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メタバースマルチバース 〜ユニバースディ〜  作者: 硝酸塩硫化水素
はじまり

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ep23 殺意(Murderous intent)

――おねぇさん、泣かないでッ!ボクはここにいるよ!――


「ユウくん……お願いだから、目を覚まして……」


――おねぇさん、ボクの声が聞こえないの?――


「ユウくん……なんで……なんでこんな事に……」


――ボク……ちゃんとここにいるのに……なんで?なんで?なんでボクの声が聞こえないの?――


「ユウくんを……誰か……誰でもいいから……ユウくんを……」


――そっか……ボク……とうとう……。もう、おねぇさんとお話しも出来……うっぐ……うっぐ……ひっぐ――


『――□な□たく□□か?――』


――えっ?!なに……この声。これ……声?――


「はい。()()()、ユウくんを死なせたくありません!」


『――そ□□ら□契□□□□か?――』


「それで、ユウくんがまた笑ってくれるなら……」


――おねぇさん……ボクはここにいる!ボクはまだここにいるよッ!!――


『――こ□□契□□□結□□た、心□底□□願□な□ば、□の□い□□ず□□□□□う――』


――待って!待って!待って!おねぇさんッ!ボクを置いて行かないでッ!――


_____



「それで、頼んどいたモンは見付けられたのかい?」


「そんなモン、とっくに見付け終わってるさ。アタシを誰だと……ハッ」


「へぇ?()()()()ねぇ?」


 ここはセレスティア大陸にある、アーレの城下町の外れにある「魔の酒場亭」。クロック峡谷での所用(おつかい)をヘトヘトになって終えたエレを待っていたのは、翌日の更なる所用(おつかい)だった。

 雇われている以上、いくら仕事をしたくなくても()()()()()()()()()エレは、「頼まれれば仕方ねぇなぁ」と悪態をつきながらも所用(おつかい)へと足取り軽く向かっていった。

 それから報告も連絡も相談も「おかみ」の元へと来ない為、シビレを切らした「おかみ」が3日後に発言した事から、この話しは端を発する――


「まったくもって、アンタってヤツはッ‼一体いつ所用(おつかい)を終えていたって言うんだいッ!」


「当日の……夕方……?」


「へぇ?じゃあ昨日も一昨日もただの……サボりだね」


「わわわ悪かったってばッ!探しに行ったらそっこーで見付かったモンだから、ちょいと気になって熟読してたんだってば」


()()()()()?確か……アンタに頼んだのは朝だったよねぇ?」


「ハッ……しまっ……」


 いつになく平和な日常風景である。この店の中に第三者()がいれば見る事の出来ない景色だ。故に平和(閑古鳥が鳴く店)そのものと言える。くれぐれも()()()()()()()()、額に浮かぶ何本もの青筋やプルプルと震える腕へと「おかみ」の状態が変化していったのを見てはいけない。そして、プルプルと震える筋トレをしているワケでもない。「おかみ」は二の腕を気にしているワケではない。


 この店に閑古鳥が鳴いているのは今に始まった事ではない。「何でも屋」としての本業に対して、知名度がまったく無いワケでもない。だが、客が来ない時はまったく以て来ない。まぁ、ここ最近の「客の来なさ」は、恐らくだがクルサ平原でディアが行った獣達の殲滅活動が原因だとも考えられる。だが、その話は例のそれはそれ。これはこれ……である。


「それで?()()()()()()……()()()()()?」


「ディアについて調べてるんだろ?」


「じゃあ、聞かせてもらおうかねぇ。あの娘は……ディアは一体何者だい?」


 「おかみ」の普段とは違う鋭い視線が、エレに刺さっていく。その視線を一般の人間なら身震いをさせ、「殺意」と取られても可怪しくはないだろう。だが、当然ながらエレはそんな勘違いはしない。個人(エレ)的に言わせれば、さっきまでの「おかみ」の方が「よっぽど殺意に溢れていた」と表現するに違いない。

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