団へ猫の様に潜り込んでいくのをエイトはローブを引っ張って制止する。


「……何よ」

「さっき言ったけど、小説を書くんだよ!」

「あらそう」

「しかもこれから毎日! 何なら今日も!」

「へえ。なら起きた時の楽しみにしておくわ」

「というか今すぐにでもプロットを考え始めて、直ぐに完成させないと一話目書く時間なんてないよ!」

「勝手に一人で書けばいいじゃない」

「そんな事言わないで……!」

「私みたいな口煩いお邪魔虫なんかもういらないでしょ。エイト先生には可愛くてアンタの事が大々だーい好きなファン第一号がいるんだから」

「それって……アンさんの事……?」

「じゃあプロットができるまで起こさないでよね」


 そう言い残してユミィは布団の中に閉じこもった。


「何なんだよ……」


 そしてユミィに占領されたエイトの寝床。

 当然一人暮らしで誰も寝泊まりに来ない彼の部屋に代わりの布団があるはずもなく、暗に完成するまで寝るなと言われているかのようだ。いやエイトの中のユミィであれば言ってもおかしくはなかった。


「はあー……。何が駄目だったんだろ……」


 そう呟きながらエイトは部屋を歩き回る。散りばめられたヒント、誰でも分かりそうな原因にも彼は思い至らず。もっともエイトからすれば心強い仲間を呼んだつもりがそのままちゃぶ台をひっくり返された様な物で、混乱して頭が働かなくてもおかしくなかった。

 対して刻一刻と変化していくデジタル時計を見て、


「時間がもったいないや……とにかく考えよう。まずプロットを完成させるんだ」


 ユミィの姿は時間が停止していたかのようにエイトの記憶のまま、全く変わっていなかった。

 一方でエイト本人はすっかり自分は変わったと自負している。見た目の話じゃなく、心がだ。


「大丈夫、あの頃の自分とは違う。きっとユミィの力を借りなくなって……」


 そう自分に言い聞かせて鼓舞していく。

 それにユミィだってこの世界からいなくなった訳じゃない。きっとプロットさえ出来上がれば見直して出てきてくれるだろう、と。


「考えるぞ。閃け天啓、捻りだせアイディア。最高の、とびっきり面白いプロットを作るんだ! それでユミィを見返すぞ!」

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

今回は、本当なら前回にねじ込む話でしたが、尺と時間の都合で分けた物です。

でも改めて今日考え直すことができてよかった・・・。もっと重い話にしちゃうところだったので・・・


今日もおやすみなさい! お風呂に入って寝ます! みんなも夜は寝よう!

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