表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

陰キャ高校生は黄髪の財閥娘に出会います

月館纐纈の話を聞いてから5日後、特に大きな出来事はなかった。俺、橘高康弘はそのあと大きな出来事に巻き込まれまくり!私立聡慧高等学校の校長や財閥嬢などに会い、また陰キャ高校生の人生が大きく変わる...それでは、第2章へどうぞ

第二章:陰キャ高校生は黄髪の財閥娘に出会います



陽人や篠原さんが来た5日後。

特にすることもなかったので、学校のパンフレットを俺は再び読み返していた。

私立聡慧高等学校。

TW制度を導入している数少ない高校の一つだ。現在、TW制度を導入しているのはたったこの学校を含めて13校。

TW制度では、導入高校別でも競い合うこともあるため、関わる機会は多いらしい。特に、学校ではTW制度高校ランキングという指標が大事みたいでそのランキングによって次の新入生の選択枠を多くとれたり、優先できたりするそうだ。なぜこの制度ができたかは俺もまだよく知らないが、争うことをより具現化することで生徒たちのレベルを上げるとかなんとか。私立聡慧高等学校のランキングは13校中8位。かなり低いほうに位置している。

そんな私立聡慧高等学校もある時期は、3年間連続1位を取り続けた伝説を持っていて、これを超える記録は残っていないといわれている。噂では、聡慧高等学校の1人の高校生がこの伝説を作ったらしい。その伝説の影響なのかこの学校を志望する学生は少なくない。俺がまた伝説を作ってやる!とか思っているのだろうか。まあそれは置いといて、その伝説ある高校に俺は入学したわけだ。


そんなことを考えていると、俺はふと入学試験について思い出した。

私立聡慧高等学校の入学試験。それを聞いただけで、ビビってしまいそうだが、たいして普通の高校と変わらない。試験内容は、筆記・運動・面接・身体検査の4つだ。

筆記の科目は、国語・数学・英語・理科・社会に加え、情報(仮)がある。中学の時に、情報の授業はそれほどなかったため、ほとんど独学で勉強した。勉強はどちらかといえば苦手な方だったので、合格するためにかなり苦労した。運動は、小学校や、中学校、そして一般的な高校でもよくある体力テストと同じだ。TW制度は総合力の高いものを求めるもの。よって、勉強を優先し、運動をおろそかにするのはよくないという考えをもって作り上げたらしい。運動はある程度できたので、問題はなかった。そんなことを考えていたら、


コンコン


再びドアをノックする音が聞こえた。


「やあ、元気にしてるかい?」


大山(おおやま)校長!?」


篠原さんが見舞いに来たのだろうかと思って返事をしたら、まさか私立聡慧高等学校の校長大山健(おおやまたける)ともう一人だった。校長に関しては、この学校に入学する前、動画やパンフレットから見たことがあるので知っていた。校長の隣にいるのは教員なのだろうか?と見ていると、


「ああ、そういえばまだ紹介していなかったね。彼女は三上朋香(みかみともか)先生。君のクラスの担任だよ。」

「担任の三上です。よろしくお願いします...!お怪我早く治られるといいですね。」


なるほどそういうことか。少し謙虚さを感じるが、優しい雰囲気を感じた。見た目は、20代と感じたのでまだ職に就いてから間もないのかそれか今年が初めてなのか。まあどちらにせよ厳しそうな先生でなくてよかった。


「橘高康弘です。三上先生これからよろしくお願いします。」


と軽く会釈した。先生は笑みで会釈し返してくれた。俺も軽く微笑んだ後、表情を切り替え、校長先生に今日病院まで来られた理由について尋ねた。


「私が来た理由は、ただお見舞いに来ただけだよ。もっと早く来てあげたかったんだけど、入学式を含め、いろいろあって忙しくてね。まだ入ったばかりの三上先生だけじゃ不安ということで、私もついてきたというわけなんだ。」


「そうなんですか。」

やはり三上先生は入ったばかりだったか。校長先生が来るくらいだから何か入学できないとかとんでもないことでも起きたんじゃないかと思ってひやひやした。そんなことを思っていると、


「今日来たのはね、橘高君に学校についてと機器の説明をしようと思ってきたんだ。」


「機器?」


機器?

口から出た言葉と脳内で感じたことが完全に一致した。こんなことなかなか起きないので、すこしうれしかった。そんなことを思っていると、三上先生が端末と2つの説明書を俺に手渡した。何だろうと思っていると、校長がまるで俺の心を読んだかのように説明をしてくれた。


「この端末の名は『ターミナル』。TW制度の学校共通の端末だ。本来は入学式当日に渡すはずだったんだが、橘高君は事故で入院していたため渡しそびれていたんだ。使い方については、その説明書を読んで使ってほしい。もう一つに説明書は、TW制度のVRMMO側で用いられる『WHITE(ホワイト)』。これは、学校でしか使えず、持ち運びは厳禁なので、持ってくることはできなかった。こちらにも目を通しておいてほしい。」


軽く校長と三上先生と話をした後、二人は病室を出ていった。

それにしても俺が学校を休んでいる間にこんなものが支給されているなんて。とりあえず説明書を開いて端末を起動してみることにした。


端末の名称は『ターミナル』(正式名称:Two World Terminals)

この端末はTW制度導入校に属しているものなら誰もが持っているものらしい。

ターミナルを起動して中身を見てみると、連絡系やマップなどのアプリが入っており、某スマートフォンとほとんど変わりなかった。だが、アプリはすべてTW制度独自のもので、試しにいつも使っているアプリを検索して入れようとしたが、入れられなかった。初期設定の状態でアプリはコミュニティ、マップ、コール、パーソナル、ポイント、セッティング、ライブ、インストールの計8つ。

ほかにも多くのアプリがあるようだが、何を入れたらいいかわからないので、とりあえず放置しておこう。


『ターミナル』の説明書を読みながら、設定を終えた俺は少し疲れたので、横になって休むことにした。まだ、VRMMO機器の『WHITE』の説明書を見ていないのだが、少し厚みがあるのを見た俺は、あ、察しと思ってまた今度にすることにした。


病室から外を見てみると、もう日が暮れそうだった。

「ふう~」

今日はやけに忙しい1日だった。ただ校長先生や担任の先生が来て、私立聡慧高等学校について少し詳しくなっただけだが、とても非日常感が強くて、体がついていかない。もう誰も来ないと思うし、寝ようかな。そう思った瞬間、そのフラグは一瞬で回収されてしまった。


コンコン


そのノックが聞こえた瞬間、悪魔が来たのかと思った。別に俺は特に何もされていないのだが!?むしろ被害者なんだけど?この時、俺は、神様はいないのだという悟りを開いたのだった。 完


という謎のギャグ系のストーリーは置いといて、俺は頭を切り替えた。いつものようにノックに対してどうぞ~といった。ドアを開けて出てきた人物は俺にとって想定外の人物だった。


月館纐纈(つきだてあやめ)!?」


つい大声を出してしまった。


「わっ!びっくりした~。驚かせないでよ~」

それはこっちのセリフだとツッコミを言いそうになったが、今まで女子とろくに会話してこなかった俺は口にすることはできなかった。状況が分からなかったが、とりあえず冷静さを装いながら話すことにした。


「それで今日はどういったご用件で?」

その質問をした瞬間、月館さん(財閥のお嬢様だから、呼び捨てにするのは失礼かと思ってさん付けに変えることにした)はきょとんとした目をした。そのあと、突然笑い出した。


「あははっ、そんなのお見舞いに来たに決まってるじゃないですか!橘高君面白いですね!」


お見舞いに来たのだったら笑うなと内心少しいらだたせたが、まあ普通はこういう富裕層系の人は慰謝料やお詫びの品ぐらいしか出さなくて、来ないものだと思っていたので、いらだちはすぐに治まった。


「あははっ」


いや前言撤回。この女完全に俺のこと馬鹿にしている気がする。それか単純にツボが浅すぎる。普通の人より笑う時間が絶対長い。


「失礼ですよ、纐纈様。私たちは謝罪とお詫びをする立場なのですから。」

病室の後ろから篠原さんが入ってきた。月館纐纈が一人で来るはずもないか。そして、さすが篠原さん。正しい意見をおしゃってくれる。


「すみません、篠原さん。面白くてつい」

そしてこっちは、うん、だめだな。俺は、反省しているのか反省していないのかわからないこの女が即嫌いになった。このような人はなかなかいないかもしれない。それにしても言葉遣いとかなんかお嬢様感がないな。やはり富裕層でも普通の人間の言葉遣いに合わせようとする風潮があるのか。態度は関しては無理なようだ。まあ、この女は置いといて、俺は篠原さんに聞くことにした。


「篠原さん、どうして今日は月館さんが来ているんですか?」


「ああ、それは纐纈様が『会って謝罪がしたい。自分も事故の際、乗車していたのに気づけなかったから、しっかり謝罪がしたい。』と何度もおっしゃっていたので。」


俺は、その瞬間驚いた。あの自分たちが事故に合わせてしまった者(俺)の質問に対して、けらけらと笑い、馬鹿にする女がそんなことを言うなんて。おかしい。どう考えてもおかしい。嘘なのかと思って月館の方を見ると、赤面して恥ずかしがっている顔を必死に隠しているのが目に見えた。あ、まじなのか。


「ちょっと、篠原さん!?急に言わないでよ!自分の口から言おうと思ってたのに!」


「そうでしたか。それは申し訳ありません。」


「ちょっと私お手洗いに行かせてもらうから!」

そういって月館は頬を赤く膨らませながら病室を出ていった。なぜかその反応に思わず、かわいいと思ってしまった。ツンデレなのか?まあ、そんなことを考えていると、篠原さんが会話を切り出した。


「すみません。本当はよいお方なのですが、同年代の人と話す機会があまりなくて、どう接すればいいのかわからないのです。どうかご了承を。」


「そうなんですか。」


へえ~。同年代の人と話す機会があまりなかった、か。確かに、4大財閥ともなると、かなりいろいろなことが制限されていたのだろうな。ようやくこの学校で、いろいろな人とかかわりを持ち、楽しく学校生活が送れる、そんなところだろうか。でも、それなら…もしかして!と思った瞬間、携帯の音が鳴りだした。俺のかと思ったが、篠原さんの携帯だった。


「すみません、康弘さん。いったん失礼させていただきます。纐纈様が戻られたら説明していただけるとありがたいです。」


「わかりました。」

そう返事をして、篠原さんは颯爽に病室を出ていった。数分後、月館纐纈が病室に戻ってきた。


「あれ?篠原さんは?」


「誰かから電話がかかってきて一時的に病室から出ていったよ。」


「そう、ならちょうどよかった。」


「?」

俺はその言葉の意味が分からなかった。何がちょうどよかったのか?そんなことを思っていると、深呼吸をした彼女は口を開いた。


「さっきは取り乱してしまってごめんなさい。本当は謝罪しにきたんです。ごめんなさい。」

思いがけない言葉に俺は一瞬驚いた。でも、さっき篠原さんが言っていたことは正しかったのだと改めて思った。

しっかりと頭を下げる礼儀正しい態度に俺はこの女、いや月館さんの印象は変わった。


「もう大丈夫ですよ、月館さん。顔を上げてください。」


「ありがとうございます。どうお詫びすればいいことか。」


「お詫びなんてそんな。あ、でも1つお願いがあります。」

俺の言葉を聞いて、月館さんはまたきょとんとした。



「友達になってくれませんか?」



「へ?」

突然のこの言葉に月館は何を言っているのかわからない様子だった。そして、俺が言ったことを理解したのか月館はその言葉に食いついた。


「いいんですか!?」


この食いつきよう、やはりか。俺の推測がどうやら当たったようだ。そう、月館纐纈はまだ


友達がいない…!


なぜなら、俺は事故にあってもうすぐ2週間になるのに月館の最初のしゃべり様、篠原さんの言葉、そして決定づけには月館の反応。都合がいいことに俺はまだ友達が中学からの同級生の陽人しかいない。入学も遅れているので、完全に乗り遅れているだろう。だから、特級クラスの月館纐纈が友達になってくれるのは好都合だし、単純に女子の友達が欲しかった。まあ、月館は普通にかわいいし。


「無理にとは言わない。俺のことが嫌いなら断ってくれてもいいんだ。」


「いえ!ぜひ友達になってください!」

月館は断る余地すらなく承諾してくれた。


「じゃあ、まあよろしく、月館さん」


「友達なのだからタメでいいんですよ。あと、私は双子の弟がこの学校にいるので、下の名前でお願いしますね。」


「といいつつ、タメじゃないぞ。纐纈」


「あー!ほ・ん・と・だー!き・を・つ・け・な・く・ちゃ」


「棒読みになってるぞー」

俺はタメ語に慣れていない纐纈に冷静なツッコミを入れる。


「ん~!がんばりま…がんばるね!」

ギリギリセーフといったラインである。まあ、普段はお嬢様で友達もいなかったから当然のことか。タメ語をなかなかしゃべれなくて苦労している纐纈を見て和やかな雰囲気になった。

それにしても月館財閥のお嬢様がこんな雰囲気だったとは。てっきり貴族は金持ちで特級クラスだから下のものを見下し、嘲笑うような下劣な人間とばかり思っていた。※あくまでも個人の見解です。

そんなことを思っていると、再び月館が口を開いた。


「じゃ、じゃあ友達になったから、あの…」

少し照れている月館に疑問を持つ俺。どうしたのだろう。


「れ、連絡先交換しない?」


「え?」

その言葉に驚きを超えて疑問へと変わってしまった。


「友達だったら連絡先は交換するもので…だよね?」

まだぎくしゃくはしているが多少慣れてきた纐纈はなぜ連絡先を交換するのかという理由を述べた。友達になって、連絡先を交換するのは当然だが、少し疑問が残る。


「連絡先交換していいのか?」

その言葉に疑問を持つ纐纈。どういうこと?という顔をしている。


「その、財閥のお嬢様とかだったら、連絡先交換することは許されるのか?」

あ~そういうことかと納得の顔をする纐纈。とても顔に出やすい…よく生きてこられたな。


「そういうことなら大丈夫、だよ~私プライベートの携帯は禁止されているんだけど、学校の携帯、つまり『ターミナル』なら使えるんだよ~」


「なるほど、そういうことか。じゃあ連絡先交換するか」


「やったー!初友達&連絡先ゲット~」

そして急に止まる纐纈。そりゃそうだ。なんせ、今の言葉で纐纈に友達がいないことが完全にわかってしまったのだから。まあ、知ってたんだけど。また纐纈の頬の色が赤くなり、恥ずかしそうにする。


「じょ、冗談だよ?」


「いや無理あるわ」


「だ、だよね~…内緒だよ?」


「まあ、なんとなくわかってたし。まだ2週間ぐらいだから、友達は増えると思うよ。」


「ほんとに?」

そのキラキラさせた目はまるで喜ぶ小さな子のようだった。


「ほんとだよ。まあ、もう纐纈には俺という友達がもういるけどな。」


「ふふっ、何それ。あ、ありがとっ!」

纐纈は満面の笑みでそういった。その後、篠原さんが病室に戻ってきて纐纈とともに帰っていった。


「ふ~」

今日たまった疲れがどっと出た。でも今日はうれしい日だ。まさかあの4大財閥の1つ月館財閥の娘と友達になれるなんて。しかも女子!今まで彼女はおろか、女子の友達なんてできなかったのでかなりうれしかった。そうガッツポーズをしてしまうほどに。俺がガッツポーズを決めているとき、『ターミナル』から着信音が鳴った。

そこには一件のメールだった。纐纈からだ。


『明後日またお見舞いに行くね!たしかその日が退院の日だったよね?退院祝いしにいくね~』

そうか。明後日は退院の日か。つまり、私立聡慧高等学校の入学式から2週間が経過することを意味する。退院祝いをしてくれるなんて、纐纈はとてもやさしい人だと実感した。


『ありがとう。待ってる。』

感謝の気持ちを込めて返信した。『ターミナル』を閉じた後、俺は掛け布団を着て就寝した。今日は疲れたので、すぐに眠りにつくことができた。

次に目を覚ました時、空は真っ青だった。よく眠れたおかげかすっきり目覚めることができた。顔を洗いに行った後、朝食を食べ、ゆっくりと過ごしていた。今日は退院の前日。つまりあの男が来るということだ。


コンコン


ドアを叩く音が聞こえた。もうこの叩き加減で誰だかわかる。


「どうぞ」


「よっ!ひろ、また来たぜ~」


「お前は行ったことはちゃんと守る有言実行マンだからな。絶対来るってわかってた。」


「何だよ有言実行マンって。やっぱひろは面白いな~。」

そういってつついてくる陽人。ちょっとむかついたので、その手をどけた。これ以上あおられるのは面倒くさいので、別の話題に切り替えるようにした。


「今日は習い事ないのか?」


「今日は土曜日だから塾は休みだよ。だから、結構長くここにいられる。」


「そうか。」


「うれしいか~崇めてくれたっていいんだぜ~」


「はは~ありがたや~」


「「はははっ」」

お互いに笑い出す。まさに親友。そんなことを実感する瞬間だった。その後も、たわいのない話が続き、圧倒言う間に時間は過ぎていった。


「もうこんな時間か~」


「あっという間だったな。」


「だな。」


「じゃあ俺そろそろ帰るわ。」


「おう。」


「次会うときは学校だな。待ってるからな。それじゃ。」


「おう、ありがと」


学校でまた会う約束をして陽人は自分の家へ帰りに病室から出ていった。

今日は陽人が来ること以外用事はなかったので病院での最後の生活を楽しむことにした。

時間が過ぎるのはあっという間で、もうすっかり夜となってしまった。俺は少し退院後のことを考えていた。さすがに退院するのは午後なので、学校に行くことはできない。だから、次の日に学校に行こうと思ったのだが、土日なので、月曜日から行くことになった。まあ、家に帰ってゆっくり過ごしたいと思っていたからちょうどいいと思った。

それより心配なのは、学校生活の方だ。俺は、陽人と纐纈以外今のところ友達はいない。そして、もう入学してから2週間がたつから、もうグループや派閥ができてそうで怖い。俺の学校生活は知らぬ間に終わりを告げていたのだろうか。そんなことを考えつつ、俺は眠りについた。


翌日。

俺は、さっそく退院するために荷物の整理をしたり病院の先生と会話したりしていた。そうしていたら時間はあっという間で昼過ぎになっていた。昼食を食べて、少し予習をしておこうと思って勉強することにした。VRMMO機器の『WHITE』の説明書をまだ読んでいないのだが、それは家に帰ってからでもいいだろうと思って、今はスルーすることにした。勉強していると、時間がたつのはあっという間でもう日が暮れそうだった。その時、『ターミナル』の着信音が鳴った。送信者は纐纈のようだった。というか纐纈か陽人または校長や担任しかいない。メールの内容は『もうすぐ病院につくよ~』とのことだった。『おっけー』と返事をしてから、10分ぐらいで、纐纈は病室に入ってきた。


「ごめん~本当はもっと早く来るはずだったんだけど。」


「来てくれるだけでうれしいよ。俺も友達全然いないから。ところで、タメ語ちょっと会わないうちにうまくなったね。」

と言葉を投げかけると、纐纈は自信に満ち溢れた顔でこういった。


「まあ、適応力には自信があるので。」


「お、おう。そうなのか。」


纐纈は退院祝いに花とケーキを用意してくれていた。せっかくなので、纐纈と一緒にケーキを食べることにした。食べながら雑談をして、その後荷物をまとめて病院を出ることにした。荷物が少し多かったので、なんと月館財閥が送迎してくれると言ってくれた。前俺がひかれた車とは違い、新車だった。纐纈曰く、人をひいちゃった車は縁起が悪いということだ。ごもっともである。一般人だったら、車を使わなくなるかそのまま使うかのどちらかだろうが、金持ちはやはり新車にするらしい。送迎中、纐纈から私立聡慧高等学校について今どんなことをやっているのか、4大財閥とは何かなど、いろいろ聞いた。陽人にも聞いたんだが、あいつはうまく答えられないのでやめておいた。そんなことを話していると、纐纈がこんな話を持ち出してきた。


「私たちの学年は関係ないけど、5月には2,3年生による『WHITE』を使ったVRMMO大会があるらしいよ!」


「そんなのがあるんだ」


「うん。私たちの学年はまだ慣れていないからということで、11月にある予定なんだけど、2,3年生になると時期が早くなるんだって。」


「ふと疑問に思ったんだけど、なんで『大会』なんだ?」


「それがVRMMO大会は、まず学内で選抜を行ってその上位の者たちがTW制度導入校同士で戦うらしいよ。学校ランキングの指標にもかかわっているみたい。」


「代表戦か~俺は多分出ることはないと思うけど、纐纈とかは11月に出れる可能性はあるんじゃないのか?」


「う~ん…まだわからないかな。でも橘高君だって出れる可能性はあるよ!各イベントでよい功績を修めていたり、先生たちによる会議で許可が下りれば、どんなクラスでも参加できるらしいよ~例年は特級クラス制だけが多いけど。私立聡慧高等学校の伝説のあの人は、最初は特級クラスじゃなかったらしいしね。」


「あの伝説の人が!?」


「そうだよ~だから橘高君もあきらめずに頑張ろうね!」


「ああ!」


俺は、気合を入れてそう言った。2週間遅れで俺はようやくスタートラインを越えられる。


どうも餅豆打(もちずんだと読みます。)です。

第2章はいかがだったでしょうか。その前に第1章から時間が空いてしまってすみません。少し諸事情がありまして...(言い訳)今回の第2章は第1章から字数を増やしました。4倍くらいかな?第2章では、新たに、大山校長、三上先生、月館纐纈が登場しました。今後この人たちは重要な役を果たすかもしれません。ご期待ください。

第一章を書いたのは3月だったのですが、気づけばもう10月。時間がたつのは早いですね。1日1日を大切にしていきたいです。私は、最近英語の勉強を励んでいます。やっぱり難しいですね~今はto不定詞や動名詞、分詞を勉強しているのですが、難しくて難しくて苦労しています。皆さんも勉強頑張ってくださいね!

次は投稿が遅れないように頑張りたいと思います。それでは、また第3章でお会いしましょう。、

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ