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召喚された異世界で『(知らない奴が)魔神』を退治したら日本に送り返されたんだけど!? ~『帰還勇者(しょうにん)』はダンジョン大国日本で成り上がれるか?~  作者: あかむらさき
異世界勇者(しょうにん)日本に送り返される。

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第07話 中務先生のダンジョン講座と装備品レンタル。 その1

 中務さんの力添えもあり、どうにかこうにか許可証の発行をしてもらえた俺。

 この勢いのままダンジョンに突入!!

 ……出来るのかと言えば、そうは問屋が卸してくれないみたいで。


「柏木さん、……いいえ、夕霧くん。

 さきほど渡した冊子、三ページ目を開いてもらえるかしら?」


 本来なら日を改めて『初心者講習会』に参加する必要があるらしいのだが、なぜか中務さんの説明会が始まる。

 ……金髪美女による姫騎士、秘書に続いて女教師プレイとかちょっと属性過多が過ぎるのでは?


「では最初の項目です。

 『探索者とはどのようなお仕事なのか?』――夕霧くん、わかりますか?」


「まさかのマンツーマンなのにQ&A方式なんですか!?」


 それって教室で多人数だから成立するシステムなんじゃ……いや、別にいいんだけどさ。

 そこから始まる、中務さんによる一時間に渡るノリノリの講習をかいつまんでまとめると。



・ダンジョンとは、地球上とは異なる『異空間』である。


 異世界と異空間の違いが解らねぇ……。

 ちなみにダンジョンに入るには『地面に空いた穴』にもぐるわけじゃなく、『転移ゲート』のようなものをくぐるらしい。



・ダンジョン内部は魔力で満たされている。


 異世界でも魔力についての講習を受けた気がするけど、魔法の使えなかった俺が真面目に聞いてたはずもなく。

 当然、中務さんの説明を聞いてもまったくわからなかった。

 まぁダンジョンに入って確認すれば大丈夫だろう。



・探索者の任務は魔物を倒すことではなく、ダンジョンからアイテムを持ち帰ることである。


 そりゃあ、倒すだけじゃ何の収入にもならないもんな。

 でも俺、魔物素材の剥ぎ取りとかあんまり得意じゃなないんだよなぁ……。



・魔物を倒すと、その個体が内包していた『魔力』を吸収。

 それが一定量を超えるとダンジョン内で大幅に肉体が強化される。


 いや、こんな短時間で『魔力』が被ってるじゃん! そこは経験値でいいじゃん!

 もちろん異世界でも『似たような仕組み(レベルアップ)』はあったんだけど、『職業クラス』を持ってなかった俺は大して強くなれなかったんだよなぁ。



・センニチダンジョンのような無星で実習用に使われているダンジョンの第一層は『資源回収』にも使われている。


 鶴嘴つるはし担いでトンテンカン。

 もちろん深い階層の方が貴重な資源が手に入るらしいけど、第一層でも鉄、銅、アルミ、原油などが採掘出来るらしい。

 ……いや、アルミの原料ってボーキサイトだよな? 原油をツルハシで掘るってどういうことだ?



・魔物は生き物ではない。


 ちょっと何を言ってるのかわからない。



・倒した魔物は、時間経過でどこからともなく出現する。


 何を言ってるのかわからないパートⅡ。

 ……どうやら何も無い空間から湧き出てくるらしい。



・魔物から得られるのは主に魔石だが、稀に倒した魔物独自の素材が入手出来る。


 やっと俺の『魔石せいめいせん』の情報が来た!!

 ちなみに一番小さな『一型魔石』の買い取り価格は100円とのこと。

 ……まぁ売ることは無いと思うけどさ。

 ていうか魔物、倒すとその場で消えてしまうらしい。

 したくもないけど、それじゃ剥ぎ取りできないじゃん!!



・魔物は基本的にその住処である『生存区画』から出てこない。


 ただし戦闘中に探索者が逃げた場合は『区画内を離れて』しつこく追跡してくるとのこと。

 階層移動まではしないみたいだけどね?



「――駆け足でしたが、ここまでが探索者の心得と魔物の基礎知識になります。

 夕霧さん、先生のことばかり見つめていたみたいですが、ちゃんと内容は理解できていますか?」


「もちろん大丈夫! ……かもしれません!」


「もう! 何ですかその曖昧なお返事は」


 だって……ねぇ?

 異世界じゃ低級の魔物なら狩れてたから、こっちでもどうにかなるだろうと甘く考えてたけど、色々と違いすぎて自信が……。


「ところで柏木さん、お昼ごはんはもう済ませました?」


「いえ、うちは昼飯キャンセル界隈なので」


 またまた昨日のお姉さんの『江戸時代か!』というツッコミが、頭の中でリフレインする。


「何ですかその体に悪そうな界隈は。

 ……といいますか今、他の女性のこと考えてませんでした?」


「もちろん考えてませんにょ?」


「まったくもう……。

 では、よろしければ一緒にお好み焼きでもどうでしょう?

 もちろん義姉さんの奢りですよ?」


 うっ、昨日からそこかしこで嗅いだソースの匂いが蘇って……。


「お言葉に甘えさせていただきます」



「やはり千望ちぼうしか勝たん!!」


 ということで(?)食後である。


「中務さん、朝からずっと俺に付き添ってくれてますけど、お仕事の方は大丈夫なんです?」


「むしろ今日は普段以上に働いておりますが」


「それならいいんですけど」


 ……彼女の普段の勤務がとても気になるが、楽しい話にはなりそうにもないのでツッコんではいけない。


 そんな俺達が向かっているのはダンジョンモールの東側。

 目的は装備品の購入――をするような余裕は無いので初心者用の無料レンタルである。


「頂いた冊子では、センニチダンジョンの第一層。

 A区画はスライムの生息地なんですよね?」


「はい。そこかしこで青スライムがぷるぷるしている、見た目だけなら癒やしの空間ですね。

 ちなみにB区画にはデミ・コボルト、C区画はピッグワームの住処となっております」


 いや、クラゲじゃあるまいし。

 さすがにスライムを見て癒やされる人はそうそういないと思うんだけど。

 てかスライムの感想が『ぷるぷるしてる』ってことは、異世界でいたやつと同じ種類ってことで良いんだろうか?


「えっと、スライムの攻撃方法って……ある程度の距離まで近づいたら、顔めがけて飛びかかってくるで合ってます?」


「はい、その通りですが。

 ……柏木さんはスライムを狩るおつもりですか?」


「そうですね。(こっちでは)初めてのダンジョンですので。

 戦闘に慣れるまではじっくりやっていこうかと思いまして」


 コボルトはともかく、ワーム(ミミズ)とかあんまり相手したく無いし……。


「なるほど、ほとんどの新規登録者は、取り込める魔力がほとんどなく、実入りも少ないスライムはスルーしてしまうのですが。

 慣れるまでは無理をしないというその慎重な心構え、とても良いことだと思いますよ?」


 ……えっ? スライム退治ってそこまで儲からないの!?

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