表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やさぐれ  作者: くらいいんぐ
4/15

第4話

斎藤氏が新作を発表した。

題名は「故郷」。山と海の間に垣間見える街並みを描画した、とても温かい絵だった。


そしてこの絵が爆発的にヒットする。

斎藤氏独特の描写もあるが、その画の大きさが屏風くらいの特大サイズだった。

すっぽりと故郷の街がおさまるくらいで、圧倒的なインパクトがあった。


そしてその絵は個展に置くことになり、ひっきりなしにお客さんが訪れた。


青年も絵を見る暇がない程、仕事に追われた。


そんなある日だった。

仕事を終えて帰ってみると、両親がまた気を引くような話をしていた。


「個展を持ってかれたらおしまいだな。」


「本当にどうなってるやら・・・」


聞いてみると、例の「ららぽーと」に、今青年が働いている斎藤氏の個展の移転計画が持ち上がってきたらしい。

ヒット作「故郷」の影響もあり、集客にはもってこいの材料だったのだ。


市の郊外はにぎわいを見せるかもしれない。でも、今度こそ駅前には何もなくなってしまう。

すでにシャッター街と化している駅前商店街。

「ららぽーと」の建設は、駅前商店街の息の根を止めるくらいの勢いだった。


どうやら裏で動いている大山組に軍配が上がりそうな気配だった。


そしてこの大山組と青年は関わりを持つことになる。

青年はまだそんなことになるとは思ってもいなかった。


新作「故郷」が暗いスポットライトに照らされて、静かに飾られていた。

その温かさは、とてつもなく優しいものだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ