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第46話 よしニャ帆を上げるニャア  ~トーヤ君は今頃どのへんかな?

調子ににって何とか本日二本目を投稿


まあ、正直話は進んでません。


切り合いも爆裂魔法対決も龍も出てきませんのであしからず。


では第46話。




商業中核都市ラグーンの朝は早い。

商業都市の名にふさわしく商人達が早朝から商売の為に都市を出て行くからである。

普通の商人だと日ノ出の開門に合わせて出立するのが定番だ。


船運を利用する者も前日夕刻には荷を船へ預け朝一番の船出と共に旅立つのだ。


今日の一番船は3艘の貸し切り船から出港していった。

だが乗船しているのは余り商人にも見えない冒険者や使用人、計25名である。


3隻は共に同じグループと見え各船に分れ楽しく浮かれた様子で船出していった。


「うわー船着き場を離れたと思ったらあっという間にラグーンが小さくなっていく」


その中の1人少女からやっと大人に成りかけた歳頃のモネが船首に近い場所から後ろを振り返り感嘆の声を上げた。

モネは元貴族のメイド。今は魔防具商店の使用人である。主に食事や洗濯・掃除などを得意とし店の裏方をさせている一人だ。


「おい、モネちゃん喜ぶのは良いが船から落ちんでくれよな」


船の中央一番広い場所に陣取り朝から酒でも飲むかのように大ぶりの器を片手に足元には素焼きのビンを抱えた男ハーフドワーフで元冒険者のギム。今は魔道具商店の警備担当。ドワーフの血か大の酒好きであった。


「大丈夫ですよギムさんそんな事よりギムさんの方が酔っぱらって落ちないでくださいね」


モネの返しに周囲の者が笑う。


快晴で気温もそれほど低くなく風も波も穏やかな船出であるからこそそんな楽しい光景が3隻それぞれで繰り広げられていた。


その中の1隻舵を取るのは

「いやあ今日は最高の船旅になるニャア」

ゆったりと微風を帆に乗せ舵を握る船主、ニャアラスであった。


「ニャアラス兄さん!私船に乗るの初めてだけどこんなに快適で気持ちが良かったのね、知らなかった、兄さんにお願いしてもっと早く乗せてもらえばよかった。」


とニャアラスと同じ獣人でもと貴族のメイド。今は魔道具商店の使用人マイである。


「ニャはは、マイ、こんな最高の日はニャ一年に数度しか無いニャ。おみゃあは最高の日に当たったんだニャ」

ニャアラスとマイは同じ獣人でマイはニャアラスを兄と呼ぶが血のつながりは無い。

同じ一族はどこで暮らしていてもどんな仕事についていても合えば家族、離れていても助け合う。そして人族の家族以上に仲のいいのも獣人だ。


そんなん獣人の中でも猫獣人は年下の者を大事にし、年上の者を敬い親しみを込めるのも特徴であった。


「だがあにい、そんな気持ちの良い最高の気分をぶち壊しそうな奴らはどうするんですか」

これまた獣人で元冒険者。今は魔道具商店の警備担当のミレが後ろも振り返らず横目でニャアラスに問う。


「にゃははは、心配いらニャイな、どうせ奴らはどこに向かうかを気にしてるんだニャ。行きに襲ってくる事はニャアってトーヤも言ってた。

それよりもあいつらがどこで船を調達してきたのかが俺には気になるニャ。

船主仲間がそうあんな奴らの手先になるわけニャイだろうし。まあどのみち後でとっちめるんだろうその時解るニャ」


のんびりとミレに答えるが実はニャアラスの気は常に周囲を警戒し何かあれば即対応できるのだった。


「ニャアラスさん、とっちめて貰っちゃ困りますよ。奴らに荷を奪わせるのが目的なんですから忘れないでください。」


船の中央でどっしり帆柱を背にくつろぎ一見寝ているように見えたのは元冒険者。今は魔道具商店警備主任のサンドスである。


「ニャはは大丈夫だニャ大船に乗った気でいるニャ」とのんびり舵を握るニャアラスであった。


「まあでもみなさん、トーヤ様からも行の船旅は慰安旅行だと思い本気でのんびりする様に言い付けられていますから船主さんを信じて今は船旅を楽しませて頂きましょうね」


ともう一隻に乗り船を寄せてきたのは元貴族のメイド長。今は魔道具商店の総支配人リラレットである。




昨夜店を閉めた後の事である。

夕食を終え皆を集めて今回の作戦の最終確認を行っていた知矢から


「よし、準備はすべて整ったし作戦内容も皆把握したな。明日から店を全員で空けるが、何も荷どころか書類一枚残っていないんだ。留守に何が在ろうと気にしなくていい。

ところで明日からの旅だがな、行きの船はおそらく快晴で風も穏やか最高の船旅だと船主のニャアラスとさっき話した。

そこでだ、これは命令だと思って全員良く聞く様に!」


作戦の打ち合わせが終わったと言うのに改まっての”命令”に使用人一堂ピリリと緊張を走らせた。


「良いか!明日の船旅はゆっくりのんびり本気で船旅を楽しめ!本気だぞ!酒も許可するし食べ物もたっぷりマジックバックに入れてある。興が乗れば歌っても良いしまあ、船上じゃ踊れないがそんな気持ちで慰安旅行だと思い一日楽しむように!繰り返すがこれは命令だ、いいなリラレット」


と作戦の一旦であろうが知矢は使用人に一日くらい自由に船旅を過ごさせて息抜きをさせるつもりだった。


知矢の心遣いを受け取ったリラレットは黙って頭を下げると他の使用人たちも膝をつき頭を下げるのだった。


「よし、あとそうだこれは俺からの差し入れだ。」

とマジックバックを3個取り出した知矢。


それは今回販売を予定している物とは異なり大きさ形は旅で荷を背負う背負子だがその中は1つで馬魔車荷台5個分にもなる大きさでしかも時間停止機能付き、更に秘密保持にも最適な出し入れの指定ロック機能も搭載している。


これは魔法陣に登録した人物以外が中を探ろうとしてもただの空の荷箱にしか感じない機能だ。

外部から破壊しようとしても防御の魔法が定着させてあり大槌や大刀で破壊する事も叶わない。


これはあくまで市販しない特殊仕様である。


マジックバックを受け取り中を確認するように促されたのは元冒険者で転移日本人を祖先に持つ、今は魔道具商店の警備担当ササスケであった。


ササスケは探るように慎重な手つきでバックに手を差し入れると瞬時に中身が頭の中に浮かび上がってきた。


「うわあっ、ふう・・拙者マジックバックに触れるのは初めてでござる、それにしてもこんな風に中身が理解できるとは・・・不思議でござる。」


そう言いながら中身を皆に披露する。


・新鮮な果物多種多量(熟れ熟れ)

・出来立てのパン大量ホカホカ

・パスタ料理多種多量ゆでたて

・ワイン

・ビール(冷え冷え)

・骨付き肉のロースト香味野菜添え(アツアツほくほく)

・肉串焼き多種大量アツアツ

・魚串焼き多種大量アツアツ

・魚フライ多種大量アツアツ

・スープ多種多量アツアツ

・甘い焼き菓子大量


その他皿からグラス、取り皿、フォークにナイフスプーン、ランチョンマット、携帯テーブルに椅子各種、毛布にマット、ござや座布団その他なんでも入っていた。それが3個だ。


「これらは俺の気持ちだ、命令通り存分に味わってくれあ、そうそう明日の船主はニャアラスに頼んであるアイツには魚のフライをたっぷり分けてやってくれ。」




そう言っていた知矢の姿を思い浮かべリラレットは皆に十分楽しむように伝えたのであった。


その後三隻の船は互いに密集しロープで固定しながらゆったりと進んでいる間に他の船頭も交えて先ずは朝食を食べ始めたのであった。


皆が知矢の厚意に甘えワイワイとにぎやかに食事を楽しむのであった。

「ぼく朝からフルーツ山盛り食べるの夢だったんだ!ご主人様に使えて本当に幸せだな!」

とフルーツを文字通り山ほど抱えて食べているのは元商家の奉公人。今は魔道具商店使用人のシンゾウだ。

本当に美味しそうに頬張っていた。


その横で静かにスープを飲みパンを小さくちぎり口にするのは元貴族令嬢の日本からの転生者。今は魔道具商店使用人で奥向きの段取りや帳簿を担当するサーヤである。


そこに「サーヤさんこっちの肉のロースト食べますか」

とサーヤに皿を差し出すのは元冒険者で転移日本人を祖先に持つ、今は魔道具商店の警備担当ノブユキであった。


「朝は肉は食べない、ノブユキが食べろ。トーヤ様の許しもあるお前もお酒飲んで良い。」


「・・・・」ノブユキは未だサーヤの口調に慣れず距離を測り損ねている様子だった。





そんな誰が見ても楽しそうな船旅をギリギリ歯を鳴らして悔しそうに見ている者がいた。


「くっそうあいつらのんびりとしかも船の上で飯何か食いやがって」

ボンザンスの配下である一行だった。


未だ都市に隠れ住むボンザンスから急に命じられ隠してあった船を出し商店の者を追う3人だった。


「よう俺たちも何か食う物ねえのかよ」

「有るわきゃねえだろ、ボンザンス様に命じられ急いで着の身着のままで出てきたんだ」

「んじゃそこの岸に寄せて街道にある村の商店で何か食おうぜ」

「馬鹿言うなその間にどっかいかれたらどうすんだ奴らがどこぞの船着き場に停めるまで我慢しろ」

「えええ、それいつなんだよ」

「俺が知るか!水甕だけは積んできたそれでも飲んで我慢しろ」



ええええええと不満が漏れるが実際この者達は既に騎士により街道一帯はおろか帝国中に指名手配がされている身だと言うのを理解していないようだった。





そんな様子を街道の川岸の土手をのんびり歩く魔馬上でフードを被り見つめる者、知矢であった。


「まあ最初からラスボスは出てくるわきゃねえか、奴の事はボンタに任せておくとしてしばらくはのんびり旅と洒落込むか」


楽しそうに船旅をする使用人たちを見ながら知矢も無限倉庫からニーナが作ってくれたサンドイッチを出し魔馬の上で頬張りそれを摘みにビールを飲むのであった。


のんびりと背も揺らさず歩く魔馬、初めて乗ったが地球の馬と違い乗りやすいと感心しながら知矢ものんびりを楽しむのであった。






小説を書きながら一緒にツーリング行くやつからの電話を待っていましたが一向にかかってきません。


lineは既読なのに。


Buuuuuu!!!!


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