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第35話 帰還  ~俺の背中はお前に預けたニャア

少し短くて内容も進んでませんが(いつもの事)ご覧ください。


第35話

どうぞよろしくお願いいたします




「おお!ラグーンが見えて来やしたぜ兄貴!」

と河船の船首で騒ぐボンタ、



10日程とはいえ暮らしていた都市へ戻ると感慨深いものがあるらしい。



先日より続発していた街道の商隊や船荷への襲撃事件は知矢と仲間により襲撃犯とそれを操り襲わせていた犯人、南の大国より潜入していた破壊工作員を捕える事により幕を降ろした。




帝都より聴取に訪れた司法貴族による破壊工作員への取り調べは全て終了したとその後行われた知矢への事情聴取の折に伝えられた



取り調べにはアイテム‘奴隷の首輪’と言う道具が使われたそうだがそれをつけられた者は主の命に何も逆らえず問われるがままに話をさせられる魔道具である。

(正直恐ろしいので何かの事前対策を考えておくかと知矢は真剣に思った。)



勿論自害することも叶わず逆らう事も出来ず心の内までさらけ出さざる得ない、夜を徹して全てを聴取された破壊工作員は牢屋の中で今でも奴隷の首輪をしたままである。


この後帝都に送られ裁判の後に刑を言い渡されるであろう。



1度は南の大国へ公式に抗議を行い責任追及と賠償を求めるまで生かされるであろうが、かの国がそれに応じる訳もなく公式にはそんな国民は居ないし破壊工作等荒唐無稽の作り話であろうと逆に精神的な損害の保証と称して金銭を要求するに違いない。


その様な無法で道理の通じない相手でも帝国としてはこちらの法に則り適正に対応しなければならないのが法治国家としての原則である。


如何に相手が()()でもだ。




その後滞在していた大都市を統括する貴族の名で冒険者ギルドより特別報奨を受けとりやっと帰路へつけたのだった。


だが知矢はまだ緊急指名依頼を出した当のラグーン冒険者ギルドへの報告と、依頼報奨受け取り等も残っているのがめんどくせーと知矢の言。



そして知矢の頭の中ではギルド長から押し付けられたボンタの件をどうやり返すか思案中でもある。


ともかくラグーンへ戻って来たのだった。





船主の猫獣人ニャアラスの見事な操船により滑る様に船着き場へ侵入し停止した時、既に帰還を予想して待ち人がいた。



「トーヤ君、無事の任務遂行おめでとうございます」


優しい笑顔で出迎えてくれたのはニーナである。



「ニーナさん、わざわざありがとうございます、何とか無事に戻れました。」

と挨拶と握手をかわす二人。



続いて

「ニャアラスさん! おかえりなさい、無理をお願いして申し訳ありませんでしたね。

でも無事にトーヤさんを連れ帰ってくれてありがとうございました。」


と船の片付けをしているニャアラスへ手を振るのであった。



「ニャンもニャンも、俺も久しぶりに冒険者らしい仕事も出来たし楽しかったニャ!


トーヤ、また何かあれば声をかけるのニャ!

お前なら信用出来るし仲間として最高ニャ!」


と満足げだ。


「いやいや、こっちこそ、最高の操船に見事な槍さばきまで見せて貰えて、なるべく事件には巻き込まれたく無いか、アンタなら俺も背中を任せられるよ!

また呑もう!

お疲れ!」


と互いに信頼を寄せる相手ができた事、共に敵を撃滅できた事を思い出しながらその場を別れたのであった。




ニーナ連れられて冒険者ギルドへ向いながら知矢は今回の依頼と言うより旅の話をして歩いていた。



ニーナは知矢の話を相づちを打ちながらニコニコと黙って聞いている。


この自分より若い冒険者は何故こんなに少年の様なキラキラした顔で語りその人柄は人生の大先輩の様に深い懐を兼ね備え引きつけられるのだろうと思いながら………。




と、そこへ

「あのお…兄貴……所であっしはどうすれば?」


すっかり忘れ去られていたボンタである。



「………お前、まだ居たのか。

もう都市へ着いたのだから家に帰って良いぞ、お疲れ!」


「そんなあ……兄貴!俺付いていきますよ!」


と相変わらず連れない知矢に必死に追いすがるのであったが。



「いや、お前勝手に付いてきただけだろ、依頼が終わればギルド長のヤツから追放処分が取り消され晴れてまた冒険者だ。

ならさっさとギルド長のトコヘ押しかけて解いて貰って帰れよ」



ニーナは知矢と隣を歩きながらどうしようか何か言おうか迷っている様子だがそれを察した知矢は目で合図を送り何も言わないでと伝えた。


その真意は解らながニーナは取りあえず知矢には何か考えが有るのだと思い口を出さずにいる。



「....兄貴....」

「........」

「....兄貴...俺..今まで何やっても駄目だったんす。


...田舎から出てきて冒険者になった時は目指せAランク!なんて粋がってたんでやすが、実際に依頼を受けても失敗ばかり、採取依頼はぼろぼろで買取してもらえず。


常時討伐の牙うさぎにも囲まれて危うく死ぬところだったし、他の冒険者の仲間に入れてもらっても役に立たないとすぐ放り出されて...


そんな時にあいつらが声をかけてきて...」


ボンタが話し始めたので知矢は歩きながら黙って聞いていた。


「最初はあいつらもそんな悪い奴だとは思わなかったんす、そりゃあ見た目があんなんで粗暴だとは思ったんですがそれでも声をかけてくれたのはあいつらだけで...

でも結局、悪事もビビッてできないし人を脅すことも、盗みも怖くて...

後は言われるがままに下見とか偵察とか後をつけまわす事だけしかできなかったんすけど...

飯と酒だけは分けて貰えてたんで金の無い俺はずるずると....」


段々か細い声になってきたボンタに

「お前ひょっとして俺の事もつけてなかったか?」と問うた。


「えっ、あっ...はい、兄貴とギャポーズがギルドの練習場でやり合った後あいつらに言われて宿とか行動を付けて報告しろってソメッソに言われて.....すいませんでした...」



知矢はやはりかと思い今まで放置していた鑑定でボンタのステータスを確認してみた。

「.....」


すると想像していなかった結果に少し考えを巡らせるのであった。


黙り込んで歩き続ける知矢にボンタは怒らせてしまったのかと何も言えなくなってしまったがそのままついていく足は止めなかった。



無言で歩く3人はいつの間にかにギルドへと到着していた。

ニーナはギルド長にアポを取る為先にギルドへ入っていった。


残された二人未だ口を開かない知矢の顔色を窺いながらどうしたらいいのかわからないボンタ、すると


「おい、お前とにかくギルド長と会って資格を取り戻せ。話はそれからだ」


と言ってくれたのだ。


「はい!兄貴」と途端に元気になるボンタだが知矢は(兄貴はやめろよ全く...)とため息をもらすのであった。








「ニャア、俺もお前の商会へ入れろニャア」

「ニャアラスがか?お前何できる?」

「そうだなニャア、走るのも早いし、槍を持たせると怖いものなしだし、魚は大好きだニャ」

「お前商会の意味知らねえだろ」


「ニャア?」



次回ニャアラス再び!

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(はい嘘予告です)

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ドワーフとか登場する設定で風の精霊でノーム…… ファンタジーの基本設定をイジルのはオリジナリティーを発揮するより違和感とアレルギーを引き起こすあくしゅになりやすい。 直す必要はない…
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