【2話】初級魔法使いの登場
逃げようと階段に向かった瞬間ケンタウロスは階段の前に立ち行く手を塞がれた。
「なっ、《ハイライト》!!」
目くらましにはなるかと思い発動したが、ケンタウロスは何も起こっていないように立っていた。
「輝け上位魔法《聖剣のヒカリ》!!
《ヒカリの剣》を強化し振り回し攻撃したがダメージが入っているが致命傷にはなっていないようだった。
ケンタウロスが殴りかかってきた。
当たったら即死はしないにしても大ダメージが入ることは間違いない。
ヒカリは、回復魔法を持っているが発動する前にもう一発受けたら終わる。
やっぱり、私にA+のダンジョンは早かったんだ。
ブオオォォンと大きな音がなっている
ケンタウロスの拳だ
「やばい、上位魔法《閃光装備〈鎧〉》!!」
体に光が巻き付きヒカリの鎧が出来る。
バキイィィン
鈍い音が鳴った。
《閃光装備》のおかげでなんとか致命傷は防ぐことができた。
だが、遠くまで飛ばされた《閃光装備》も一撃で破壊された。
次の攻撃が来ようとしていた。
「だっ、だれか!」
逃げようとしたが痛みが体中にあり動けない。
ブオオォォン
同じように大きな音が鳴った。
ヒカリは目を瞑った
その瞬間
「うっわ、《強化打撃》」
誰かがそう言ったのが聞こえた。
ドカアァァン
大きな打撃音と同時に
ケンタウロスの叫び声が聞こえた。
目を開けると一人の青年とふっ飛ばされて壁に練り込んでいるケンタウロスがいた。
「え?」
『え?』
『え?』
『んんん?』
コメント欄でも皆驚いているみたいだった。
なぜなら、《強化打撃》は誰でも使える初級の中の初級魔法だ。
《強化打撃》は自分の身体能力をパワーアップさせる程度の力しかない。
それなのにあの青年は最低でもA++はあるケンタウロスを殴り飛ばしたのだ。
そんなことを考えているとケンタウロスがまた立ち上がり青年に殴りかかった。
「あぶない!!」
そう叫ぶ前に
青年は
「《身体強化》《守》」
それだけ叫ぶと
ケンタウロスの殴りをそのまま受けた。
助けてくれた人が目の前で死んでしまった。
そう思っていると霧が晴れた。
その瞬間私は、信じられない光景を目にした。
「そんな......え?」
初級魔法の《守》だけでケンタウロスの打撃を受けきったのだ。
しかも無傷である。
心なしかケンタウロスも困惑している用に見えた。
「さて、そろそろ終わらせますか〜報酬もらってさっさと帰ろー」
そう言って先程の《強化打撃》より威力が上がった《強化打撃》をケンタウロスに向けて放った。
《身体強化》でパワーアップしたのだろう。
「えい!」
ドカアアアァァァァァァァァァンンン
ものすごい大きな音が鳴り響きケンタウロスが改めて吹っ飛んだ。
その上ケンタウロスのお腹に穴が空くほどの威力だった......
いや嘘だ、ケンタウロスのお腹に穴が空いていた。
ケンタウロスは私が倒したゴブリンのように塵となっていた。