表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メタバースマルチバース 〜ユニバースディ〜  作者: 硝酸塩硫化水素
おわり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

500/534

ep492 家宅捜索(The Ishtar)

「なんだってぇ!アルカディア(ギルマス)が消えた?エレ、それは本当なのかい?」


「あぁ。ギルドの職員も()()()()()()()消えたみてぇだぜ、おかみさん。まぁ、アルカディア(アイツ)()()()()だから、職員連中は喜んでるってのがオチなんだけどな。それに、()()()()()()()()ギルドの仕事は回ってるみてぇだったから、冒険者達にとっても問題は無さそうだったぜ」


 前回の報告から更に数日後のこと。ミレイアに続き、今度はアルカディア(ギルマス)まで消えたとの“報”に「おかみ」は驚きを隠せない様子だったと言える。

 そしてエレは続けざまに告げる。それは誰もいない事をいい事に、アルカディア(ギルマス)の執務室及び、「イシュの(悪趣味な)部屋」の()()()()を行った結果である。


「こんなモンが執務室の隣……悪趣味な部屋にいくつかあったぜ?コレがランデスの話してた「ドローン」ってヤツであってるか?」


「アンタ、持ってきちまったのかい?まったく……この娘は……」


 ランデスはあの時、「おかみ」に対して、「ドローンは偵察に使う」と話していた。()()()()()()()、エレが持ち帰ったモノが()()()()()なら、こちらの情報がアルカディア(ギルマス)に筒抜けになったと言っても過言ではない事を示している。

 これはエレに対して充分な説明をしなかった「おかみ」の落ち度と言えるだろう。そして「おかみ」はエレに対して、「手癖が悪い」と言いたかったのを()()()と付け加えておく――



「それで、おかみさんどうすんだ?アルカディア(ギルマス)がディアを、ひいては「魔の酒場亭」を狙っていたとして、当の本人もいなくなっちまったんじゃ、お手上げじゃねぇか?」


 こうなってしまった以上、万策尽きた……と、「おかみ」は考えていた。そもそも「魔の酒場亭」が狙われる謂れは無いが、アルカディア(ギルマス)が失踪したとあれば確認のしようもない。ギルドに乗り込んだところで、職員達からすればアルカディア(ギルマス)を探して欲しいとは言い出さないだろう。

 そうなれば、タダ働き(骨折り損)のくたびれ儲けにしかならない。


 斯くなる上は、再びアルカディア(ギルマス)が動くのを()()()()()しか手段は残されていないかに思われたのだった――




「へぇ、アナタがエレシュキガルから創られたモノで宜しくて?」


 それは見覚えのある光景だった。「あの時」に見た、何もない、()()()()()()の空間である。しかし、エレはどうやってこの場に来たのか分かっていない。

 そう、「あの時」と同じだった――


 賢明な諸兄は既に気付いていると思われるが、「あの時」とは死祖種(オリジンドラキュリア)に首筋を噛まれて身体の自由を奪われ、エンリから調教される事になった……あの屈辱を味わった“時”を指している。


 だが“その時”とは()()()()違う光景がある。それは、エレの目の前にいるのが、下着のような姿の破廉恥な女性(エレシュキガル)ではなく、()()()()()()()スケ感満載の衣装に身を包みながらも露出過多という、別の意味で破廉恥な“女”だったからだ。


「エレシュキガルを知っているのか?誰だアンタ」


「別に名乗る必要はないのではなくて?」


 エレは名前を覚えるのが面倒臭い。それはエレとの関わりが少なかったり、インパクトが小さければ尚更のコトだ。因って「あの時」にエレシュキガルが話していたもう一つの名前を思い出せないでいた。


「思い出せねぇからいいや。それで、アンタもエレシュキガルと同じく「異界の女神」ってヤツか?それでアタシに何の用だ?アンタが奪われたモノを()り返せってんなら、お門が違うってモンだぜ!」


「あ……あたしは別に!別に何も奪われてなどなくってよ!純潔の睫毛やら、涓塵(けんじん)の唾液やら、甘美の汗なんか、奪われてなんかなくってよ!」


 「どっかで見た光景だな」……と、エレは思いながらも口にする事はない。相手が「異界の神」であるならば、自身(エレ)よりも格が上になる。それならケンカを売ったところで返り討ちに遭うのが関の山というヤツだからだ。


「それで、ソレ(奪われたモノ)が目的じゃないなら、なんでアタシのところに来たんだ?まぁ、奪い返せって言われてもお断りなんだが……。まぁいいや。 ――まさかとは思うが、アタシとエレシュキガルがパスで繋がっているからってワケじゃねぇだろうな?」


「大当たりだから褒めて差し上げても宜しくて?あたしは、「箱庭(ジオラマ)」に干渉する方法をずっと模索していて、やっとエレシュキガルからここを探り当てるコトに成功したと話せば宜しくて? ――アナタからはエレシュキガルの残り香と、もう一つ。牛の臭いが()()()()()漂っていてよ!だから目を付けたと言えば宜しくて?」


 ()()()()()()()不機嫌そうなエレの表情に、深いシワが刻まれていった。それが意味するのは、エレから見た時にまるで誰かさん(・・・)と話しているかのような錯覚に陥ったからだろう。

 話し方も語尾も思考パターンすらも根本からして異なる相手であるにも拘わらず、その「誰かさん」を彷彿とさせる()()()()()を見せ付けられたエレは、()()()()と、自分自身に言い聞かせ暴発しないように(ブチ切れないように)必死だったと言っても過言ではない状態だった――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ