ep506 ネタ(The BBA)
「あぁもう!宜しくて宜しくて宜しくてッ!契約でもなんでもして差し上げて宜しくて!だからもうッ……これ以上、いぢめないで……しくしく」
斯くしてイシュタルは堕ちた。最後の最後まで彼女が武力に訴えなかったコトは称賛に値するが、そこに至るまでにイシュタルのHPは削りに削られまくった挙句、もう既に瀕死の重症だったと言えるだろう。
だからこそ「もうやめて!おかみ!とっくにイシュタルのライフはゼロよ!」みたいなセリフが丁度いい塩梅に響くと思われるが、「宜しくて×3」の後には「つ〜らいよ〜おぉぉぉ〜」となりそうな感じがしなくもない。
しかし、これは二つ掛け合わせても、だいぶネタが古いとしか言いようがないので、それはそれ。これはこれ。
どうやら古いネタでは幾つ掛け合わせても、シナジー効果は得られないようだ――
ごほんッ。話しを戻すとしよう。
結果的に見れば「流石はおかみ」と言わざるを得ない幕引きとなった。しかしながらその手腕を公表する事は出来ない。どうやらコレは「おかみ」にとっての“企業秘密”というヤツのようである。
拠って脳内補完というか、想像イメージ何でもござれで、諸兄らの持つその類稀なる「妄想力」を以ってその至高なる手練手管を思考するに至ってもらいたい。
従って「妄想しか取り柄のない かわいそな人」に向けられる“ビーム”は、今回に限り対象にはならないと思っている。
だがまぁ、それだと完全なる丸投げになってしまうので、少しばかり手を貸すとしよう。
「おかみ」の遣り口だがそれは、その口達者振りは完全に“女衒”であり“遣手婆”と呼んでも差し支えない程だったという事だ。しかし、そんなコトを本人に言った日には命が幾つあっても足りないと思われるので、(特に後者の発言の更に後半は)自殺志願者以外はオススメ出来ない行為である。
――“企業秘密”の件もあるのでそれを踏まえると、これ以上の手を貸す行為はこちらの身の危険が生じる。拠って、ここいらで打ち切らせて頂く――
「それじゃあ、コレがアンタの雇用契約書だ。ちゃんとよく読んでからサインをおしッ」
「しくしくしくしく……」
闇金から金を借りたばかりに、全てを差し押さえられた哀れなヒトを彷彿とさせる光景だが、これでは本当に「おかみ」はアコギなヤクザと言わざるを得ないだろう。
※夜営業の「魔の酒場亭」は健全な“居酒屋”です。昼営業の「魔の酒場亭」は健全な“何でも屋”です。これは非常に大事なコトですので、勘違いしない事をオススメします。もしも勘違い事項を口外すると、鬼の形相のエレさんが押し掛けてくる可能性がありますのでご注意下さい
※「アコギ」とはアコースティックギターの略です(嘘)アコースティックギターを弾きながら詰め寄るヤクザな「おかみ」を想像してみて下さい。笑えるでしょ?(違)
「よしッ!コレでアンタはたった今からこの店の従業員さね。期限はアンタのツケが払い終わるまでだ。そんでもって、雇用契約は条件を満たしている限り自動更新になるさね。ただし更新しない場合は、書面にて更新しない旨を一週間前までに提示しなければならない事を今ここで伝えておくので、よぉっく覚えておくように!」
何の為の「雇用契約書」なのだろう?……と考えさせられるセリフである。「おかみ」の気まぐれで良く分からない“附則”が付いた気がしなくもないが、イシュタルはどうやら聞いていなかったらしい。
これは後に「キッタキッテナイ」じゃなかった、「言った言ってない」論争に発展する気がしなくもないが、その時は「イチかバチかで けどポーカーフェイスで」みたいな感じで「おかみ」は乗り切るコト間違い無しと言えるだろう。
「おかみさん、いつまで倉庫区画で臨戦態勢のまま待機してればいいんだ? ――ッ?!なんだソイツ!「人間」でも「高位高次元生命体」でもねぇな?」
「コイツはイシュタル。今日からアンタの同僚になったから、仕事を色々と教えておやり」
エレとエレシュキガルと同じように、イシュとイシュタルである。エレシュキガルがエレを見て分かったように、イシュタルもまたイシュを見て感じる所があったようである。
「あたしから造られたもう一人の、あたし? でも、何か違うモノが混じっているのではなくて?」
「あたしから造られたあたしって何だよ!あたしはあたしだ!あたしはイシュ・タリバリウムってんだ!イシュタルなんて名前じゃねぇ」
流石は姉妹である。因ってイシュの発言はデジャヴ的な感じがしなくもない。だからこそイシュタルもまた、エレシュキガルの姉妹である事に違いない発言をしてくれるモノと期待するとしよう。
「イシュ……タリバリウム?やっぱり、全てはエンキのせいってコトで宜しくて?」
「エンキのせい」とイシュタルは言の葉を紡いだ。しかし、この世界線に於いてエンキ=エアは「魔の酒場亭」の面々とは一戦交えていない。
これは偏に波乱の予感……である――




