第26話 私目をトーヤ様の弟子に! ~思い付きで行動して大丈夫ですかね
今日の雨は降ったり止んだりでももう少しで梅雨が明け夏が!!!
でも中国がまき散らしたウイルス騒ぎが終息しないと・・・・・
気持ちを切り替えて
第26話よろしくお願いいたします。
最終的に知矢が購入した奴隷は20名となった。
支払いを即金で済ませ帝国の規定である奴隷契約書にサインをし、その後商会が用意した奴隷紋契約呪術士により一人一人最終的な意思確認をした後に知矢との隷属契約を施していった。
知矢は指定された魔法陣の上に針で傷つけた指から血をたらしたのみで後は呪術者により奴隷へ紋を移しこむだけであった。
痛みや刺激は無いらしいがやはり奴隷紋を刻む行為が怖いのか皆緊張の、面持ちだった。
知矢ももっと仰々しい儀式的な事が行われるのかと考えていたので拍子抜けしてしまった。
最後の1人になった時知矢は商会長にニーナを残し人払いを願った。
広い応接室にはソファーへ座る知矢とニーナ、立ったまま下を向き立ち尽くすサーヤのみ。
「少し、話がしたいのでどうぞ座って下さい」
と、知矢はサーヤをソファーへ促したが聴こえているはずだが反応が無い。
奴隷落ちして数ヶ月、未だ男爵家の一員としての矜持が残っているのか、そして知矢の様な若い冒険者には従えないと言う意思表示なのか、
知矢は仕方がないなと呟くと再び話しかける、が今度は意識して日本語で話しかけてみた。
「色々今後の話と、君の前世について聞いてみたいのでどうかお座り下さい」
隣に座るニーナが聞いたことのない言葉に怪訝な顔をするのと対照的に無反応だったサーヤは瞬時に顔を上げ日本語を発した知矢へ驚愕的な顔を向けた。
知矢の鑑定で見えた物。
この男爵家の元令嬢サーヤのステータスにはこんな項目が表示されていた。
” 地球からの転生者 ”
と。
日本語通じないのかな?英語苦手なんだがな?と思いながらも黙って様子を伺う知矢
すると先程まで無反応だったサーヤが静かにソファーへ腰を降ろし知矢を見つめやっと声を発した。
「あっ、貴方!………貴方も転生者だったの?」
恐る恐る日本語を確認する様に呟くサーヤは久しぶりに発する日本語を思い出す様に話し始めた。
「そうよね、そうなのよね、今、私達日本語で会話してるわよね!」
とニーナの方を伺うとやはり何を話しているのか解らないと言う困惑の表情だ。
「はい、私は日本人で名を、塚田知矢と言います、この世界では見た通り16歳ですが日本に居たときは60歳の爺でしたよ」
と自己紹介をしてみた。
「やっぱり!…………ヒックヒック……ワアアアアアウアウ.........」
突然泣き出したサーヤを暫く知矢は暖かく見守っていた。
しかし突然泣き出した女の子に驚いたニーナは
「トーヤ君、ちょっと!泣き出しちゃったわよ何を言ったの?それにその言葉は?」
「ニーナさん、大丈夫ですから落ち着いて下さい、彼女は悲しいのでは無くおそらく感極まっただけですから直ぐに落ち着きますよ」
「でも……」
「それに先程の話していた言葉ですが、説明が難しいのですがどうやら私と同郷の者だった様で久しぶりに聞いた郷の言葉に色々な事で張り詰めていた気持ちが緩んだのでしょう。少し待ってあげましょう」
とニーナに伝えたが男爵令嬢と同郷?えっ?
とやはり理解出来ないのは当然の事なので後日言える範囲で説明しますねと,とりあえずその場は収めたのであった。
サーヤが泣き始めた頃、人払いを求められた商館長のザイードは部屋の前に連絡用の人員を残し一度自室へ戻っていた。
机に置いてある帝国政府奴隷契約書を見直してみた。
今回一度に20人の奴隷を購入した知矢の選んだのは
元冒険者の30、40代男 2名
同じく10代、20代女 3名(内獣人1名)
元貴族の30代メイド長の女 1名
同じ貴族の10代メイドの女 3名(内獣人1名)
元商家奉公人10代男 4名
同じく 10代女 5名
元に運び人夫10代男 1名
元貴族令嬢 10代女 1名
冒険者は皆各自受けた依頼の失敗による損金と賠償金による借金奴隷である。
その内獣人の女は本人曰く騙されて借金を背負わされたと言っているが定かではない。
しかし識字率が低い傾向にある獣人は計算も不得手でだまされたり勘違いで借金を背負う率が高いとも言われている。
貴族のメイド長とメイドは同じ貴族に仕えていたがその貴族自身が借金で奴隷落ちし仕えていた者も貴族に借金を背負わされていたため奴隷落ちとなってしまった。
商家の奉公人たちもまた勤めていた商家が借金でつぶれ、更に給料遅延が続いた為借金を重ねていたものだが商家さえ潰れなければ返済猶予を受けていたが潰れたため急な支払い督促が起こり奴隷落ちとなる。
荷運び人夫の男は仕事の依頼中に喧嘩を起こし人に怪我被わせた挙句運送中の品を破損させたため半分は犯罪奴隷だが半分は返済のための借金奴隷である。
しかしその喧嘩は嫌がらせで仕組まれたものと後日解り犯罪項目は減刑されたが怪我を負わせた事実と借金は残った為奴隷落ちである。
元貴族令嬢はサーヤであるので割愛する。
以上20名、総額日本円で7550万円、帝国通貨で大金貨7枚+中金貨5+小金貨5枚になる。
実はその内の5000万、大金貨5枚分はサーヤ1人の金額になる。
サーヤの判決賠償金額は白金貨2枚だったがこれまでの帝国に対する貢献度を加味され減額された金額である。
これに呪術者への依頼料、商会への手数料、雑費、諸経費を合わせて端数をまけてもらい総支払額は
青金貨1枚、日本円で1億円となったのである。
これを顔色も変えずポンとマジックバックから現金で支払った若者を見て普段から高額取引に慣れているはずの商会長、ザイードの方が汗をかき金額を数える手が震えるのであった。
商会長室で1人先ほどの出来事を振り返るザイード。
(あの時トーヤ様は言った.....
『 商会の鑑定士のLVがどれくらいかは存じませんが鑑定士の方へ1つお伝え願いたいのですが、鑑定に現れた項目やLVが全てでは無いと言う事を覚えておいてくださいと、まあ若輩の私が言うのは大変失礼かと思いますが 』
とおっしゃっていた.....)
考え込むザイード、実はサーヤの鑑定を行った鑑定士とはザイード本人であったのだ。
ザイードは長年の経験を積み解析魔法の鑑定はLV45、この商会では最高LVだ。しかもいままで見えなかった内容が有ったとは思えない、トーヤ様には何が見えたのか?
その事を詳細に聞いてみたかったが互いにスキル能力に関する詮索はご法度と十分理解しているため知矢が自ら言い出さなければ信義の基、ザイードからそれ以上聞けずにいた。
そう考えだした時今応接室で話されている内容を聞きたい衝動にかられて居ても立っても居られなかったがそこはやはり商館長としての自負と良識、お客様との信頼の心でグッとこらえてまた思考の中へ落ちて行った。
暫くしくしく泣いていたサーヤが静かになり、落ち着いた所でやっと口を開いたのであった。
「私は生まれ変わる前は〝真木野 桃香”、享年33歳だったわ...」と語り出した。
少したどたどしい日本語で語り始めたサーヤ事、真木野 桃香は帝大卒業後国のエネルギー研究所に勤め研究員として民間企業と合同で次世代エネルギー開発を研究していた。
水素型高高炉高効率発電やプラズマ発電などを研究していた真木野だが地下中性子実験センターで実験計測時予想外のエネルギー反射を引き起こし小規模爆発を起こした地下計測室にて亡くなったと話している。
次に記憶が在るのは転生して3歳ころだったそうだ。
暫く自分は頭がおかしくなったのかと苦しんだがようやく生まれ変わり異世界で生活していて前世の記憶がよみがえった事を理解し始めて以来どうしても不便で原始的なこの世界、そして魔法になじめず前世の記憶と経験を生かして生きて行こう!そして自分の技術を世界に広めよう!
そう気持ちを切り替え身の回りの不便な事からコツコツと知恵を大人に伝え出し、自らも細やかな工作などをして利便性を広めたり、武具の改良を提案したり、戦略や戦術での効率化なども考えだした。
全ては前世の記憶と知識だが元々小説も大好きで戦国乱世物や世界大戦、SFなども呼んでいたのでこの世界の稚拙な戦略にはいくらでも手を入れる箇所が有ったのも幸いし、
当初は子供のたわごとと相手にされなかったが兄の1人が実戦でヒントを得快勝したことで注目されるようになった。
高炉の発明でゆくゆくは蒸気発電を目指して実験段階を経ていたが魔鉱石等という理解しがたい物質に比較され負けじと更なる効率の高炉を勇んで建設したのが今回の大事件を引き起こした元であった。
「結局私は前世も、今世も自分の力を過信して暴走し実験の失敗によって多くの人を無くしてしまった。もうそんな研究や発明は金輪際しないわ...」
と意気消沈で先の大爆発で命を落としたり家や家財、財産を失い都市を消滅させてしまい家族、男爵家も失ったショックは大きそうだった。
「慰めにもならないが君はまだ生きている、命ある限り生きねばならん。それが亡くなった者への贖罪だ。
見た目は若いが一応じじいだったこの私の言葉に耳を傾けてはくれんかねお嬢さん」
と知矢は語り出した。
「とまあ、説教じみた話が長くて済まんかったな、これが年寄りと言う者だから許してくれ。
もっともこの見た目では説得力に欠けるとは思うがな。」
暫く知矢の経験談や人生観を語っていたがそれが彼女にどう受け取られるかはわからないし自信もないが伝えるだけのことは伝えたつもりの知矢だった。
「あの~、トーヤ君、お話し中ですがそろそろ良いかしら」
目の前で知らぬ言葉を延々と聞かされていたニーナがしびれを利かせて口をはさんできた。
「ごめんなさいニーナさん、取りあえずの話は終わりました、じゃあ商会長さん達をお呼びしてさっさと契約済ませましょう」
と知矢は言葉を戻し慌てて廊下にいる人に声をかけザイードたちを呼んでもらうのだった。
「お話は済んだようですね」
「はい、まあ取りあえずですが。、その後の事は帰ってから又という事で、お待たせしましたが彼女の、サーヤさんとの契約をお願いします、サーヤさん私との奴隷契約、宜しいですね」
「...はいこのままですと私はどうする事も出来ません。トーヤさんが私をどう使うか知りませんが奴隷として買ってください....」
人生に諦めたような顔で沈んだ声でそう返答した。
その後他の者と同様に奴隷紋契約呪術士により奴隷門を刻まれたサーヤを初め全員の奴隷を連れ帰路に付くのであった。
「ザイードさん、今日は大変お世話になりました。おかげさまで良い取引が出来たと思います。」
「いえトーヤ様。私めの方こそ大変勉強になり、まだまだ精進しなければならない事を気づかせて頂きました。今後とも入用が有りましたらお声がけください私がはせ参じます。」
とよくわからない事を言っているなあと思いながらも知矢はザイードと握手を交わし商会を後にするのだった。
因みに奴隷を20名引き連れて帰るなどそれこそ注目の的に成る為商会が馬車を三台無償で準備してくれたので全員で分乗し知矢の隠宅たる旧商家へ戻るのであった。
何か不満そうな顔つきのニーナも載せて.....。
賠償金や規約金、借金の計算はまあおおよその想像を合算してますのでスルーで願います。
冒険者の違約金何てまだ払ったことが無いもので...




