表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メタバースマルチバース 〜ユニバースディ〜  作者: 硝酸塩硫化水素
神々の愉悦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

97/459

ep95 邂逅(Open feeling)

疾走(はし)れ〜走れ奔れ〜、乱れぇ髪、弾む〜胸〜♫」


 ノリノリで陽気に歌いながらランデスを駆るディアは、メルボランチア大陸の荒野を走っていた。荒野である為、第一()()()は発見出来ていない。だが、今回のディアの旅は目的があるワケではなかった――


 ディアはただランデスと共に駆け抜け、今までに見た事のない壮大な眺望、想像を絶し言葉に詰まるような絶景、絵にも描けず一流宮廷画家が筆を折る程までに洗練された景勝地。それらを「出来うる限りランデスと共に自分の目で見たい」それがディアの望みだった。

 これは恐らくだが、アメリアの記憶が求めているのかもしれない。貧村に産まれ育ったアメリアは、不遇と言えば不遇の人生だった。だからこそ、果たせなかった望みを叶えたいと望むのは至極真っ当なコトと言えるだろう。

 とは言っても、アメリアは別に()()()()()()()()()のだが……。


「あれ?あそこで誰かが手を振ってますね。誰でしょう?わたしの知り合い……なワケありませんね。だって、今までにこの世界に来たコトありませんから」


 ディアの視界に映ったモノ。それは()()()()()()()()。人数は二人。何やらディア(自分)に向かって手を振っているとディアは思っているようだが、正確にはランデスに対してだろう。

 こんな何も無い荒野で見ず知らずのクルマに手を振る行為は、ヒッチハイク的な何かを期待しているか、はたまた強盗的な手合いだと考えられる――


 本来なら見ず知らずの惑星(世界)に於いて、初対面の人間に対しては警戒すべきと言える。だが仕事ではなく、開放的な(はっちゃけた)気分に支配されているディアにとって、相手が困ってそう……かどうかは分からなくても、「頼ってくれてるみたい?」と感じ取れればそれで充分だったのかもしれない。

 いや、「ランデスと共に走り回る望みはどうした?!」みたいなツッコミがありそうだが、それはそれ。これはこれ。


――キキッ

「どうかされました?」


「どうしよう、ぱいたん?本当に停まってくれちゃったよ?」


「……姉さん。だから興味本位で馬車に手を振るのはヤメてって言ったでしょう!」


「でも、ぱいたん。これ、馬車?」


 ディアは手を振られたから停まったワケだが、やはり危機感は無い。……が、そんなディアを停めた相手も()()()()()()()危機感の無い話しを繰り広げていた……。


_____



「ディアさん、乗せて頂いてありがとうございます。でも、わちき達、本当に本ッとーーーにお金持ってませんよ?」


「ぱいたん見て見てーーーッ!!凄いよッ!この「自動車」速い速いーーーッ!こんなに速い()()に乗ったの初めてだーーーッ!」


「姉さん、はしゃぎ過ぎ……。ディアさん、何から何までスイマセン……」


 この二人、ディアが今までに見て来た「()()()()」とは明らかに異なっていた。ディアのいた惑星(世界)に於いては「陸獣(おかけもの)」に分類される赤妖豚種(レッドオーク)毒鶏蛇種(コカトリス)といった獣と思しき存在だ。しかし、言語を解して介し、意思疎通も出来る。そして何よりもディアに対して()()()()()()()()

 見た目こそヒト種といった、()()()()()()()()()()()()とは違えども、中身は今まで見て来た人間種族と何ら変わらない様子で、直ぐにディアに対して友好的に接して来た。拠って、ディアは二人をランデスの車内へと招き入れたのである。

 危機感はどうした、ディア!!

 ……あ、そう言えば、ディアもまた人間種族ではありませんでしたね……。


「旅は道連れ、事故る時は一緒って言うじゃないですかぁ。だからお金は要りません。善意の協力者ってヤツです。それにいっくら騒いでも、わたしは気にしませんよ。()()()()()()()


 車内で著しく騒ぎ立てる客をディアは知っている。それと比較をすれば、この珍客達はまだ()()()というコトだろう。


 ちなみに、ディアが拾ったこの二人、名前を豚骨(トンコッツ)白湯(パイタン)という名前らしい。幼児退行してるのかと思う程に()()()()()()()のが姉の豚骨(トンコッツ)。だから言い換えるなら「見た目は大人、頭脳は子供、その名も“豚骨(トンコッツ)”!!」と言えるだろう。

 逆に冷静沈着で姉のお守り役が白湯(パイタン)という組み合わせだ。これまた言い換えるなら、「見た目(バストサイズ)はこ……大人!頭脳も大人!その名も白湯(パイタン)!!」になる。まぁ、そこそこの発育途上(ひんぬー教徒)なので、大人という事にしておかないと、それはそれで誰か(毒ヘビ)が来てしまう……。こわやこわや……。


 それは兎も角この二人、それぞれの種族は名前が現していると言っても過言ではないだろう。「名が体を表す」とはよく言ったものだ。

 だがそのネーミングセンスには甚だ疑問を持ち兼ねない。この惑星(世界)全域でそのようなネーミングなら別段、気にはならないだろうが、「周りが普通、二人が異常!」なら、「名付け親はラーメン好き!」みたいな感じになるだろう……。

 だが、ディアは()()()()()()()()()。ディアはまだ、()()()()()()()()()

 大事なので2回言いました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ