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第84話 閑話  「よしサーヤ寿司屋をオープンさせよう!」「無理」

短い閑話を一つ。

久しぶりの2話連続投稿ですがまあ、内容は薄いです。


では第84話






「ねえ、この出汁ってそのまま塩で味付けてスープで出せるほど旨味があるわよ。このままで一品に出来ないかしら」

マクが小皿で出汁の旨味を確認している。



「確かにこの出汁と言うのは美味しいのですがやはり具材を入れるとまたひと際味に変化が生まれるのでそう言った利用の方が良いのではないでしょうか」

ティレットが大根の様な根菜の皮を薄くむきながら横で味見をしているマクが作る出汁の鍋から立つ香りをかいでいる。



「ご主人様が言ってましたけど、「出汁は命だ、しかし出汁は何も昆布やカツオだけでは無い。全ての具材が出汁となる」って」

シンゾウは干された長く広い昆布の表面を乾いた布で丁寧に拭きながら思い出したように言う。



「えっ、出汁って出汁じゃないの?昆布っていう海藻とカツオっていう魚の干物で旨味が出るって聞いたけど」

アンドウは昆布を指定された大きさに切り分けながら壺に並べながら言う。



「わしの聞いたところによるとだな、何かを水やお湯につけておくとその食材からしみ出す美味しさや香りすべてが出汁となると聞いたぞ」

ギムがカツオの乾燥した身を削る為木を削る用の幅広い刃物を砥石で研ぎながら聞いた話を述べる。



「ササスケさん達ならもっと詳しいんでしょ。教えてくださいよ」

ワオンは米を”炊く”鍋を洗いながら話を振る。



「俺たちの村では確かに出汁っていう言葉は有ったけどそれは山で獲った獣の肉や内臓を茹でた汁の事だったな。それに塩を入れて味付けしてた。」

ササスケは米の入った樽から米を小さな籠へ移していた。



「そうそうあとあったのは山で獲った山菜を茹でた汁に山菜と獣の肉入れてたけどあれは出汁だったのかな。あの時味噌の使い方を知ってればもっとうまかったのにな」

ミホが大きな桶に入った味噌を小分けにしながら思い出したように呟く。



「ああ、ミホさんその小分けした味噌は厚切のボーワ肉にまぶしながら重ねて入れて数刻置くそうよ」

マイが知矢から渡されたレシピを見ながら指示する。



「ボーワ肉に味噌塗っておいとくとどうなるんですかい」

何するわけも無く皆と談笑するボンタが口を挟む。



「ええ、それはね・・」とマイがレシピを読み込もうとしていると



「ボーワ肉の味噌付けを味が染みたところで網焼きすると、ご飯が止まらなくなる」

少し離れた席で帳簿を書いていたサーヤがぼそりと呟く。



「「「「「ご飯が止まらなくなる!!」」」」」

全員がサーヤを注視する。



「そう、これも最高の料理法の一つ」



「「「「「ごくっ!」」」」」


全員が一斉に喉を鳴らした。





ここは知矢の魔道具商店の隣に買い足した空き家を料理屋へと改装した店舗の調理場である。


使用人たちは今イエヒコが郷里より持ち帰った米、味噌、醤油を基本とした料理を出す店のレシピを試作中。


それに合わせて知矢とサーヤがどこから手に入れてきたのか”出汁”の基本と称し昆布とカツオの出汁を中心に食材をどのように使うのかも研究しながら試作を続けていた。



知矢は数日をかけて基本の料理法やメニューを下記記したものを用意してくれてが書いてある調理方法や味付けの方法それに肉や野菜、魚に至るまで料理によった切り方や仕込み方時に物によっては熟成とか付け置きと称してしばらく置いておく方法など今まで見たことも聞いた事も無い物ばかりで使用人たちは困難を極めていた。



かの知矢は多くのレシピを手書きし用意してくれたが、如何せん主は忙しくほぼ毎日不在であった為内容が解らない言葉表現に苦慮していた。

一緒に監修していたサーヤは聞けば説明してくれるが知矢程の料理の知識も無ければ実際料理をしたことが無い為結局できた者の味見がメインになってしまう。


その為数多くの試作を繰り返しながら完成品の味見をしたサーヤがやっと良し悪しを指示するため効率が悪かった。


だがそれも繰り返すうちに味が定まってきておりもうしばらくすれば未だ10品程度ではあったがレパートリーも出来つつあり今度は”定食屋”と言う名の料理屋をオープンさせる予定だ。



しかし先に開業した魔道具商店の方も未だ盛況で余剰人員は殆どいない。

そう言った要望から知矢は新たに15人の奴隷を購入してきたのだった。



今度の奴隷は全員女性、しかも料理経験が比較的多い者を特に厳選して来たとの事であるが今は一軒おいた隣の建物に於いてリラレット達先輩使用人による基礎教育の真っ最中であった。


この教育内容はリラレットやサーヤを始め元貴族の使用人たちでまとめ上げた内容に基づいている。

内容の詳細は使用人たちによって極秘扱いの箝口令が敷かれ主である知矢もその詳細は未だ知らないが皆を信じて任せている。



その内容の基本は ”主への絶対の服従””主が快適に過ごせる方法””主の身を絶対守る術””主の好み色々””主が気持ちよく酔えるには”等々多岐に及ぶが彼らの絶対的な存在である知矢が如何に満足した生活を送れるかを徹底的に仕込んでから仕事に就かせる方針であった。


その為新人教育は特にじっくりと行われている。

ちなみにその新人使用人達の中に奴隷では無い者が一人含まれて毎日四苦八苦しているようだ。

その名をマリーと言い出自は明かされていないが使用人たちは皆元々貴族であったであろうと推測していたがそんな事は使用人になった時全てを忘却の彼方へ置くものとこれも教育内容に盛り込まれていた。


そんなマリーがどうしているか。

それはいつかまた。





閑話休題


そんなこんなで使用人たちの作る料理がある一定以上の味を作り出せるように成ったある日の事、夜帰宅した主、知矢が唐突に言い出した。



「サーヤ、ラーメンは無理か?」


「作り方を知っているのですか」


「・・すまない」


「私も味しかわかりません」


「スパゲッティは?」


「今は無理です」


「・・・・・じゃあ!うどんだ!うどんなら小麦と塩を基本に練れば出来る!」


「うどん・・出汁も醤油もある。可能でしょう」


「よし決まった!明日からうどんの研究をしてくれ。そしていつかうどん屋を開こう。楽しみだ!じゃあ俺は出かけるから後は頼んだ。」




「・・・トーヤ様うどんのレシピは?」


サーヤのかけた声など全く聞こえない知矢はどこかへ飛んで行き、その後数日帰ってこなかった。





「サーヤさん、ウドン?って?」

アカネの問いに


「故郷に無かった?」


「うどん?聞いた事ないわね」


「小麦の粉をお湯と少々の塩で練る、そして紐の様に切るそしてゆでて食べる」


「小麦団子汁とは違うわよね?」


「多分その団子汁の団子を細くして茹でた物?」


自信のないサーヤであったがその情報だけをもとに元転移者を祖先に持つ者達が集まり試行錯誤を繰り返すのだった。


「おいぐちゃぐちゃで固まらないぞ」


「こっちはぼそぼそだ」


「いやーん茹でたら全部溶けてなくなったわよ」


「かっちかち・・・・」


「んな、鍋の中で!膨らんでる膨らんでる!!助けて!!」




果たしてうまいうどんを知矢へ献上できる日は来るのだろうか。


そして定食屋開業の行方は、うどん屋へ変更されるのか?



使用人の悲鳴と共に夜は更けていった。






えー作者は基本、料理は出来ません。

あまり興味もありません。

なので思い付きで適当に書いてました。

あとは使用人たちの努力が実れば何らかの形になる・・といいな。


ちなみに食べるのはサーヤと同様好きです。

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