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第六話 麻婆炒飯

「ジャスティス君の好きな食べ物って何?」

どーも持木奈子です。今はジャスティス君とラインをしています。クエスチョンマークが入ったメッセージを送ると相手から返信が来るとギャル雑誌に書いてあった。

「ジャスティスの好きな食べ物ベスト3当てられるまで帰れません!」

いきなり、帰れません企画が始まる。自宅にいるのに。どこに帰れないというのか。「えーカレーとかですか?」

好きな食べ物ランキングに入ってそうなのをとりあえず言ってみる。

「惜しいね。どれくらい惜しいかっていうとビンゴで30が開いて欲しいのに31が開いたぐらい惜しいね。」

多分それは全然惜しくもなんともないんじゃないかな。

「ヒント貰ってもいいですか?」

実家に帰らせてもらいたい気分にもなってきたので、帰れません企画を終わらせにいく。

「ヒント?じゃあ三位は中華料理だよ。」

中華料理か。上海、広東、四川、北京と範囲が広い。最初のヒントの出し方がうまい。

「じゃあ炒飯とかですかね。」

当たり障りのない中華料理を挙げてみる。

「お、正解だよ。やるね、持木さん。」

お、一発目で正解できた。飽きてきたので残り2つも早く当てたい。

「二位のヒントは中華料理だよ。」

正解に対する返信も待たずにジャスティス君はヒントを出してくる。恐らくニ連続でヒントが中華料理というオモシロギャグを早く披露したいが為に前のめりなのだろう。スベっている。私の肌並にスベスベだ。

「じゃあ麻婆豆腐とかどうですか?」

私の肌並に白い豆腐を使った料理を言うことで相手のスベリを強調する上級テクニックだ。

「お、やるねー持木さん。あと一問で帰れるよ。」

ここまできたら最後まで解き切ってやる。これがコンコルド効果か。好きな食べ物なんて聞くんじゃなかった。

「第一位のヒントは中華料理だよ。」

安定の天丼をしてくるジャスティス君。鉄板のスベリ芸だ。

「じゃあ春巻きとかですか。」

「違うよ。なんで春巻きなの?今は梅雨だよ?春要素が一切ないじゃないか。バカだなー持木さんは。そもそも持木さんは中華料理を知ってる?」

長々とした煽りが送られてくる。既読無視をしよう。

「ごめん。」

ちゃんと謝ってくる。可愛いかよ!

「一位は麻婆炒飯です。」

麻婆炒飯。確かに二位と三位に伏線があった。これが令和の寄生獣か。流石ジャスティス君、ノルウェーと日本のハーフは伊達じゃない。

「麻婆炒飯が一位なんですね。けど私は食べたことないです。」

意外な食べ物の一位に驚きと未経験を伝える。男は未経験が好きだとおばあちゃんが言っていた。

「なら今から持っていくよ。」

ピンポーン。ラインが入るやいなやアズスーンアズ家のチャイムが鳴り響く。四角い箱のリュックを持ったジャスティス君が家の前にいた。

「ジャスティスお手製の麻婆炒飯お持ちいたしました。」

プラスチックの容器に入った丼を渡される。見た目はまったく麻婆ではないが一口食べてみる。こ、これは!焼き卵かけご飯に大量の一味と片栗粉でとろみをつけた味噌汁がかかっている!そうか麻婆豆腐は豆板醤で味をつけるのが一般的だが、結局は味噌と唐辛子だ!味噌汁と一味で代用できる!しかもレトルトの味噌汁には豆腐が入っていて麻婆豆腐感を増してくれいている!これがパサパサの炒飯に潤いを与えてくれている!まさに夢のコラボレーション!その後私達二人も夢のコラボレーションをしましたとさ。

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