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第02話 翌日~装備品のお披露目。

 翌朝。

 カズラさんとの約束通り、朝の5時から――などというのはもちろん冗談で、いつもの時間にセンニチダンジョンに到着。


「うう……昨日あれだけ働いたんだから今日は休ませてよ……。

 ていうか交代勤務の採掘者ディガーでもあるまいし。

 朝の7時半からダンジョン通いとかいろいろおかしいからね?

 迷宮科の学生だってダンジョンに来るのは10時くらいだからね?」


「あら、金級探索者とは随分と怠惰な生活を送っているのね?」


「葛も昔は朝の3時から『ショウコ、ダンジョンに行こうぜ!』と私のことを誘いに来たものですが」


 何その傍迷惑な中○君。


 通されたいつもの部屋で、


「中務さん、実は昨日新しく自分用の装備品――剣と鎧を衝動買いしちゃいまして」


「それは良いことですね。

 管理を徹底してはおリますが、やはりレンタル品というのは個人に合わせて作られたものではありませんし、先の人間がどのような使い方をしているかわかりませんので」


「どうしてショウコは『昨日新しく買った』の部分をサラッと流してるのかな?

 あの時間から装備品を用意するなんて絶対に無理だよね?」


 さっそくインベントリから取り出した剣と鉈、そして革鎧が入った箱を取り出す。


「あら、柏木さんのことですからもっと奇抜な武器を使われるのかと思いましたが」


「……実は純ミスリルの剣を注文しようと思ったんですけどね?

 鍛冶屋の親方に普段遣いに向かないから止めておけと止められてしまいまして。

 そもそも値段も買えるような金額ではありませんでしたし」


「ふふっ、相変わらず柏木さんはお茶目なんですから。

 でも、ちゃんと予備の武器まで用意されているのはさすがですね?

 探索中にメインの武器を破損させて、大わらわになってしまう探索者も少なくはありませんので」


「そんな親戚の子供を褒めてるおばちゃんみたいなこと言ってる場合じゃないよね?

 鍛冶屋の親方って何?

 剣って数時間で打てるようなモノじゃないよね?

 そもそも一番突っ込む必要があるのは『純ミスリルの剣』とかいう意味のわからないモノが出てきたことなんだけどさ!!」


 鎧はしまっておけるサイズのロッカーを借りるだけで事足りる――まぁ俺はインベントリに入れておけばいいだけなんだけど、さすがに更衣室でそんなことをしてたら目だっちゃうので素直に借りておくことに。


 変わって武器に関しては管理が厳しく。

 その長さや重さ、外観の写真などを管理局に登録する必要がある。


「では失礼して――」


 スラリと剣を抜く姿がとても様になっている中務さん。


「この独特の、押し寄せる波のような波紋はいったい……黒っぽい色味もあまり見たことのないモノですね。

 もしかしてこれはダマスカス鋼……にしては木目のような、油紋のようなモノが無いですね」


「ははっ、残念ですがハズレです。

 俺も良く知らないですけど、鍛冶屋の親方の話ではドワーフ鋼っていう素材らしいですよ?」


「そうなのですね。

 ……いろいろと調べられても面倒なので、『保存状態のあまりよろしくない、色味の悪い鋼の剣と剣鉈』で登録しておきます。

 解けない暗号のような形にして、支部長報告だけしておけば後々問題にもならないでしょう」


「まさかの記録改ざん……あなた、いつもそんなことしてるんじゃないでしょうね!? ……じゃなくて!

 えっ? ドワーフ鋼って何?

 そこ、もっと根掘り葉掘り聞いておこうよ!!」


 端末を操作しながら色々な項目に入力していく中務さん。


「鎧の方は……その箱の中に一式入っているのですか。

 一度中身をすべて取り出して確認してもよろしいですか?」


「もちろんです。ていうか、俺もまだ見てないんですけどね?」


 箱の中から出てきたのは、朱塗りにされた日本の甲冑――とはいえ、大鎧ではなく南蛮胴って感じなんだけどさ。

 兜はオープンフェースだけど、顔から首まで覆えるような面頬が付いてるから明石さんが使うにも問題は無いだろう。

 

「その大きさなら余裕を取っても1.5mサイズのロッカーでいけそうですね。

 それにしても……それら全て二組づつ用意されているのですよね?

 もしかしてもしかすると片方は私用に作って頂いた……違いますね。

 私ではどちらの鎧も胸がキツくて着れそうにありませんし。

 そうですかそうですか、小娘と二人仲良くペアアーマーですか」


「何ですかその聞いたこともないお揃いは」


 ちなみにここで「いやいや、中務さんも普通に着れると思いますよ?」などとは口が避けても言ってはいけない。

 そしてそれは『お揃い(ペア)』アーマーじゃなくて『ベア』アーマーなんだけどな!


「今回はあくまでも中堅冒険者……探索者向けの装備ですので。

 中務さんにプレゼントするならそんな『四腕灰色熊フォーハンド・グリズリー』なんていう無骨な革鎧じゃなく、綺羅びやかに装飾されたアダマント合金製の全身鎧でしょうか。

 その時は剣だって、純ミスリルで出来たレイピアを用意しますよ」


 そしておうちで姫騎士プレイ……ゲフンゲフン。


「えっと、フォーハンド・グリズリーってなんなのかな?

 ていうかアダマント合金っていうのも聞いたことが無いんだけど?

 あとそのミスリルの武器はカズにもください!!」


「もしも売るならビルが建つくらいの金額になりますけど大丈夫です?」


「そこはカズにもプレゼントしてよっ!!」

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― 新着の感想 ―
やっぱりつっこみがあるとボケが引き立つねw
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